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志位和夫日本共産党委員長による党首討論を読み解く(2015年6月17日)~自衛隊が兵站をやっている場所が戦場になる

 今晩(2015年7月2日)配信した「メルマガ金原No.2139」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
志位和夫日本共産党委員長による党首討論を読み解く(2015年6月17日)~自衛隊が兵站をやっている場所が戦場になる

 「志位和夫日本共産党委員長による党首討論を読み解く」シリーズの第2弾(と言っても今のところこれが最後ですが)として、去る6月17日に行われた党首討論をお届けします。
 この日の持ち時間も7分。志位委員長は、「後方支援」と「武力行使との一体化論」に絞って安倍首相との党首討論に臨みました。
 
 なお、ここでも、志位委員長の発言は紺色、安倍首相の発言は赤色、私が書いた補注は黒色、私が引用した会議録等は茶色で表記しました。
 

2015年6月17日  国家基本政策委員会合同審査会
志位委員長の党首討論(6/17)
 
志位和夫委員長 政府提出の安保法案に対して、先の憲法審査会で、3人全ての憲法学者から「憲法違反」との批判が述べられました。
 集団的自衛権行使が憲法違反との批判とともに、武力行使をしている米軍等への軍事支援、いわゆる「
後方支援」について、「武力行使と一体化しないから憲法違反ではない」とする政府の主張に対しても、3人全員から、憲法に違反する、違反する恐れが極めて高くなるとの批判が寄せられました。小林節・慶応大学名誉教授は、「僕は一体化そのものだと思うんです。つまり兵站(へいたん)なしに戦闘というのはできませんから」と述べました。
 
 去る6月4日の憲法審査会については、既に公式の会議録が公開されていますので、後方支援と武力行使との一体化に関わる3人の参考人の発言を確認しておきましょう。
 
衆議院 会議録
第189回国会 憲法審査会 第3号(平成27年6月4日(木曜日))

長谷部恭男参考人早稲田大学法学学術院教授)
「それからもう一つ、外国の軍隊の武力行使との一体化に自衛隊の活動がなるのではないのか、私は、そ
の点については、一体化するおそれが極めて強いというふうに考えております。
 従前の戦闘地域、非戦闘地域の枠組みを用いた、いわばバッファーを置いた、余裕を持ったところで明確な線を引く、その範囲内での自衛隊の活動にとどめておくべきものであるというふうに考えております
。」民主党中川正春議員の質問に答えて)
「ただ、先ほども申し上げたことですけれども、他国の軍隊の武力行使との一体化の問題に関しましては
、従来の政府の見解というのは、よくこれは大森四要素と言われる。具体的に言うと、他国の軍隊の武力行使の内容、そして自衛隊の後方支援活動の内容、両方の地域的な関係等を個別具体に総合的に考慮していく、その結果として武力行使の一体化が起こっているかどうかを決めるという話になるんですが、ただこれは、では現場の指揮官がその都度その都度判断できるかというと、それはそうはいかない。いかないものですから、一歩引いたところで、余裕を持って明確な線を引くというのが、戦闘地域と非戦闘地域
分ける、そういう工夫であったはずであります。
 この非戦闘地域、戦闘地域の区別をなくしてしまうということになりますと、本当にその場その場の指揮官の判断に結論が委ねられるということになりますので、その結果として、武力行使の一体化が生ずるおそれが極めて高くなる、そういうふうに私は恐れております。」日本共産党の大平喜信議員の質問に
答えて)
小林節参考人慶應義塾大学名誉教授、弁護士)
「それから、先ほど長谷部先生がおっしゃった、後方支援という日本の特殊概念で、要するに、戦場に後
ろから参戦するだけの話でありまして、前から参戦しないよというだけの話でありまして、そんなふざけたことで言葉の遊びをやらないでほしいと本当に思います。これも恥ずかしいところです。ですから、露
骨に、憲法……(違反ということでしょう:金原注)。」民主党中川正春議員の質問に答えて)
「長谷部先生は、一体化のおそれが極めて高くなるとおっしゃいましたが、僕は一体化そのものだと思う
んです。
 つまり、兵たんなしに戦闘というのはできませんから。要するに、アメリカのコンバット部隊が最前線でドンパチやっていて、あとの機能は全部日本が引き受けることができる法案になっています。ということは、例えは悪いですけれども、長谷部先生が銀行強盗に行くとき、僕が車で送迎して、強盗は彼で、私は何もしていません。共犯は正犯に準ずるわけですから、一緒に強盗したことになるんですよね。そういう意味では、これは露骨な戦争参加法案でありまして、もうその一事だけでも、私はついていけません。
日本共産党の大平喜信議員の質問に答えて)
笹田栄司参考人早稲田大学政治経済学術院教授)
「今の後方支援と兵たんのところでやはり一番大きな疑問を感じているところでございまして、今、小林
先生のクリアな説明で私も十分、そうだろうと思っております。」日本共産党の大平喜信議員の質問に答えて)
 
