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憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

補遺・憲法をめぐる激動の2018年を和歌山の地から振り返る~原発問題など

 2019年1月1日配信(予定)のメルマガ金原.No.3379を転載します。
 
補遺・憲法をめぐる激動の2018年を和歌山の地から振り返る~原発問題など
 
 新年、明けましておめでとうございます。
 昨日の大晦日、「憲法をめぐる激動の2018年を和歌山の地から振り返る」をやっとの思いで配信したのも束の間、翌日の元旦にその「補遺」として、原発や環境などにかかわる県内の取組をご紹介するのも何だか恒例になりつつあります。
 
 そして、大晦日の分には、和歌山県の人口動態(減る一方ですが)を掲載し、元旦の分には、その年私が(事務所ではなく個人として)出した年賀状をご紹介するのもパターン化してきました。
 まあ、元旦でもありますし、個人的な年賀状を出す人は50人もいませんので、皆さんに年賀状を見てもらうのも悪くはないでしょう。
 とはいえ、私の年賀状は、創意も工夫も何もないストレートなものですけどね。
 昨年に続き、今年も12月30日にようやく郵便局に持ち込んだ年賀状は以下のとおり。
これを受け取った私の親戚や友人などがどう思うかは、想像の外ですけど。
 
(年賀状2019テキスト部分を引用開始)
謹賀新年 2019年1月
 
ひょんなことから、新年1月19日(土)にキャパ2,000人の会場で「県民のつどい」を開催することになりました(実行委員会の事務局をやっています)。
 
危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲
1・19和歌山県民のつどい
 
日時 2019年1月19日(土)13:30~16:00
会場 和歌山県民文化会館大ホール
出演 桂文福さん(芸人9条の会)  
    小林節さん(慶應義塾大学名誉教授・憲法
      Wakayama Peace Band、三木久美夫さん 他
入場無料
 
詳細は私のブログ(弁護士・金原徹雄のブログ)をご参照の上、可能であれば是非お誘いあわせの上ご参加ください。
⇒詳報「危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲 1・19和歌山県民のつどい」(2019年1月19日@和歌山県民文化会館大ホール)
(引用終わり)

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 さて、「補遺・憲法をめぐる激動の2018年を和歌山の地から振り返る」です。
 過去2年、メインタイトルは共通であるものの、サブタイトルは、2016年が「主として原発問題」、2017年が「主として原発・環境問題」としてきましたが、今年はまたまた変更して「原発問題など」としました。
 最初は、サブタイトルを「原発・環境・人権など」としておけば、私が関心を持ってブログで取り上げるほどの企画は、大概カバーできるだろうと目論んだのですが、考えてみると、それではあまりに範囲が広がり過ぎて、その内のごくごく一部しか紹介できないことは明らかなので、控え目に(?)することにしました。
 
 ところで、昨年(2018年)のトピックは、何と言っても、白浜町(日置地区)に関西電力が所有する土地に使用済み核燃料の中間貯蔵施設が建設されるのではないか?という問題でした。多くの県民にとっては降ってわいたような騒動だったかもしれませんが、(旧)日置川町での原発建設計画が頓挫した後も、関西電力が取得した用地を手放そうとせず、駐在員も起き続けていることを知る人たちは、このような事態は十分に想定の範囲内のことであったはずです。
 今から振り返れば、2月23日には原自連(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟)会長の吉原毅さんを田辺市に招き、11月28日には同連盟顧問である小泉純一郎元総理大臣の講演会を白浜町で実現したのですから、中間貯蔵施設建設を阻止するための戦略は、2018年になってから考え始めた、などというはずは絶対にありませんよね。
  
 以下に参考サイトとしてリンクする際の略称を掲げておきます。
 
 原発がこわい女たちの会 公式ブログ→女ブログ
 原発がこわい女たちの会ニュース→女ニュース
 弁護士・金原徹雄のブログ→金原
 あしたの朝 目がさめたら(弁護士・金原徹雄のブログ2)→金原2
 金原徹雄Facebook→金原F
 
 それでは、「補遺・憲法をめぐる激動の2018年を和歌山の地から振り返る~原発問題など」をお送りします。網羅的でも何でもなく、ただ単に私の目に留まった企画ということなので、その点、何卒ご海容ください。
 

【2018年 和歌山県における原発問題などへの取組】
 
1月20日(土)13:30~ 田辺市ひがしコミュニティセンター
和歌山に中間貯蔵施設はいらない!脱原発わかやま 原発学習会第二弾
講演 小山英之氏(美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会代表)
主催 脱原発わかやま
 
2月18日(日)14時00分~ 和歌山市あいあいセンター3階(会議室第3・第4)
和歌山に中間貯蔵施設はいらない!
講演 小山英之氏(美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会代表)
主催 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま、子どもたちの未来と被ばくを考える会
 
2月23日(金)15時00分~ 和歌山県立情報交流センターBig・U(ビッグ・ユー)多目的ホール
原発ゼロ法案」と「核のゴミ」を考える~白浜に核のゴミ(中間貯蔵施設)は来るのか!?~
講演 吉原 毅氏(城南信用金庫相談役、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟会長)
主催 「原発ゼロ」と「核のゴミ」を考える会
協賛 原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟、つゆくさと大地の会、紀南に自然エネルギーを推進する会、エコネット紀南
 
