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wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

電力自由化とオフグリッドの未来~田中優さんの無料メルマガを読む

 今晩(2016年4月10日)配信した「メルマガ金原No.2422」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
電力自由化とオフグリッドの未来~田中優さんの無料メルマガを読む

 今月、いよいよ小口電力の自由化がスタートしました。
 これで、原発由来の電力を拒否することができるのではないか?そのためにはどこと契約すればよいのか?と考えておられる方も多いのではないかと思います。
 私のメルマガ(ブログ)でも、これまで電力自由化をめぐる2つの講演動画をご紹介しています。
 
2016年2月28日 たんぽぽ舎第28回総会にて
20160228 UPLAN 広瀬 隆「電力自由化原発東電を葬る」(1時間11分)
 

2016年3月5日 原発がこわい女たちの会(和歌山市)主催講演会にて
電力自由化で何がどう変わるのでしょうか・大島堅一氏講演20160305主催原発がこわい女たちの会(1時間25分)

 
 それで、結局のところ、電力自由化により、原子力発電所の再稼働を目論む電力会社に打撃を与えることは可能となったものの、将来とも原子力発電由来の電気を一切拒否する生活を達成することは、どうやら今回の電力自由化によっては無理らしい、ということが段々と分かってきたのではないかと思います。
 
 そこで、原子力発電由来電気けではなく、電力会社からの電気供給契約自体を解除し、完全オフグリッド生活を実践している田中優さんのことを思い出し、優さんが、今回の電力自由化についてどのような発言をされているかと思って調べてみました。
 
 講演動画では、これといったものを見つけられなかったのですが、無料メルマガ「田中優の'持続する志'」には、いくつか見つかりましたので、そのうち2つをご紹介します(「※このメルマガは転送転載、大歓迎です。」とありますので、お言葉に甘え、全文転載させていただきました)。
 