 こうして、いわゆる「武力行使との一体化」論は、安保法制の違憲性の最大の焦点の一つとなっています。
 私は、先の本会議での代表質問(5月26日)で、政府が「後方支援」と呼んでいる活動は、国際的には兵站=ロジスティクスと呼ばれる活動であること、兵站が武力行使と一体不可分であり、軍事攻撃の格好の目標とされること、これは世界の常識であり、軍事の常識であることを指摘し、「政府のいう『武力
行使と一体でない後方支援』など、世界ではおよそ通用するものではない」とただしました。
 それに対して総理は、「世界で通用しないといったご指摘は当たりません」と答弁されました。政府の
主張は“世界で通用する”と答弁されたのです。
 そこでうかがいます。「他国の武力行使と一体でない後方支援ならば武力の行使とみなされない」という国際法上の概念が存在するのか否か、端的にお答えください。国際法上の概念です。
 
 5月26日に行われた志位委員長による代表質問の動画と会議録をご紹介しておきます。
 
戦争法案 志位委員長の衆院本会議代表質問
 
 
 
 衆議院会議録から、後方支援についての安倍首相の答弁を引用しておきます。
 
(引用開始)
 後方支援と武力の行使との一体化についてのお尋ねがありました。
 いかなる事態であっても、後方支援を受けている間は攻撃に対して極めて脆弱な状態になるため、後方
支援に際しては、危険を回避し、安全を確保することは当然であり、軍事的に合理性のあることです。こ
れは、同時に、後方支援を十分に行うためにも必要なことであります。
 今般の法制に基づき我が国が行う後方支援は、部隊の安全が確保できないような場所で行うことはなく
、戦闘に巻き込まれるようなこともありません。
 もとより、後方支援それ自体は、武力の行使に当たらない活動です。さらに、我が国が行う後方支援は
、他国の武力の行使と一体化することがないように行うものです。
 このようなことから、武力行使と一体不可分とか世界で通用しないといった御指摘は当たりません。
(引用終わり)
 
 どうせ、官僚が書いた答弁を読み上げているだけでしょうが、「脱力」してしまうほど無内容、不誠実、嘘八百であり、特別委員会でも同じことを何度でも繰り返している訳です。
 そこで、6月17日の党首討論では、同じ質問をしても同じ答えしか返ってこないことを見通した上で、「他国の武力行使と一体でない後方支援ならば武力の行使とみなされない」という国際法上の概念が存在するのか否か、という切り口からの質問から入っていったという訳ですね。
 
安倍晋三首相 「一体化」論についてはですね、これは、国際法上の観点から議論していることではなくて、憲法との関係において概念を整理したものであります。それはもう、委員長もご承知のとおりでありまして、憲法の、いわば禁止する武力の行使に当たらないという、いわば後方支援、一体化しない後方支援というものを憲法との関係の概念で申し上げているわけでありまして、国際法との関係ではないわけであります。
 
