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「原発がこわい女たちの会ニュース」第104号が届きました

  2018年6月15日配信(予定)のメルマガ金原.No.3179を転載します。
 
原発がこわい女たちの会ニュース」第104号が届きました
 
 松浦雅代さんから、「原発がこわい女たちの会ニュース」の第104号が届きました。
 今号のトップ記事は、今年(2018年)の2月23日、脱原発わかやまや原発がこわい女たちの会など和歌山県下8団体が、また4月16日には避難計画を案ずる関西連絡会が、それぞれ白浜町長に対し、「温泉観光とパンダの町・白浜町を核のゴミの捨て場にしないよう使用済核燃料の「中間貯蔵施設」は受け入れないとの意思をあらかじめはっきりと表明してください」という、長いけれど、趣旨が誤りなく伝わるタイトルの要望書を提出したことが紹介されています。
 次いで2ページ目には、松浦雅代さんが、「核燃料サイクルはすでに破綻している!中間貯蔵施設は最終処分場になるのが見えている。」と題した論考を書かれており、ここまでが今号の前半部分です。
 その後は、OurPlanet-TVから、「福島・甲状腺がん196人~「学校検診見直し」検討へ」と「原発事故に伴う健康管理の法律」~国会議員ら議論」という2本の記事からの引用があり、さらに、尾松亮著『チェルノブイリという経験 フクシマに何を問うのか』(岩波書店)の紹介が続き、以上が今号の後半となります。
 そして最後の編集後〈記〉において松浦雅代さんは、チェルノブイリ原発事故から5年目の1991年、寄附金で買い求めた医薬品や注射器をミンスクベラルーシ)などの病院に届けた際の小児科医らから受けた印象を想起しつつ、「福島原発事故の被害者に本当の情報を出さずに、風評被害にあってしまうぞと脅しのような操作で本当の被害を消し去ろうとしているように思います。」と述べ、OurPlanetの記事からの引用も「この問題を何とかしないととの思い」からであるとして理解を求めておられます。
 なお、以下に、松浦雅代さんからお送りいただいたニュースのデータを基にご紹介するのですが、OurPlanet-TVの記事からの引用部分については、リンク先を明示した上で、その一部を引用するにとどめていますので、何卒全文をリンク先でお読みいただければと思います。
 

原発がこわい女たちの会ニュース NO104号・2018年6月11日発行
事務局 〒640-0112和歌山市西庄1024-15  TEL・FAX073/451/5960松浦雅代方
原発がこわい女たちの会ブログ http://g-kowai-wakayama.seesaa.net/
 
和歌山の
白浜町に中間貯蔵施設はいらない!
 
☆2018年2月23、白浜町長に和歌山の8団体が要望書を提出(下の写真)

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「温泉観光とパンダの町・白浜町を核のゴミの捨て場にしないよう使用済核燃料の「中間貯蔵施設」は受け入れないとの意思をあらかじめはっきりと表明してください」との要望書を井澗(いたに)町長に提出。県内団体7名参加(要望書同封)。
☆4月16日、「避難計画を案ずる関西連絡会」は京都、兵庫、大阪から9名が白浜町を訪れ、井澗町長に使用済み燃料の中間貯蔵施設は受けいれないとの意思表明を求める要望書(全国200の団体が賛同)を手渡し、一時間以上議論しました(和歌山の5人も立ち合いました)。
☆4月28日には中間貯蔵施設リーフレット7000部を白浜町に新聞折込しました。
白浜町日置川原発候補地+新たに「中間貯蔵施設」候補地と考えられる関西電力が買い取った土地があります(リーフレット同封します)。
※金原注1
 2月23日と4月16日の各要望書については、それぞれ私のブログでご紹介しています。
2018年2月25日
白浜町長に県内8団体が要望書を提出~使用済核燃料の中間貯蔵施設は受け入れないとの意思の表明を求める(2018年2月23日)
2018年4月17日
白浜町長への要望書「(略)白浜町を核のゴミの捨て場にしないよう使用済核燃料の「中間貯蔵施設」は受け入れないとの意思をあらかじめはっきりと表明してください」を読む
※金原注2 
 4月28日に白浜町で7000部を新聞折込したというリーフレットは、「永久の核のゴミ捨て場、原発延命のための使用済核燃料の「中間貯蔵施設」に反対しよう 和歌山県白浜町への立地を止めよう」と題したA4版4頁(A3二つ折り)で、避難計画を案ずる関西連絡会が作成し、頒価1部20円で頒布中です。
 美浜の会ホームページに掲載されている「カラーリーフを活用してください」という案内チラシはこちらです。
 なお、巻末に、1頁目だけ(チラシにも載っているので)画像をご紹介しておきます。
 