2015.11.19発行田中優無料メルマガより
『 暗雲たれ込める電力自由化 』

(引用開始)
■安くなるか電気料金
 いよいよ来年4月からから電力自由化され、海外の例では電気料金が安くなったり自分の好みで選べたりする。しかも携帯電話の機種変更みたいに変更できるのだから、いつかは自然エネルギーだけで安心して暮らせる日を夢を見るかもしれない。ところが実際のデータを見ると、電力自由化の未来も暗澹としてくる。そのどこが問題なのか、今の時点でわかる部分も含めて考えてみたい。
■自由化されない送電線
 電力が届いて来るには「発電」「送電」「配電」の三つが必要だ。この発電部分はこれまで、電力会社と卸電気事業者(「電源開発 (J-POWER)」と「日本原子力発電」)が独占してきた。他にも発電した電気を電力会社に供給する多数の「卸供給事業者」があるが、それもまた電力会社に電気を供給するだけだ。
 つまり「送電」と「配電」部分は電力会社以外の事業者は入れないのだ。
 電力自由化以前は、発電事業以外には他の会社が参入することはできなかった。ところがそれが1995年から徐々に自由化され、50kW以上の特別高圧・高圧利用の事業者に対しては「特定規模電気事業者(PPS)」からの電気供給ができるようになった。それが来年からさらに広がり、低圧の電気を利用する家庭や小規模事業者まで広げられて完全自由化する。
 ところが期待されていた「送電線の自由化」だけは2020年まで延ばされてしまった。
したがってどの事業者が電気を供給するとしても、送電線を使わなければならないし、その費用である「託送料金」を払わなければならない。自分で発電することは許される。しかし送電線は電力会社以外に認められないままだから、道路をまたいで使うことすらできない。
 もし電気を誰かに譲りたければ託送料金を払うか、さもなければバッテリーを持ち運ぶしかないのだ。
■送電線利用の「託送料金」の問題
 この託送料金が制度のキモなのだ。ところが電気を1kWh通すだけで、平均9円も電力会社に払わなければならない。これまでの特別高圧のときは2円弱、高圧のときは4円程度であったのに、一気に高くなっている。確かに今の電気は上から下に「上位下達」式になっているから、下に行けばいくほど細々した装置が必要になるのはわかるが、それにしても高い。
 調べてみると、「使用済核燃料再処理費」「電源開発促進税」が含まれている。
「使用済核燃料の再処理費」は、うまくいかなくて何度延期されても解決しない六ヶ所村再処理工場のコストで、たぶん今後も延々と高くなり続ける。わざわざ「既発電分のみ」と断り書きがいれてあるのは、「自由化以前の費用はお前たちが払え」という意味だ。
 そして「電源開発促進税」は原発揚水発電など、原発を推進するために「札びらで頬を叩く」費用で、どちらも原発推進の費用だ。その両者で16%を占めている。送電線の託送料金という「送電費用」なのに、なぜか原発の「発電費用」が含められている。
 自分で発電しても託送料金を取られ、他の電気を買うにも託送料金を取られる。電気を電力全体のプールから買おうとすると、現在1kWh当たり約11円かかる。それに託送料金9円で合計1kWhあたり20円になる。
 さて皆さんが電力自由化東京電力をやめて他から買おうと思ったとしても、東京電力よりは安い電気が買いたいだろう。現に官庁や市役所は、電力の購入先を変えることで安くなっているのだから。今の電気の値段を25円とすると、仕入れ値との差額はわずか5円だ。一か月200kWh使っている家庭で1000円しか利益が出ない。その額で事務所を構え、人件費を賄い、配当までできるだろうか。 
■数年でつぶれる小規模な「新電力」?
 そうした小口に電気を売る事業を「新電力」と呼んでいるが、どうやら予想では1000社程度が参入しそうだ。従来からの「エネット」のようなPPSに加え、「ガス会社」や「携帯電話会社」、そしてエコの観点から「生協」などが参加しようとしている。ガスや携帯会社は「抱き合わせ商品」にして、安上がりな仕組みにしようとしているようだ。
 ところが、生協のように環境の観点から自然エネルギーを進めようとするところは苦戦を強いられるだろう。そのわずかな利益で成り立つためには契約数が膨大である必要があるのに、既存客が携帯やガスのように多くはない。しかも抱き合わせにできる商品を持たない。契約数が少なければ、東京電力より安い価格を提示することはできないのだ。
 ドイツで市民が電力会社を設立できたのは、地域の送電線を入札で買い取ることができたおかげだった。ところが送電線の自由化は4年遅らされ、しかも送電線の入札が行われるかどうかも明らかでない。しかも託送料金には「原子力の後始末コスト」すら含めて極めて高く設定されたのだから、送電線自由化まで続けられる体力があるかどうかだ。
■電力のバーチャルとリアル
 以前から述べている通り、自然エネルギーの導入量が増えて原発を超えたといっても設備量の話で発電量ではない。しかもその売電量の話ですら、送電ロスや質が低くて使えない電気があるために実際に使える電気の量ではない。自然エネルギーからの電気の固定買取費用も、電力会社は一銭も負担しないどころか事務費を取り、私たちの電気料金に上乗せされているだけだ。電力会社にとっては「再生可能エネルギー促進賦課金」がどれほど高くなろうが関係ない。だからどれほど増えても気にしない。
 ここにはふたつの数字があるのだ。固定買取されただけのバーチャルな自然エネルギー売電量と、実際に使えるリアルな電気量だ。
 買取された電気が全部使えるわけではないのだから、当然バーチャルな売電量の方が大きく、実際に使えるリアルな電気量の方が少ない。この差の部分は誰が電気を供給するのだろうか。
 ここに電力会社が原発を抱えて入り込む可能性がある。「原発をなくすために」と進めた自然エネルギーが、バーチャルとリアルの量の差のために原発を呼び寄せてしまうかもしれない。年末に最終決定される託送料金には原発の費用が入り込み、バーチャルとリアルの差も原発が埋めるとしたら。
 電気をリアルに、オフグリッドして自給する以外にないのかもしれない。
(引用終わり)
 
