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共産党と“共闘”して何が悪い?~大阪において維新以外はすべて“反維新”

 今晩(2015年11月11日)配信した「メルマガ金原No.2271」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
共産党と“共闘”して何が悪い?~大阪において維新以外はすべて“反維新

 11月22日(日)に迫った大阪府知事選、大阪市長選のダブル選挙まであと11日。大阪の多くの友人らが奮闘している様子を和歌山の地から眺めている私としても、少しでも力になるために、大阪在住の親戚・友人・知人への声かけをきっちりしなければと思っています。
 そして、このブログにおいても、誰もが見たり読んだりすれば、維新に勝たせてはいけないと思うだろうというコンテンツを紹介したいものだと思って探してみました。
 もっとも、これはいっぱいあり過ぎて選びようがないなあと思って諦めかけたところ、自由民主党大阪府支部連合会の公式サイトに以下のような文章が掲載されているのを見つけました。
 私が、大阪府連とはいえ、自民党のホームページに掲載された文章を、その内容を支持するために引用することなど、もしかしたら最初で最後かもしれないと思いつつご紹介します。
 
自由民主党大阪府支部連合会公式サイト
大阪の真実~政策検証サイト~
(引用開始)
■「都構想」は大阪の政治史上、最大の失政である。
 大阪市を解体しなければ解消できない二重行政はなく、また自治体の枠組みを変えることが経済成長に
つながるわけでもありません。これまでの8年間、「都構想」に無駄なコストを費やしてきた結果、大阪は
壊滅的なダメージを受けました。
「都構想」は大阪の政治史上「最大の失政」です。
 いわゆる「大阪都構想」を推進するために、府市ではこれまで30億円以上の関連経費をかけてきました
。5月17日に行われた「住民投票」だけでも6億円以上の経費がかかっています。
 維新の会は、都構想の最大の目的を「二重行政の解消」であるとしていますが、そもそもこれほどまで
の莫大なコスト(人・お金・時間)をかけて大阪市を解体しなければ解消できない二重行政など存在しません。
 自治体の枠組みや制度を変えれば経済が成長するわけではないことは誰の目にも明らかですし、当の橋
下市長自身もそう認めています。
 「維新の会」が8年に渡り、無意味な「制度の変更」にかまけてきた結果、大阪の経済、教育、福祉、財政は壊滅的な打撃を受けました。「都構想」で浪費してきたコストを、それぞれの課題解決に適切に投入
していれば、今のような大阪の疲弊、低迷はありませんでした。
 「大阪都構想」は大阪府政・市政史上、最大の失政であると断言します。
 いわゆる「大阪都構想」については、先の住民投票(平成27年5月17日)でほぼ議論が尽くされ、協定書(制度の設計図)の欠陥や、莫大なコストがかかるにも関わらず財政効果はほとんどないことが明らかに
なっています。
 そして住民投票の結果、維新が最も重視してきた“民意”によって、都構想は否定されました。
 「大阪都構想」は“すでに終わった話”であり、これを公約に選挙を戦うことは、住民投票という自らが「究極の民主主義」とまで言い切った議決の権威をゆるがし信頼を失墜させることにほかならず、民主
主義の否定であると言わざるを得ません。
 