 志位委員長にとって、この答弁も「想定のうち」だったのでしょう。用意していた1999年2月、衆議院外務委員会での東郷和彦条約局長の答弁を引用してさらに追及します。
 
志位 いま、総理は、国際法上の概念ではないという答弁をおっしゃいました。さらに明確に聞いていきたいと思います。
 この問題で、政府は、明確な答弁をしております。
 たとえば、1999年2月の衆議院外務委員会で、当時の外務省・東郷(和彦)条約局長は、次のよう
な答弁をしております。
 「武力行使との一体化、これは、我が国がみずから直接武力行使をしていないとしても、個々の具体的
状況によっては我が国も武力行使をしたとの法的評価を受ける場合があり得るとする考え方でございますが、自衛のための必要最小限の範囲を超える武力の行使を禁じている日本国憲法との関係で用いられてい
る概念でございます。
 したがいまして、国際法上はこのような武力行使との一体化という確立した概念が存在するわけではご
ざいません…、…武力行使との一体化の英訳についても確定したものがあるわけではないわけでございま
す」
 国際法上は、概念そのものが存在しない、英訳すら確定したものがない(と言っている)。総理は、私
に対して、「世界で通用しないといったご指摘は当たらない」と答弁されたんですね。しかし、「武力行使と一体でない後方支援」という議論こそ、世界で通用しない議論ではありませんか(「そうだ」の声)。いかがですか。世界で通用しないとお認めください。(拍手)
 
 東郷和彦条約局長(当時)の上記答弁が読める会議録をご紹介しておきます。
 
 
 志位委員長が紹介している東郷局長の答弁は、民主党藤田幸久議員からの質問に答えたものですが、非常に興味深いので、前後の部分も含めて、藤田議員による質疑と政府委員の答弁をご紹介したいと思います。
 
藤田幸久議員 
 それで、まずお聞きしたいことは、よく武力行使との一体化、あるいは戦闘地域との一体化というよう
な言葉が使われますけれども、それを英語で何と言っておるのかということをお聞きしたいわけです。というのは、これは英語で何と言っておるかということが私は非常に重要な意味を持っておるという気がし
ておりますので、英語で何と言っておるかということをまず二つお聞きしたいと思います。
東郷和彦政府委員(外務省条約局長)
 お答え申し上げます。
 武力行使との一体化、これは、我が国がみずから直接武力行使をしていないとしても、個々の具体的状
況によっては我が国も武力行使をしたとの法的評価を受ける場合があり得るとする考え方でございますが、自衛のための必要最小限の範囲を超える武力の行使を禁じている日本国憲法との関係で用いられている
概念でございます。
 したがいまして、国際法上はこのような武力行使との一体化という確立した概念が存在するわけではご
ざいませんで、委員御質問の、武力行使との一体化の英訳についても確定したものがあるわけではないわ
けでございます。
竹内行夫政府委員(外務省北米局長) 
 お答えいたします。
 戦闘地域とは一線を画されるという点についての、英語で何と言うかという御質問でございますが、日
米防衛協力に関します指針におきましては、捜索・救難及び後方地域支援の定義の中で使われております。その場合に、「戦闘行動が行われている地域とは一線を画される」という日本語訳に対応いたします英
語は、distinguished from areas where combat operations are being conductedとなっております。
 なお、委員御案内のとおり、周辺事態安全確保法案におきましては、この一線を画されるといったよう
な文言が用いられていることはございません。
藤田幸久議員
 ガイドラインあるいは周辺事態法、これは、いわば日本の周辺におきまして米軍と共同行動をするとい
うことになっておるわけです。それで、今いろいろ国会で論議されておる内容の事柄を、アメリカ側といろいろな時期に、頻繁に協議をしながら説明していかなければ、そもそもアメリカ側は日本は何を考えて、それから実際何ができるのかできないのかということを説明しながらやっておられるはずですが、その際に、この極めて重要な武力行使との一体化ということを英語で説明ができなければ、コミュニケーションも図れないし、信頼された共同行動なるものは不可能ではないかという気がするのですが、いかがでし
ょうか。
東郷和彦政府委員
 御指摘のとおりでございまして、アメリカ側と話をするに際しましては、いろいろな言い方で先ほど申
し上げましたようなことを説明しなくちゃいけない、そういうことかと思います。先ほど申し上げましたのは、いわゆる武力行使との一体化ということについての国際法上の定訳というようなものはないという
ことでございます。
 例えば、一つの説明の仕方としましては、becoming an integral part of the use of forceというよう
な言い方が近いかなというような感じもしますが、しかし、今申し上げたその英語だけで完全に意味が伝えられるかというと、これはまたなかなか難しゅうございまして、先ほど私が申し上げたようなことを英語に直して説明しながらアメリカ側の理解も得ていく、こういうようなことではないかと思います。
 