核燃料サイクルはすでに破綻している!
中間貯蔵施設は最終処分場になるのが見えている。
 
 1985年4月9日に当時の北村青森県知事が核燃料サイクル施設の受け入れを表明してから今年で33年目になります。
 昨年、再処理工場建屋内に雨水が流入するトラブルが度々発生。14年間一度も点検していなかったことが発覚。規制委が対策を指示しましたが、日本原燃は確認を行わずに対策済みにするなど虚為報告も明らかになりました。
 再処理工場の当初の完成予定は1997年。それから21年になりますが、まだ完成していません。今年に入り、再処理工場は2021年完工予定と24回目の延期。
 24回もガラス固化の不具合等で延期している工場を日本原電は3年後には本格稼働すると説明しています。
 あくまでも再処理をして高レベル放射性廃棄物の減量化、有害度低減という観点でも有効とも説明しています。
 何度も聞かされたエネルギー資源の少ない我が国にとって「夢の原子炉」と呼ばれた高速増殖炉もんじゅ」は、事故・事故で2016年廃炉が決まりました(一兆円の無駄遣い)。原子力政策の究極目的だった高速増殖炉廃炉になったのに核燃料サイクルは中止しない不思議物語。
 すでに10兆円以上の金食い虫・六ケ所「再処理工場」はこれからも維持するとしています。
 六ケ所「再処理工場」は何年延期してもお金は国民の電気料金に再処理工場分を上乗せして集めているから政府も電力会社も腹は痛まないのです。
 あくまでも再処理してガラス固化して、プルトニウムプルサーマルで使用する(国際社会からの批判を避けるために)。
 何のための原子力政策だったのか?最初の目的からずれている現状があたかも当たり前のように進められている。再処理のガラス固化体は行き詰っているのに、原子力発電環境整備機構「NUMO」は高レベル放射性廃棄物処分場は「科学的特性マップ」で有望地を表示して全国で「知ってほしい 今、地層処分」として対話型全国交流会が開かれています。ちやんと再処理できます。ガラス固化体も出来ます。が前提の話です。
 その横で再稼働するために、使用済み核燃料の行き場所がないので、電力事業者を集めて中間貯蔵施設を電力業者間で協力して使用済み燃料の貯蔵施設の確保を経産省が指示しています。
 日本の保有プルトニウムは47トン、国際社会の問題にもなっています。
 再処理工場そのものが高濃度に汚染されているので、工場そのものが最終的には核廃棄物になります。
 だれも責任をとらずに次の世代がそのしりぬぐいをする羽目になるのではないかと危惧するだけでは済まない危険が存在します。
 まず私たちは、足元の和歌山に中間貯蔵施設という名の核のゴミ最終処分場をつくらせないことだと思います。
                                        松浦雅
※金原注
 核燃料サイクルの破綻ということでいえば、6月2日にNHK・Eテレで放送されたETV特集「“核のごみ”に揺れる村~苦悩と選択 半世紀の記録~」は非常に興味深い内容の番組でした。関連資料の紹介もかねて私のブログで案内しました。
2018年5月27日
放送予告・ETV特集「“核のごみ”に揺れる村~苦悩と選択 半世紀の記録~」(2018年6月2日)
 

OurPlanet-TV  投稿日時: 木, 03/01/2018 - 08:50
福島・甲状腺がん196人~「学校検診見直し」検討へ
(抜粋引用開始)
 東京電力福島第一原発事故後、福島県が実施している「県民健康調査」のあり方を議論している第30回検討委員会が(3月)5日、福島市内で開催された。最も注目を集める甲状腺検査については、悪性あるいは悪性疑いがあると診断された患者は3人増え、これまでに196人となった。また手術を受け、甲状腺がんと確定した患者は1人増え160人となった。
学校検診の見直し検討
 会議終盤、大阪大学の高野委員が発言。今年5月から4巡目の検査がスタートすることについて、「国際的な医学倫理の基準であるヘルシンキ宣言に沿っていない」「すでに検査によって健康被害が起きている可能性がある」と指摘。医大や県の考えを質した。
(略)
 高野氏はさらに、「4巡目の検査を倫理的整合性をとらないまま始めるのか」とさらに追及。「議論していては5月まで間に合わない」と強調した。これら高野氏の発言を後押しする形となったのが、広島大学の稲葉俊哉委員の意見だ。学校検診の強制性に懸念を表明。県民の負担になっている可能性があるとして、甲状腺評価部会で検討するよう求めた。
(略)
「過剰診療」は傷害罪成立
 何をもって「過剰診断」とするのか。会議終了後の記者会見では、高野氏の発言を受けた質問が相次いだ。高野氏は「デメリットは「過剰診断」」と回答しながらも、「やっかいなのは、「過剰診断」は何十年後にならないと分からない」などとして、臨床における手術実態や病状からは判断できないとの見解を示した。
 これに対し、福島大学の富田哲教授は、「究極的なデメリットは「過剰診療」。もし本当に、取るべきではない器官をとっていたら、刑事責任では傷害罪が成立する。民事的には賠償責任の対象となる。」とした上で、今の議論はそこまでの議論になっておらず、「検査縮小の根拠にだけ使われている」と議論の矛盾を指摘した。
(略)
(引用終わり)
※金原注
 第30回検討委員会のダイジェスト映像は以下のとおり。
福島・甲状腺がん196人~「学校検診」見直しか(15分29秒)
                                        

OurPlanet-TV  投稿日時:金, 04/27/2018 - 07:17
原発事故に伴う健康管理の法律」~国会議員ら議論
(抜粋引用開始)
 チェルノブイリ原発事故から32年目を迎えた(4月)26日、永田町の衆議院議員会館で、超党派国会議員らでつくる「原発ゼロの会」が、福島県が実施している「県民健康調査」を検証する会議を開いた。会議では甲状腺がんの患者数が把握できていない問題などに指摘が相次ぎ、原発事故に伴う健康管理を法制化すべきだとの声が上がった。
 「原発ゼロの会」は2012年3月に発足した超党派議員連盟で、エネルギー政策などに関して定期的に会議を開催してきた。この日のテーマは、「原発事故後の健康管理〜チェルノブイリから考える福島第一原発」。超党派国会議員のほか、福島県から県議会議員や患者支援者らも駆けつけた。
 まず獨協医科大学木村真三准教授が基調講演を行い、ベラルーシウクライナの政府の対応について説明。ベラルーシで最も汚染が低い西部のブレスト州で、現在になって甲状腺がんが多発しているとして、今も研究調査が続けらていると報告した。またベラルーシでは移動検査体制が充実しており、学校巡回検査などにより、98%に上る検診率を誇ることなどを解説した。
 続けて福島県の「甲状腺検査」について、岩波書店の田中太郎「科学」編集長が「過剰診断」論が広がっているが、実際には、甲状腺がん患者の数や症例が把握できない状況にあることを説明。その一方で、福島県医大が小児甲状腺がんの「症例データベース」や「組織バンク」を構築しており、検査費用が直接、検査に関与していない医師らの給与に充てられているなど、検査の歪みを指摘した。
(後略)
(引用終わり)
※金原注
 上記会議の映像(音声提供:UPLAN)は以下のとおりです。
原発事故に伴う健康管理の法律」~国会議員ら議論(2時間03分)
 

必読
尾松亮(おまつりょう)氏の著書
『チエルノブイリという経験 フクシマに何を問うのか』
  岩波書店発行 定価1800円+税

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 いっきに読みました。日本の現状は福島原発事故後、多発している甲状腺がん。チエルノブイリのデーターを都合よく歪め、原発事故と健康被害の因果関係を否定する根拠として用いることで、強引に幕引きを図ろうとしています。(松浦雅代)
 
 尾松氏は「子ども・被災者生活支援法」(2012年6月成立)の策定に向けたワーキングチームに有識者として参加。立法提言に取り組まれた人です。ロシア研究者でもあります。
 