自民党共産党と共闘しているというご批判について
 住民に最も近い地方自治においては、各党が思想信条を超えて協調をはかることは特殊なことではあり
ません。事実、議会において維新共産党が同調した例も多くあります。
 まず最初に、今回の大阪ダブル選挙において、自由民主党大阪府連から共産党に支援、連携等を要請したことは一度もありません。くりはら貴子、柳本あきら両候補は無所属で出馬しており、候補を立ててい
ない共産党が独自の判断で支援したものと認識しております。
 この度の大阪ダブル選挙は、これまでの“橋下・維新政治”の是非が大きな争点となっています。これ
まで我々自由民主党は、民主主義を軽んじ対立を煽るばかりの「維新政治からの脱却」を徹底して訴えて参りました。
 確かに、この「一点」において自民党共産党は同じ方向を向いています。
 しかし、二元代表制を採る地方自治においては、議院内閣制を採用する国の与野党の関係とは、政党間の位置づけが根本的に異なります。地方議会において、様々な政治的・政策的課題に対し各会派が是々非
々に対応するのは特殊なことではありません。
 事実、大阪市会において可決した議案にも「大阪維新の会」と「共産党」が揃って反対した例はいくつもあります。以下にお示ししておきます。
(具体例は引用省略)
 住民に最も身近な地方政治においては、特定の思想信条とは別のところで、真に市民生活のことを考え意思決定を行わなければなりません。二元代表制のもと、各会派間で議論を尽くして協調の道を模索することが、健全な地方自治の姿です。
 そういった意味では、共産党と是々非々で歩調を合わせた、上記の「大阪維新の会」の態度は評価されるべきですし、もちろん政策によっては自民党維新が一緒に賛成したり、反対することもあるでしょう

 今回のダブル選挙では、「大阪都構想」や“維新政治”への是非が最大の争点であり、この争点について、維新は是とし、自民党共産党は“それぞれ”が「反対」の態度を表明した、というのが正しい構図
であることをご理解いただきたいと思います。
(引用終わり)
 
 なお、大阪府連が公表している文章は以上のとおりですが、個々の自民党議員がブログなどで公開している意見にはもっと突っ込んだ指摘もあり、実はそちらの方が読んでいて面白い、と言って語弊があるなら、より深く共感できます。
 Facebook複数の「友達」がシェアしていた自民党堺市議会議員・野村ともあき氏のブログは読む価値があると思いました。
 
堺市議会議員 野村ともあきブログ 2015-11-11
【大阪ダブル選挙】自民党と共産党が組んでいるというご批判について(再掲)

(抜粋引用開始)
 “維新政治”の最大の問題点は「自らの背信と欺瞞によって生じる不都合を、相手に責任を転嫁したり
、一方的なレッテルを貼ったりすることで市民を扇動し、隠蔽してきた」ことです。
 金のために信義を捨てる。我が身のためなら他人を追い落とす。維新の会が思想信条から義理人情に至
るまで微塵も持ち合わせていない政治組織であることは歴史が示しています。
 このような組織が信頼されないのは当然のことで、政治関係者はもとより、義憤にかられた人々が市民レベルで反対運動に加わって来ています。自民党共産党が結託しているのではなく、大阪において維新
以外はすべて“反維新”であるというのが正確な構図です。
 このような状況に対して「既得権益を守るために思想信条の異なる勢力が結託している」と批判するこ
とは、自らの不都合を隠蔽するための悪質な論点のすり替え、詭弁です。
(引用終わり)
 
 「大阪において維新以外はすべて“反維新”」という歯切れの良い啖呵を読んで、来年の参議院選挙に向けて「日本において安倍政権与党以外はすべて“反安倍”」で結集できないはずはないだろう!?と思った人も多いことでしょうね。
 
 最後に「オマケ」と言って不都合なら、「参考動画」と言ってもよいのですが、一昨日(11月9日)夜、大阪市中央区の御堂会館で開かれた「オール関西平和と共生」主催による「大阪W選挙直前 橋本維新政治を許さない!」という集会の模様がIWJ大阪で中継され、アーカイブ動画が今なら無料で視聴できます。
 何しろ、登壇者(弁士)が、辻恵氏(元衆議院議員)、小林節氏(慶應義塾大学名誉教授)、白井聡氏(京都精華大学専任講師)という顔ぶれですから、聴いていて、話が緻密かどうかはともかく(特に辻さんと小林さん)、今の時期最も大事な、分かりやすくて元気が出る演説であることは間違いありません。試聴をお勧めします。
 

(忘れないために)
 「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。
 
(引用開始)
  あしたのための声明書
 
わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。
 
わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。
 
わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。
 
わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。
 
きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。
 
わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。
 
     自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり)
 

(付録)
『ケサラ』 演奏:自由の森学園(2011年 音楽祭)