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12/12「共謀罪」学習会(講師:芝野友樹弁護士)@和歌山県JAビル2Fなごみホールのご案内

 今晩(2016年12月6日)配信した「メルマガ金原No.2652」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
12/12「共謀罪」学習会(講師:芝野友樹弁護士)@和歌山県JAビル2Fなごみホールのご案内

 日本機関紙協会和歌山県本部事務局長の中北幸次さんから、今日(12月6日)の夕方、私も登録しているMLに以下のような案内が投稿されていました。
 
「すでにご存じの方も多いかと思いますが、12月12日に共謀罪の学習会を開催いたします。講師が未定のままチラシを発行いたしましたが、芝野友樹弁護士が講師を務めてくれることになりました。
講師名を入れたチラシをPDFでお送りしますので、ぜひまわりもお誘いいただき、ご参加いただけますようお願いいたします。」
 
 当初、今臨時国会に上程されるのではとされていた「共謀罪」法案は、TPPを優先するという政治的思惑からか、提出が見送られましたが、政府があきらめた訳でも何でもなく、来年1月召集の常会にも上程かと言われています。
 このような状況下、日本弁護士連合会は、本年8月31日に「いわゆる共謀罪法案の国会への提出に反対する会長声明」を発出し、11月29日には、「いわゆる共謀罪に関する法案の上程に反対する院内学習会」を開催しています。
 
 中北さんからご案内いただいた学習会は、最近まで講師が決まっていなかったそうですが、上記日弁連の院内集会チラシも、
◆プログラム(予定)◆
(1)基調報告 (日本弁護士連合会 共謀罪法案対策本部委員)
(2)御出席議員の御挨拶
とあるだけで、具体的に誰がどんな話をするのか書かれていないという不思議なチラシでしたから、どちらも問題の重要性に鑑み、とにかく「やる」ことだけは決めたというものだったようです。
 
 ただし、「すでにご存じの方も多いかと思いますが」とか、「講師が未定のままチラシを発行いたしました」とか書かれているものの、私は、今日になるまでそういう学習会が開かれるなどということはどこからも聞いていませんでした。
 チラシに書かれた「呼びかけ団体」は、個々には親しくお付き合いさせていただいている方が役員をされている団体も少なくないのですが、講師の決まっていない学習会への参加を部外者に呼びかけようという人はいなかったとみえます。
 もっとも、声をかけてもらっても、同時刻に「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2017」第1回実行委員会があるので、そちらの方を優先しなければならないのですが。それにしても、12日の学習会と実行委員会、非常に「客層」がかぶっていますよ。どうするんだろう・・・。
 まあ何はともあれ、「共謀罪」学習会のチラシの内容をご紹介します。

チラシから引用開始)
二人で話せば「共謀罪
「テロ対策」を口実に市民の心の中まで日常的に警察が監視!!
共謀罪」学習会
 
 過去に3度も国民の反対で廃案になった「共謀罪」。安倍政権はまたまたその導入を狙っています。「共謀罪」法は、警察が日常的に市民生活を監視することを合法化し、密告社会を招きます。人権侵害のとんでもない悪法です。緊急に国会に提出させない取り組みを広げましょう。そのためにまず、悪法の中身を知る学習会を成功させてください。
 
とき/2016年1212日(月)午後6時30分~
会場/和歌山県JAビル 2Fなごみホール(JR和歌山駅前)
講師/芝野友樹弁護士
入場料/無料
 
呼びかけ団体(順不同)
和歌山県地方労働組合評議会 自由法曹団和歌山県支部 治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟和歌山県本部 日本国民救援会和歌山県本部 新日本婦人の会和歌山県本部 和歌山県商工団体連合会 日本機関紙協会和歌山県本部
お問い合わせ日本国民救援会 和歌山市吉田102 国労会館内 TEL:073-425-9411
(引用終わり)
 
 最後に、共謀罪って何?ということを分かりやすく解説した日本弁護士連合会のパンフレット「合意したら犯罪?合意だけで処罰?―日弁連は共謀罪に反対します!!―」(五訂版/2015年9月)をご紹介するとともに、本年8月31日付会長声明の全文を引用します。
 
いわゆる共謀罪法案の国会への提出に反対する会長声明
(引用開始)
 今般、政府は、2003年から2005年にかけて3回に渡り国会に提出し、当連合会や野党の強い反対で廃案となった共謀罪創設規定を含む法案について、「共謀罪」を「テロ等組織犯罪準備罪」と名称を改めて取りまとめ、今臨時国会に提出することを検討している旨報じられている。
 政府が新たに提出する予定とされる法案(以下「提出予定新法案」という。)は、国連越境組織犯罪防止条約(以下「条約」という。)締結のための国内法整備として立案されたものであるが、その中では、「組織犯罪集団に係る実行準備行為を伴う犯罪遂行の計画罪」を新設し、その略称を「テロ等組織犯罪準備罪」とした。また、2003年の政府原案において、適用対象を単に「団体」としていたものを「組織的犯罪集団」とし、また、その定義について、「目的が4年以上の懲役・禁錮の罪を実行することにある団体」とした。さらに、犯罪の「遂行を2人以上で計画した者」を処罰することとし、その処罰に当たっては、計画をした誰かが、「犯罪の実行のための資金又は物品の取得その他の準備行為が行われたとき」という要件を付した。
 しかし、「計画」とはやはり「犯罪の合意」にほかならず、共謀を処罰するという法案の法的性質は何ら変わっていない。また、「組織的犯罪集団」を明確に定義することは困難であり、「準備行為」についても、例えばATМからの預金引き出しなど、予備罪・準備罪における予備・準備行為より前の段階の危険性の乏しい行為を幅広く含み得るものであり、その適用範囲が十分に限定されたと見ることはできない。さらに、共謀罪の対象犯罪については、2007年にまとめられた自由民主党の小委員会案では、対象犯罪を約140から約200にまで絞り込んでいたが、提出予定新法案では、政府原案と同様に600以上の犯罪を対象に「テロ等組織犯罪準備罪」を作ることとしている。
 他方で、民主党が2006年に提案し、一度は与党も了解した修正案では、犯罪の予備行為を要件としただけではなく、対象犯罪の越境性(国境を越えて実行される性格)を要件としていたところ、提出予定新法案は、越境性を要件としていない。条約上、越境性を要件とすることができるかどうかは当連合会と政府の間に意見の相違があるが、条約はそもそも越境組織犯罪を抑止することを目的としたものであり、共謀罪の対象犯罪を限定するためにも、越境性の要件を除外したものは認められるべきではない。
 当連合会は、いわゆる第三次与党修正案について、我が国の刑事法体系の基本原則に矛盾し、基本的人権の保障と深刻な対立を引き起こすおそれが高く、共謀罪導入の根拠とされている、条約の締結のために、この導入は不可欠とは言えず、新たな立法を要するものではないことを明らかにした(2006年9月14日付け「共謀罪新設に関する意見書」)。また、条約は、経済的な組織犯罪を対象とするものであり、テロ対策とは本来無関係である。
 そして、以上に見たとおり、提出予定新法案は、組織的犯罪集団の性格を定義し、準備行為を処罰の要件としたことによっても、処罰範囲は十分に限定されたものになっておらず、その他の問題点も是正されていない。
 よって、当連合会は、提出予定新法案の国会への提出に反対する。
   2016年(平成28年)8月31日
   日本弁護士連合会
     会長 中本 和洋
(引用終わり)