 周辺事態法(案)を審議していた時の議論状況がこれです。それが、いまや「我が国周辺の地域における」という限定を取り払い(世界中どこへでも)、「後方地域(非戦闘地域)」という縛りもなくし(現に戦闘行為が行われていなければよい)、自衛隊に危険な兵站を行わせようという法案が審議されているにもかかわらず、政府の側の答弁のレベルは著しく劣化しています。政府委員制度を廃止したことによる「弊害」の一種ではないかと思わないでもありません。
 
首相 先ほどですね、私はまさに、国際法上の概念ではなくて、憲法との関係で一体化しないという話について申し上げたわけでありますから、東郷局長もその考え方と同じ答弁をされているわけでございます
 そこで、志位委員長とですね、私は、この世界の常識等々について議論したということは、必ず兵站は狙われるという議論のなかにおいて、必ず、いわば戦闘に巻き込まれるという議論の中において、質問があったわけでございますから、私はそうではなくてですね、兵站というのは極めて重要であり、いわば兵站においていろんな物資を届けるわけでありますから、そこがもちろん脆弱(ぜいじゃく)性があるわけでありまして、だからこそ安全な場所を選んで、そしてその届ける物資が奪われてしまってはですね、まさにこれは大変なことになるわけでありますから、だからこそ、われわれはそうはならない場所を選んで後方支援をしていくということについてお話をさせていただいたわけでございます。
 
 質問に対して正面から答えられない時に、訊かれてもいないことをべらべらしゃべるのは安倍首相のいつもの手ですが、それにしても、「届ける物資が奪われては大変なので、兵站は安全なところでやる」というのは、誰の入れ智恵で言い出したのでしょうか?そのあまりのばかばかしさから考えて、案外、安倍首相が自分で思いついたことなのかもしれませんが。
 
志位 兵站は安全な場所を選んで行うとおっしゃいましたけれども、兵站は軍事攻撃の格好の標的になる。軍事の常識です。そして、自衛隊が兵站をやっている場所が戦場になるんですよ。
 私が聞いた質問にお答えになっていない。「一体化」論というのは、世界で通用しない議論だとお認めください。いかがですか。
 
 「自衛隊が兵站をやっている場所が戦場になる」というのは見事な「決めぜりふ」だと思いましたが、これを見出しに使った新聞って、ありましたっけ?
 そうだ、今日のメルマガ(ブログ)のサブタイトルにこれを付けよう。
 
首相 つまりこの、この、「一体化」論というのはですね、これはもう従来から答弁をしているように、憲法との関係において「一体化」論をわれわれはとっているということは申し上げているとおりでありまして、これは国際法上、それが「一体化」論というのが通るということを私が申し上げたことは一回もないわけでございます。
 その中においてですね、その中において、このいわば後方支援をどのように実施をするかということに
ついて、これは必ず戦闘に巻き込まれるわけではない、必ず戦争に巻き込まれるというご議論がございましたから、そうではなくて、われわれは、むしろ、こうした物資を届ける場所、大切な業務ではありますが、大切な物資を届けるからこそですね、安全な場所で相手方に渡す、これがいまや私は常識ではないかと、このように申し上げたわけでございます。
 
 開き直るのであれば、前半だけで止めておけば良いものを、子どもだましの兵站論(これに同意してくれるのは安倍首相の「お友だち」と「取り巻き」と「ネトウヨ」だけでしょう)をつい言わざるを得ないところに、首相の性格の弱さが露呈していると思いました。
 
志位 国際法上は(「武力行使と一体でない後方支援」という)概念そのものがないということについて、総理は否定できませんでした。これは、世界で通用しない議論なんです。
 総理の諮問機関である安保法制懇に参加したただ一人の憲法学者である西修氏は、「武力行使との一体
化」論について、「不明確性、非現実性、非論理性、非国際性、無責任性という5点において、基本的な問題がある」と批判し、先の外務省の答弁を引用して「政府自身が国際的には説明できないと告白している」と指摘しております。
 自衛隊の活動地域を世界的規模に拡大し、地球の裏側までの派兵を可能にしながら、「武力行使と一体化しない」などという世界のどこにも通用しない議論を盾に、自衛隊が行う「後方支援」はあくまで武力の行使に当たらない、憲法違反ではないなどという詭弁(きべん)を言い募ることは断じて許されるものではありません。
 憲法9条に違反する戦争法案を即時廃案にすることを強く求めて終わります。(大きな拍手)
 
 志位委員長の最後の「隠し球」が西修氏(駒澤大学名誉教授)による武力行使一体化論批判でした。
 その出典が探しきれないのですが、もしかしたら「これかな?」と思うのは、第1次安保法制懇の第5回会議の議事概要です。
 
 
 この会議が行われた13日後(2007年9月12日)、安倍首相が突然辞任表明をするとは、安保法制懇の出席者も夢にも思っていなかったかもしれません。
 ところで、私が西修氏の発言かもしれないと考えるのは以下の部分です(議事概要では発言者の氏名は表示されません)。
 
(引用開始)
憲法が禁じているのは「国際紛争を解決する手段」としての「武力の行使」であるが、いつのまにか「憲法の禁ずる武力の行使」が一人歩きし、そこから「武力の行使との一体化」という理論構成がなされているのではないか。また、政府の解釈には、不明確性、非現実性、非論理性、非国際性、無責任性という基本的な問題がある。①不明確性とは、政府の説明にある「一体化」の判断基準が、密接性とか地理的関係等抽象的過ぎること、②非現実性とは、「戦闘地域」と「非戦闘地域」とに分け、我が国の活動は「非戦闘地域」に限るとしているが、事態が刻々と変わる中で「非戦闘地域」を絶えず分けることが現実的に可能かどうか疑問であること、③非論理性とは、「一体化」の論理を突き詰めれば日米安保条約違憲ということに行き着くこと、④非国際性とは、「一体化」は国際的に確立した概念でないことや確立した英訳がなく、国際的には説明できないこと、⑤無責任性とは、周辺事態とは、放置しておけば我が国の平和と安全に直接関わる事態であるにもかかわらず、我が国は活動の内容、地域を限定していることはまるで人ごとのような態度が窺われること、である。つまり、「武力の行使との一体化」の概念自体が非常におかしく、我が国の安全という側面から「武力の行使との一体化」のコンセプトそのものを見直す必要があ
る。
(引用終わり)
 
 なるほど、この論理に従って、「戦闘地域」と「非戦闘地域」との区分をとっぱらった訳ですね。にもかかわらず、「後方支援は武力行使と一体化しないから合憲」という建前を維持しようとするものだから、誰も納得できない(西修氏も到底納得できないでしょう)子どもだましの説明を繰り返さざるを得ないという訳です。
 
 「志位和夫日本共産党委員長による党首討論を読み解く」はとりあえずこれで終わりです。
 実は、他の党首との討論においても、興味深いやりとりがあったかもしれないとは思うのですが、とても全部チェックする時間はなく、充実した質疑を行っているに違いないという信頼が持てる志位委員長を
まずは取り上げたという次第です。
 今後とも、国民の代表として、戦争法案のまやかしを白日の下に明らかにする質疑を期待したいと思います。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2015年5月28日
国会論戦はこうありたい~志位和夫日本共産党委員長による安倍首相追及を多くの人に視聴して欲しい
2015年6月1日
志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解く(1)~自衛隊は「戦闘地域」に派遣される
2015年6月2日
志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解く(2)~必ず戦死者が出る
2015年6月3日
志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解く(3)~兵站は軍事行動の不可欠の一部
2015年6月4日
志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解く(4)~治安維持でも「殺し、殺される」
2015年6月5日
志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解く(5)~日本は“米国の戦争”に反対したことはただの一度もない
2015年6月6日
志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解く(6/完)~ベトナム戦争とイラク戦争を教訓としない
2015年6月30日
志位和夫日本共産党委員長による党首討論を読み解く(2015年5月20日)
 
(あしたの朝 目がさめたら 弁護士・金原徹雄のブログ2 から) 
2015年6月6日
志位和夫日本共産党委員長による安保法制特別委員会質疑(まとめ)