2016.2.24発行 田中優無料メルマガより
『「電力自由化」でどうするか 』

(引用開始)
■どうして東電じゃいけないの?
 いよいよ4月から低圧の小口電力自由化が始まる。なんと計画されたのが2000年頃だから実に16年も経ってようやく始まる。
 東京電力の利益は、電気の62%を消費する事業系から9%を得、残りの91%は38%しか消費しない家庭と小さな事業所から得られている。簡単に言えば「家庭はドル箱」なのだ。そのせいもあって、家庭などの小口は自由化されない予定だった。ところが東電原発事故によって頂点から転げ落ちたことで、自由化されるようになった。もしそのままの力関係なら、家庭の電力自由化は起こらなかった。
 昨年末の東京新聞の調査では、実に56%の世帯が「すぐにではないが東電からの切換えを検討する」と答えている。その理由の35%は「より安く」であったが、28%は「原発を持たない事業者の電気を使いたい」となっている。しかも7割が「脱原発を望む」と答えているのだから、「より安く」の中にも脱原発の思いが含まれていることが見て取れる。
■選択肢はどうなっているか
 この1月からいよいよ広告が開始され、東急パワーサプライはすでに1万件の申し込みを受けたそうだ。東京周辺にはたくさんの小口電力会社が立ち上がっていて、全部を見るのは困難だが、大手と目される選択肢を調べてみた。
 たとえばソフトバンクのような携帯電話会社があるが、携帯電話の会社の電気はすべ て東京電力と提携している。事実上、東電別動隊だ。「脱原発を望む」人にとって携帯電話系は選択肢にならない。しかもその契約は、今の携帯の乗換え時と 同様に違約金を取られる仕組みとなっている。2年に一回しか違約金を取られずに乗換えることができないのだから不適切だ。
 他の会社を見てみると、東京ガス東北電力と組んでいて、今は東北電力女川原発は止まっているからいいものの、再稼働を計画している上、二酸化炭素の排出が多い石炭火力発電所の建設を予定している。ここも「脱原発を望む」なら、将来は変更しなければならなくなる。ローソンは原発企業三菱と組んで中部電力から電気を受ける仕組みだから、再稼働となれば東京にとって最も危険な位置にある浜岡原発の電気を使うことになる。
 他にも、ネットショップ等の楽天も総合商社の丸紅が持つ発電設備からの電気を供給することにし、プロパンガスや灯油などを販売する「東燃ゼネラル」や「中央セントラルガス」なども参加する。それらは今のところ原発の電気を受けるわけではないが、脱原発の要望に対応しているところはない。しかも出資関係にある会社には原発関連の名がちらついている。
 各社の電気料金をグラフにしてみたが、特徴的だったのは「節電している世帯では全然電気が安くならない」ということだった。無駄に電気をやたら消費する電気浪費家庭の電気料金であれば安くなるが、普通の家庭では安くなってもごくわずかで、節電している家庭では全く安くならない。この電気自由化は、「電気を浪費する家庭は得になる」だけの競争となってしまっているのだ。
■なぜ今回の自由化ではダメなのか
 最も大きな理由は、今回自由化されるのは小売りだけで、最も重要な送電線網や発電に無駄な金をかければかけるほど儲かるという総括原価方式は、 2020年までそのまま温存されてしまっているからだ。
 電気を運ぶ送電線は電力会社たちで作る「広域的系統運用推進機関」に握られたままになっている。電気を使いたければ送電線を使うしかない。しかも道路には電力会社以外の電線はつけられない。その電気を送る費用に「託送料金」がかけられる。
 その託送料金は著しく高く、他の国ならばその価格で電気が買えてしまうほどだ。
ただの送電線を使う料金であるはずなのに、その中には「電源開発費」という名の原発推進費や、これまでに使った原発の使用済み核燃料を再処理するための費用も含まれている。
 しかもここに、2020年以降はさらに原発事故の処理費や原発廃炉費用まで入れられてしまう方向なのだ。託送料金が1kWhあたり9円かかる。 それに電気そのものの価格が乗る。現時点では「電力取引所」の電気価格は1kWhあたり約11円だから、電気原価は電気価格11円に託送料金9円を足した20円となる。
 しかもこの「電力取引所」の電気は素性がわからない。原発でも太陽光でごちゃ混ぜなのだ。
 東電より安くするためにはこれまで東電が説明してきた1kWhあたり25円(ひと月の電気消費量によって異なる)より安くなければならず、するとわずかなマージンで事業を成り立たせなければならなくなる。しかも政策的に電気価格は節電すればするほど安くなるように作られているので、節電している世帯の電気といえどもそれ以下に下げられない。節電して原発を使わずに価格を下げられるとすれば、30A以下の契約はないが東燃ゼネラルの「myでんき」しかない。
■オフグリッドの未来しかない?
 送電線を使う以上、こうした「勝手に原発推進」政策から逃れられない。少なくとも大きな政治変革がなければ政策に変わりはないだろう。人々は脱原発を求めていて、できれば安い電気にしたいと思っている。しかし脱原発の夢は、今後事業に参加してくる生協系の電力会社でない限りかなわない。
 しかも生協系であっても「電力取引所」からの電気を使わざるを得ないから、完全な脱原発はできない。
 そうなると費用は高くつくが、我が家のように太陽光の電気をバッテリーにプールして自給するしかない。この方向はもしかすると今後大化けするかもしれない。電気自動車が世界的に推進されているおかげで、リチウムイオンバッテリーの価格と性能が急激に改善しているからだ。今だと電気料金で元を取るのに、最も安い仕組みでも15年はかかる。でも10年以内の電気料金と同じになるなら多くの人が導入するのではないか。
 私たちは脱原発を望んで電力自由化を喜んだのに、いつの間にかそれは価格だけの話にすり替えられてしまった。そうでない未来は、どうしたらできるのだろう。
(引用終わり)
 
 それから、以前私のメルマガでご紹介したWEB女性自身に連載されていた「サトウさん家」のオフグリッド生活はその後どうなったのかと思って調べてみたら、何と今でも連載続行中で、4月5日には「第60灯 オフグリッドの要は電子レンジ料理を控えること。それはカラダにもお財布にも優しい暮らし♪」という記事がアップされていました。
 
 過去の連載は、以下のページから全部読むことができますので、時間をみつけて最初から読み進めてみてはいかがでしょうか?「自分にも出来るかも」という夢が、やがて現実に結びつけばいいですね。
 
 
(参考動画)
 以前にも、私のメルマガ(ブログ)でご紹介したことがありましたが、「まゆともトーク」というニューヨーク在住の片岡桜子さんという方が運営しておられるYouTubeチャンネルにアップされた田中優さんの岡山の自宅でのオフグリッド生活を取材した動画を再度アップしておきます。撮影されたのは2013年8月ですが、優さん自身、「よくできています。良かったらご覧ください。」とブログに書いておられました。
田中優さん(Part1)電気は自分で作れる!電力会社に頼らない生活(17分)

田中優さん(Part2)ワクワク感のある未来へ向けて(16分)

田中優さん(Part3)今いる場所で、今日からできること(7分)
 


(弁護士・金原徹雄のブログから)
2013年2月24日
「再生可能エネルギー固定価格買取制度と『オフグリッド』生活」
2013年7月28日
「女性自身」のレポートと映像で知る田中優さんの“オフグリッド生活”
2013年10月5日
木村俊雄氏が語る“メルトダウンの真実“、田中優氏と語る“エネルギーの自給自足”
2014年6月22日
田中優さんが先導する“静かな革命”
2014年10月12日
再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の曲がり角から考える「オフグリッド生活」~田中優さん宅取材動画を視る
2014年12月20日 
「日刊SPA!」で読む“オフグリッド生活”の新展開
2015年2月4日
サトウさん家の実践から学ぶ“オフグリッド生活”