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大隈記念大講堂で開かれた「立憲主義・民主主義と平和を考える早稲田大学の集い」(12/17)を視聴する

 今晩(2015年12月19日)配信した「メルマガ金原No.2309」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
大隈記念大講堂で開かれた「立憲主義・民主主義と平和を考える早稲田大学の集い」(12/17)を視聴する

 早稲田大学「総合研究機構」という組織があり、その下に多くの(活動期間を定めた)「プロジェクト研究所」が置かれているようです。
 そして、その1つとして「メディア・シティズンシップ研究所(所長:伊藤守教育・総合科学学術院教授)」があります。
 同研究所がどのような研究をしているかは、ホームページをお読みいただきたいのですが、その紹介記事によると、2014年12月には、映画『A2-B-C』上映とスカイプによるイアン・トーマス・アッシュ監督のワークショップ参加が行われたそうです。
 
 さて、「早稲田大学メディア・シティズンシップ研究所」という、私自身、今日まで一度も聞いたことのなかった研究所のホームページを調べてみる気になったのは、一昨日(12月17日)の夜、大隈記念大講堂において開かれた「立憲主義・民主主義と平和を考える早稲田大学の集い」という集会を、「安全保障関連法の廃止を求める早稲田大学有志の会」と共催したのが「早稲田大学メディア・シティズンシップ研究所」だったからであり、「本当に早稲田大学の公式の研究所なのだろうか?」と疑り深く裏を取ってみたという次第です。
 その結果、しっかり裏が取れましたので、開会挨拶で中垣啓(なかがき・あきら)氏(教育・総合科学学術院教授/安全保障関連法の廃止を求める早稲田大学有志の会世話人)が「このような市民集会が、早稲田大学のシンボルとも言うべき大隈記念大講堂において開催の運びとなりましたのは、早稲田大学の見識を社会に示し、早稲田大学の声望を高めるものと評価しております。(拍手)」(以下の動画の11分~)と言われたことにも、「なるほどそうだ」とうなずいた次第です。
 もちろん、ここで(拍手)が起こったのは、直接的には「安全保障関連法に反対する学者の会」が主催し、「SEALDs」が共催するシンポジウム「岐路に立つ日本の立憲主義・民主主義・平和主義-大学人の使命と責任を問い直す-」の会場として立教大学タッカーホールの使用依頼が「安全保障関連法に反対する立教人の会」を通してなされたのに対し、立教大学がこれを許可しなかったことを念頭に置いたものでしょう。
 しかし、問題は立教大学だけのことではなく、放送大学「日本美術史('14)」問題文無断削除事件に象徴される、大学当局による先回りした自己規制というか、憲法規範を内面化した価値序列の崩壊というか、そのような憂慮すべき事態が多くの大学において進行しているということでしょう。
 
 ここは、早稲田大学に敬意を表しつつ、一昨日の集会の模様を、いつもお世話になっている三輪祐児さんのUPLANの動画で視聴していただきましょう。
 それぞれのスピーカーの発言は、皆さん各自で耳を傾けていただけば良いので、私がいちいちコメントを述べる必要もないでしょう。ただ、補足として、(付記)を2つ付け加えておきます。
 なお、視聴の便宜のため、チラシから抜き出した文字情報に、目安の時間を付記しておきます。
 
早稲田から安保法制を撃つ!
DEMOCRACY STRIKES BACK
立憲主義・民主主義と平和を考える早稲田大学の集い(2時間19分)


10分~ 開会挨拶 中垣啓(早稲田大学
<第1部>学術編 立憲主義・民主主義の危機を語る ~研究者・専門家から学ぶ~
15分~ 長谷部恭男早稲田大学
26分~ 孫崎亨(元外務省国際情報局長)
36分~ 竹信三恵子和光大学
47分~ 青井未帆(学習院大学
<第2部> 文化・芸術編 ~危機を嬉々として楽しむ・危機に毅然として歌う~
58分~ 神田香織(講談師)講談「はだしのゲンは安保法を許さない」
1時間13分~ 自由と平和のための東京芸術大学有志の会連帯企画
楽曲世界初演「リベラメ」
徳山美奈子(作曲・ピアノ)、星美智子、藤井あや(ソプラノ)、春日保人(バリトン
<第3部> 現場編 立憲主義・民主主義の危機に抗して ~国会内外の活動から学ぶ~
1時間26分~ 山口二郎(法政大学)
1時間35分~ 福山哲郎民主党
1時間46分~ 田村智子(共産党
1時間54分~ 高田健(総がかり行動) 
2時間04分~ 閉会挨拶 小原隆治(早稲田大学
 
(付記1)
 長谷部恭男教授によるスピーチがわずか10分余りでは物足りない(他の方も同じですが)という方のために、この前日(12月16日)、東京の港区で開かれた「2000万人署名で戦争法廃止! ストップ戦争 12.16みなと総がかり集会」での基調講演の講師として招かれた長谷部教授のお話が(こちらは約1時間)、やはりUPLANにアップされていますので、こちらの視聴をお勧めしておきます。全体で1時間55分の動画ですが、長谷部教授の講演は25分~1時間25分です。ちなみに、2分~25分は制服向上委員会の出番です。

 
(付記2)
 第2部で、自由と平和のための東京芸術大学有志の会連帯企画として初演された楽曲はメディアの注目を集めました。以下には、朝日新聞の報道を引用しておきます。
朝日新聞デジタル 2015年12月14日14時48分
学徒出陣の行進曲、鎮魂のリメイク 17日、早大で初演

(抜粋引用開始)
 戦局の悪化に伴って政府が学生たちの徴兵猶予を取り消し、戦場へと送り出した「学徒出陣」。明治神宮外苑競技場で1943(昭和18)年10月に開かれた壮行会に流された行進曲がある。それから72年。鎮魂の思いを込めた合唱曲としてリメイクされ、17日に早稲田大学で開かれる立憲主義の危機を考える集いで初演される。
 「分列行進曲」。もともとは、陸軍軍楽隊を指導するため来日したフランス人音楽家、シャルル・ルルーによって1885(明治18)年に作られたピアノ曲で、後に行進曲として編曲されて学徒出陣の壮行会で使われた。
 リメイク版を作曲したのは東京芸大出身の作曲家、徳山美奈子さん。17日の「立憲主義・民主主義と平和を考える早稲田大学の集い」で、「自由と平和のための東京芸術大学有志の会」のメンバー3人が合唱し、徳山さんがピアノ演奏をする。壮行会の映像も流す予定だ。
(略)
 新曲作りを思い立ったのは、この夏、学徒動員で特攻隊員となり待機中に敗戦を迎えた男性の話を直接聞いたこと。壮行会の映像と背景に流れる行進曲が強く印象に残っていたといい、10月に入り、5分15秒の鎮魂曲を2~3日で一気に書き上げた。
 兵役についた学徒の総数は数万人とも13万人とも言われるが、戦死者も含め正確な数は不明のまま。徳山さんは曲のタイトルをラテン語で「リベラ メ(我を救いたまえ)」とした。
(略)
(引用終わり)
 

(忘れないために)
 「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。
 
(引用開始)
  あしたのための声明書
 
わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。
 
わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。
 
わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。
 
わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。
 
きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。
 
わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。
 
     自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり)