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和歌山弁護士会が「憲法改正問題シンポジウム」を開催しました(2019年12月7日)

2019年12月7日配信(予定)のメルマガ金原No.3435を転載します。

和歌山弁護士会が「憲法改正問題シンポジウム」を開催しました(2019年12月7日)

Facebookから転載します。

 本日(12月7日)午後2時から、和歌山県民文化会館小ホールにおいて、和歌山弁護士会主催(共催:日本弁護士連合会、近畿弁護士会連合会)による「憲法改正問題シンポジウム」が開かれ、私も会員の1人として参加してきました。ただ、自分で告知などしていながら、チラシをよく読んでいなかったからか、てっきり「開演:午後1時30分」と思い込んで1時過ぎに会場入りしたところ、1時半というのは「開場時刻」であることが判明してがっかりしてしまいました。

 それはさておき、年末慌ただしい土曜日の午後にもかかわらず、会場いっぱいとまではいきませんでしたが、概数200名近くの参加者があり、動員的にも成功だったと思いますが、それよりも何よりも、内容的に十分「やって良かった」「成功だった」と言っても、仲間褒めのそしりは免れるのではないかと思います。


 まず、和歌山弁護士会憲法委員会委員(昨年度の日本弁護士連合会・憲法問題対策本部担当副会長)の阪本康文弁護士から、憲法改正問題、とりわけ9条改憲問題の現状と弁護士会の意見について基調報告があり、それに引き続いて、県議会に議席を有する6政党から1人ずつの議員の皆さんをパネラーとするパネルディスカッションが行われました(コーディネーターは和歌山弁護士会憲法委員会委員長の由良登信弁護士)。
 基調報告の中で阪本弁護士からも紹介がありましたが、全国各地の弁護士会が行っているこの種のシンポジウムにおいて、6党もの主要政党の議員が登壇して意見を述べ合うという企画は、今回の和歌山がおそらく初めてであり、全国的にも注目されているということで、実は、今日のシンポには、他府県の弁護士も視察(?)のために参加しておられたよし。

 今回のシンポにパネラーとして登壇された県議会議員は以下の皆さんでした。
  自由民主党 尾﨑太郎さん
  国民民主党 浦口高典さん
  立憲民主党 谷口和樹さん
  日本共産党 楠本文郎さん
  公明党 中 拓哉さん
  日本維新の会 林 隆一さん
 皆さん、所属政党の公式見解を踏まえつつ、基本的にはそれぞれ1人の政治家としての個人的見解を述べるというスタンスであったと思います。
 例えば、尾﨑太郎議員は、2012年の党大会で採択された「日本国憲法改正草案」による「自衛隊国防軍」という改正案があるにもかかわらず、「改正しても何も変わらない」と言いつつ「9条1項、2項を残しながら9条の2で自衛隊を明記する」という改憲案に個人としては納得していないことを隠そうとしておらず、その率直な発言に好感を持ちました。もちろん、9条や憲法に関する意見が尾﨑議員と一致するということでは全然ありませんが、「立場が違うことを前提に、意見を闘わせることができる人(だろう)」だという意味での「好感」です。
 他の5人の議員の皆さんも、それぞれが置かれた立場の中でせいいっぱい率直かつ誠実に発言していただいたと思います。登壇された6人の議員の皆様に心から感謝したいと思います。
 特に、私個人としては、普段なかなか機会のない自民党公明党、維新の会の皆さんの意見を伺えて非常に良かったと思います。もっとも、それも人選が当を得ていたからかもしれず、他の議員ではこうはいかなかったかもしれませんが。

 なお、パネルディスカッションの主要なテーマは、私の理解したところでは、①立憲主義、②9条の役割、③自民党9条改憲案(自衛隊明記)について、であったと思います(由良弁護士の話の振り方から推測)。その一々についての6人のパネラーのご意見をご紹介することは私の手に余りますし、そもそも細かなメモも取っていません。
 こういう時に動画サイトに講演の模様がアップされると便利なのですが、この種の企画の動画撮影について和歌山の第一人者と思われるKさんから撮影並びに動画サイトアップについての許可申請がなされたところ、パネラーの意見も踏まえ、撮影は許可されたものの動画サイトへのアップは許可されなかったそうです。

 ところで、画像で表紙だけご紹介していますが、今日の参加者には以下の2つの冊子が配布されました(他にオマケとして日弁連特製ポケットティッシュ)。
 1つは「弁護士と一緒に考えてみませんか 自衛隊や自衛の措置を憲法に書き加えても何も変わらないの?」というB5版オールカラー全8頁のリーフレットで、2018年5月25日・日本弁護士連合会定期総会決議の内容を分かりやすく説明するものです。

 もう1つは、今日のシンポのために和歌山弁護士会がコピーして配布した「憲法改正問題資料集」(表紙を含めて48頁)で、これがなかなか貴重なものですよ(今日来場された方は得しましたね)。その内容は以下のとおり。

1 自由民主党 憲法改正推進本部「日本国憲法改正の考え方~「条文イメージ・たたき台素案」Q&A~」
 自民党が2018年3月に発表した改憲4項目の「条文イメージ(たたき台素案)」自体は、当初から自民党憲法改正推進本部のホームページに掲載されています。
 しかし、同本部が今年の2月に党所属国会議員に配布した「ビラ」と「条文イメージ(たたき台素案)Q&A」は、いつまで待ってもホームページに掲載されず、かえって、改憲問題対策法律家6団体連絡会による「自民党憲法改正推進本部作成改憲案『Q&A』に対する徹底批判」の方が先に公表されるという事態になっています。
 ということで、このQ&Aを読んだ人はそう多くはないと思いますので、貴重な資料です。

2 国民民主党「基本政策」

3 立憲民主党「憲法に関する考え方~立憲的憲法論議」

4 日本共産党
「2019参院選・各分野の政策・54憲法」
「安倍首相の改憲発言で志位委員長が会見」

5 公明党
「平和の党」が金看板
「北側一雄公明党憲法調査会長-改憲論議を問う」(時事ドットコム)

6 日本維新の会
・「憲法改正問題に関する回答」※ネット上で公表されたものではなく、「2019年11月」という日付からも、和歌山弁護士会憲法委員会からの照会への「回答」なのかもしれません(特に説明はありませんでしたから断言はできませんが)。
「馬場伸幸日本維新の会幹事長-改憲論議を問う」(時事ドットコム)

 今日のシンポの「速報」はこんなところです。「詳報」は?多分、来年5月発行予定の和歌山弁護士会「会報」に由良委員長が長文の(広報委員会指定の字数をいつもオーバーして編集者を困らせている)レポートを書くでしょう(運が良ければ和歌山弁護士会ホームページに転載されるかもしれません/もっとも、広報委員会は最近あまりホームページへの転載に熱心ではないようだけれど)。

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