wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

統一地方選挙で明確な意思表示を!~例えば和歌山県議会議員選挙の場合

 今晩(2015年3月30日)配信した「メルマガ金原No.2045」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
統一地方選挙で明確な意思表示を!~例えば和歌山県議会議員選挙の場合 

 いよいよ統一地方選挙も間近となり、私の住む和歌山県でも、まず和歌山県議会議員選挙が、4月3日(金)告示、4月12日(日)選挙期日という、全国統一日に実施されます。

 地方選挙とはいえ、来年夏の参議院議員選挙まで、有権者の意思を明らかにする機会は、4月の統一地方選挙しかないという地域も多いと思いますので、現在、安倍自民・公明連立政権が進めている政策にNO!の意思表示をしたいと考えている国民にとって、この機会は絶対に無駄に出来ません(そんな余裕はありません)。
 
 とはいえ、何の判断基準もなく「正しい選択を」と言っても、どうしたら良いのか分からないという人も多いだろうということで、独自に立候補予定者を対象としたアンケートを実施して公開しているグループが全国各地にあると思いますが、和歌山県でそのような取組を行っている団体の1つをご紹介します。
 その団体とは、このメルマガ(ブログ)の読者ならご存知の方も多いと思いますが、田辺市居住者を中心に、子育て中のママが集まって昨年結成した「9条ママnetキュッと」です。
 同会のこれまでの活動の一端は、末尾でリンクしておいた私のブログをご参照いただければと思います。
 
 「9条ママnetキュッと」の今回の取組は、3月27日付の朝日新聞和歌山版で大きく取り上げられました。
 
2015年3月27日(金)朝日新聞 和歌山版
2015年 統一地方選 聞こう知ろう
(下)立候補予定者にアンケート 小池佳世さん
信念持った人に1票

(抜粋引用開始)
―だったら自分たちで調べようと
 そう。私自身、前回の統一選では誰に入れたらいいか全くわからなかった。でも、全候補者の演説を聴
きに行く余裕はない。ほかのメンバーも同じで、「だったら聞いてみよう!」と。
―結果は
 アンケートは選択式で自由回答欄もつけました。自由に補足説明する候補者も多かった。考え方がわかったし、回答から知ったことも多かった。メンバーは、「ようやく投票に行ける。誰に投票
すればいいかわかった」と感想を話していました。
―議員に何を託すか
 まず、「当選した=全権を委任された」わけではないと思う。少数派の意見や反対票もあるわけですか
ら。それも踏まえ誠意のある議論、審議をして欲しい。その上で、県政だけにこだわらず、政治家として国の行く末に確固たる信念を持っている人に1票を入れたい。目先の利益ではなく、10、20年後の和歌山や国の姿を考えてくれる方に託したいです。
(引用終わり)
 
 アンケートは、田辺市選挙区、西牟婁郡選挙区、日高郡選挙区(4年前は無投票だった)に立候補を予定している10人に送られ、内日高郡選挙区の2人を除く8人から回答があり、その回答を集計したリーフレットが作成され、WEB上でも公開されています。
 全16ページの堂々たる冊子であり、気合いの入り方が違う(?)と、読む者だけではなく、アンケートに回答された立候補予定者の皆さんも感心しているのではないかと思います。
 
 
 田辺市選挙区、西牟婁郡選挙区、日高郡選挙区の皆さん、是非参考にしてください。
 
 さて、以上3選挙区以外に住んでいる和歌山県有権者で、誰に投票すべきかを決めるための参考になるデータが欲しいという方はいませんか?
 もしも、あなたが和歌山県議会議員選挙の投票権を持っており、しかも日本国憲法を大切なものだと考えているのであれば、是非とも以下の出来事を心にとどめ、責任ある投票行動をとっていただきたいと思います。

 それは、昨年の9月定例会に日本会議和歌山(角荘三会長)が提出した「国会に憲法改正の早期実現を求める意見書」を提出するよう求める請願に対する採決に際し、各会派、各議員がどのような態度をとったかということです。
 結局、多くの県民、団体からの申し入れにもかかわらず、わずかに共産党県議団の雑賀光夫議員が反対討論をしたのみで、ほとんど議論らしい議論もなく、「約70年間、一度の改正も行われていない」ので、「国におかれては、新たな時代にふさわしい憲法に改めるため、憲法審査会において憲法改正案を早期に作成し、国民が自ら判断する国民投票を実現するよう強く求める」というとんでもない「意見書」が採択された顛末については、末尾に掲載した私のブログを是非読み返していただきたいと思います。

 以下には、請願採択についての採決と意見書採択についての採決の双方について、本会議を傍聴した馬場潔子さんらの調査結果を紹介させていただきます(敬称略)。
 
【請願(憲法改正を求める意見書を国会に提出してほしいという請願)について】
 
賛成 自民党公明党全員・改新クラブの一部(長坂隆司・片桐章浩)
 
反対 共産党全員(雑賀光夫・高田由一・松坂英樹・奥村規子)及び改新クラブの一部(藤本眞利子・浦口高典・谷口和樹)
【意見書の採択について】
 
賛成 自民党全員・改新クラブの一部(長坂隆司)
 反対 公明党全員(角田秀樹・多田純一・中 拓哉)、共産党全員(雑賀光夫・松坂英樹・奥村規子・高田由一)、改新クラブの一部(藤本眞利子・浦口高典・谷口和樹・片桐章浩) 
 
 「請願」に賛成して「意見書」に反対した公明党県議団と片桐章浩議員の真意は私には理解不能ですが、とにかく以上のような採決行動がとられたのでした。
 9月定例会での採決に際し、私たちの申し入れに沿った行動をとってくださった議員の皆さんには全員再選を果たしていただきたいと希望していますが、何しろ1票しか入れられないのが悩ましい(私は和歌山市選挙区なので)。
 
 
和歌山県議会・憲法改正促進意見書採択問題について―
2014年9月18日
日本会議→自民党→県議会→「国会に憲法改正の早期実現を求める意見書」議決?(和歌山県議会の動き
2014年9月24日
法律家等4団体が和歌山県議会議長・各会派に共同申入書を送付(憲法改正促進意見書採択を阻止するために)
2014年9月25日
日本会議&自民党による改憲促進「意見書」運動を取り上げた朝日新聞のすぐれた調査報道(8/1)に遅ればせながら注目した
2014年9月26日
馬場潔子さんのレポートで読む和歌山県議会が県政史に汚点を残した1日 ※追記・訂正あり
2014年9月27日
地方議会の「国会に憲法改正の早期実現を求める意見書」は憲法尊重擁護義務に違反する
2014年10月22日
法律家等4団体が憲法改正促進意見書を採択した和歌山県議会に対して抗議声明