◆チエルノブイリ法とは、1991年に当時のソビエト連邦で成立したチエルノブイリ原発事故被災者保護法です。
◆1991年2月にウクライナ共和国法が定められ、同年ベラルーシ共和国、ロシア共和国でもほぼ同じ内容のチエルノブイリ法が成立しました。ソビエト連邦自体は1991年末に解体されましたが、これら3カ国ではソ連解体以降もチエルノブイリ法の運用を続けて来ました。
◆日本では福島第一原発事故後、5年を待たず避難指示解除が進められました。20ミリシーベルト/年を下回る場合には、住民帰還の準備を整え避難指示を解除していく方針です。
2017年3月~4月には一部の帰還困難と認められる地域をのぞき広い地域で避難指示が解除されました。
◆避難指示が解除されると、一定期間経過後、避難者として受けていた支援、賠償が打ち切られます。避難指示が解除された地域からの避難者は、自己責任で、避難先での生活を続けるか,避難元に帰るか、二者択一を強いられています。そして、賠償打ち切りまでの期限を切られています。
◆日本の現在の法制度では、誰が「原発事故被災者」として国に補償を求める権利を持つのか、明確に定めた法律がありません。国が決めた「被災者範囲」が縮小され、取り消されれば、そこに住んでいた人々、そこからの避難者も「原発事故被災者」としての位置づけを失います。
チエルノブイリ法のような「帰還を強制されない権利」「地域の汚染状況について情報開示を求める権利」も、法律に明示されていません。
これらの権利が法律で保障されているか否かは、被災者にとって大きな違いです。
◆自らの権利を確信し、司法に訴えるロシアの住民や、議会での審議を通じて権利を復元させたウクライナの住民の行動からも、そのことが分かります。
見えてくるのは、日本の「被災地縮小」政策のテンポの異様な早さ。そして住民や避難者が、権利を求めて抗う際の拠りどころとなる法的基盤の異様な脆弱さです(p28~29から抜粋)。
※金原注
 岩波書店ホームページから、目次と著者略歴を引用しておきます。
(引用開始)
目次
はじめに――いま「チェルノブイリからの言葉」に耳を傾けるとき
第1章 チェルノブイリ法の意義とフクシマ――法の不在という問題
第2章 消される「被災地」,抗う被災者
第3章 事故収束作業員たちは,いま
第4章 原発事故を知らない子どもたち――教育現場で何を継承するか
第5章 「放射線」を語れない日本の教室――カーチャが見た学校風景
第6章 原発事故から三〇年,健康被害をどう見るか
【コラム】『ベラルーシ政府報告書』から読み解くチェルノブイリ甲状腺がん発症パターン
第7章 記憶の永久化へ向けて――「チェルノブイリ」を終わったことにさせない
第8章 原発事故を語る「ことば」はどこに
終 章 「カタストロフィの終了」に抗して
補 論 「チェルノブイリ」の知見は生かされているか――『ロシア政府報告書』(二〇一一年版)から読み解く甲状腺がんの実態
おわりに――その後の世界で,きみと
著者略歴
尾松 亮(おまつ りょう)
1978年生まれ.東京大学大学院人文社会研究科修士課程修了.2004~07年,文部科学省長期留学生派遣制度により,モスクワ大学文学部大学院に留学.その後,日本企業のロシア進出に関わるコンサルティング,ロシア・CIS地域の調査に携わる.11~12年「子ども・被災者生活支援法」(2012年6月成立)の策定に向けたワーキングチームに有識者として参加,立法提言に取り組む.現在,関西学院大学災害復興制度研究所研究員.著書に『3・11とチェルノブイリ法――再建への知恵を受け継ぐ』(東洋書店新社).共著に『原発事故国家はどう責任を負ったか――ウクライナチェルノブイリ法』(東洋書店新社),『フクシマ6年後消されゆく被害――歪められたチェルノブイリ・データ』(人文書院)ほか.
(引用終わり)
 

<記>
 原発候補地であった和歌山〈チエルノブイリ救援・和歌山〉で集めたチエルノブイリ救援の寄付金で医薬品や使い捨て注射器を購入して私と田辺の中村義子さんが訪ソしました。その年が1991年の3月でした。その年の12月にソ連邦は崩壊しました。この年にチエルノブイリ法が出来ていたのですね。あの時「法律は出来るけど予算が伴わない」という話を現地で聞きました。
 チエルノブイリ調査・救援ネットワークとして私たちが行った病院では白血病の子どもたちばかりでした。ミンスクベラルーシ)の病院は旧ソ連邦下では小児白血病の専門病院でしたので、連邦中から来た子どもたちが入院していましたし、付き添いのお母さんも一緒でした。この病院の女医さんが医薬品が無かったので世界に向ってSOSを発信しました。その後行ったウクライナやロシアの病院でも直接会ったのは小児白血病の子どもたちばかりでした。甲状腺がんの話はその時私たちは聞きませんでした。帰国してそれから3年間「チエルノブイリの子供たちを迎える会」を立上げ、新宮市田辺市和歌山市で広島に治療に来たチエルノブイリの子供たちに1週間位保養してもらったことがありました。新宮市の二河通夫氏ご夫婦がホームステイを受け入れていただいた後ベラルーシに行かれ、甲状腺がんのエコー測定器を贈られました。社会主義国だから情報を隠していると言われていましたが、各病院の先生方は子どもたちを必死に守ろうとしていたことが感じられました。医薬品がなかったので余計必死だったかもしれませんが。
 福島原発事故の被害者に本当の情報を出さずに、風評被害にあってしまうぞと脅しのような操作で本当の被害を消し去ろうとしているように思います。
 小児甲状腺がん原発事故に伴う健康管理の法律について、投稿者:ourplanetで5ページ使っています。この問題を何とかしないととの思いがあります。時間が掛かっても必要ですね。
                                        松浦雅

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