2月25日(日) 和歌山市あいあいセンター6階ホール
和歌山有機認証協会 第19回通常総会 記念企画「いのちの種(たね)を未來につなぐ」
14時15分~ スローシネマ「アジアの叡智」シリーズ Vol.4『ヴァンダナ・シヴァの いのちの種を抱きしめて with 辻信一』上映
15時30分~ 講演 山田正彦氏(元農水大臣・弁護士)「わたしたちのごはんがどうなるの?4月からの種子法廃止で」
主催 NPO法人 和歌山有機認証協会(WOCA)
協力 NPO法人 わかやま環境ネットワーク(WeNET)、サスティナブル・ライフスタイル研究会 of わかやま(SLOW)
賛同団体 紀ノ川農業協同組合生活協同組合 コープ自然派和歌山、和歌山県農民連 
 
3月11日(日)10時00分~ 和歌山市勤労者総合センター
フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2018
講演(13時40分~) 吉田千亜氏(フリーライター)「その後の福島 なぜ原発事故は終わらないのか」
サウンドデモ(15時30分~) 和歌山市役所前→JR和歌山駅前→県立体育館
主催 フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2018 実行委員会
 
5月12日(土)13時30分~ 和歌山市北コミュニティセンター2階多目的ホール
いずみ山系の森と川を守るコンサート
メガソーラーはいらない 自然とともに安全に暮したい
出演 Crowfield(クロウフィールド)、うりずんの花
主催 いずみ山系の巨大太陽光発電を考える会
 
8月26日(日)14時00分~ 県民交流プラザ 和歌山ビッグ愛 9階会議室A
講演 森松明希子さん(東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream(サンドリ)代表、原発賠償関西訴訟原告団代表)「原発事故による被ばくからの自由・避難の権利とは」
主催 子どもたちの未来と被ばくを考える会
 
9月15日(土)13時30分~ フォルテ・ワジマ6階 ボランティアサロン C会議室 
風力発電の被害を考える会・わかやま 第6回総会
エネファ-ムによる被害の報告(今崎廣美・光夫さん)、エコキュートによる被害の報告(村山洋治さん)、海南・紀の川風力発電について各地域からの報告
主催 風力発電の被害を考える会・わかやま
 
10月16日(火)14時00分~ 和歌山市民会館小ホール
2018年度和歌山市人権講座 テーマ「日本のヘイトスピーチの現状」
講演 安田浩一氏(ジャーナリスト)
 
10月16日(火)19時30分~ 本屋プラグ(和歌山市万町4)
本屋プラグトークイベント 2018年のジャーナリズム
ゲスト 安田浩一
聞き手 嶋田詔太氏(本屋プラグ)
主催 本屋プラグ

憲法をめぐる激動の2018年を和歌山の地から振り返る

 2018年12月31日配信(予定)のメルマガ金原No.3378を転載します。
 
憲法をめぐる激動の2018年を和歌山の地から振り返る
 
 年末恒例の、と言っても「紅白歌合戦」のことではありません。この1年間を振り返り、和歌山の市民が憲法問題にいかに取り組んだかという記録を初めて作ったのが2014年のこと。回を重ねて今年で5回目となります。
 2015年からは大晦日に配信することにしたのですが、年々作業に手間がかかるようになり、とても1日では書き上げられず、事務所を御用納めにした28日の晩くらいから作業に取りかからないと間に合わくなっています。今年も何とかお送りできることになり、一安心しています。
 まずは、過去4回の記録をご紹介しておきます。
 
2014年12月27日
憲法をめぐる激動の2014年を和歌山の地から振り返る
2015年12月31日
憲法をめぐる激動の2015年を和歌山の地から振り返る
2016年12月31日
憲法をめぐる激動の2016年を和歌山の地から振り返る
2017年12月31日
憲法をめぐる激動の2017年を和歌山の地から振り返る
 
 毎年引用しているような気がしますが、今年も2014年回顧の冒頭の言葉を引用しない訳にはいきません。
 
「“激動の”という形容句が今この時だけではなく、これから先も使われる可能性が十分にある2014年が暮れようとしています。」
 
 この「予想」は見事に的中し、同年以降、憲法をめぐる情勢は悪化の一途をたどっています。
 
●2014年7月1日 集団的自衛権の行使を容認する憲法違反の閣議決定
●2015年9月19日 閣議決定を実現するための安保法制法が成立
●2016年3月29日 安保法制法施行
●同年7月10日 参院選 改憲勢力が衆参両院で2/3を超える議席を確保
●2017年5月3日 安倍首相 自衛隊明記による改憲を提言
●同年10月22日 衆院選 民進党が解体し、改憲勢力が両院で2/3の議席を維持
●2018年3月26日 自民党憲法改正推進本部が自衛隊明記、緊急事態条項など改憲4項目の「条文イメージ(たたき台素案)」をとりまとめる。
●同年9月20日 安倍首相 自民党総裁三選を果たし、その後も「総理大臣として」、自衛隊明記の改憲に強い意欲を示す。
 
 いよいよ、今度こそ、年明けに召集される次期通常国会において、具体的な改憲発議が行われるのではないかという観測が行われる中、2018年が暮れようとしています。
 私の「和歌山の地から」「憲法をめぐる激動」を「振り返る」クロニクルを、当分の間続けることになるのか、それとも破局的な結果を迎えているのか、1年後にどんなことを書くことになっているでしょうか。
 
 なお、余談ながら、これも恒例になっているので書いておきますが、この年末回顧を書くたびに、和歌山県の人口を確認するくせがついてしまっています。
 まず、過去4年の年末の状況を引用します。
 
2014年12月「人口97万人(年明けには96万人台になっている可能性が高い)の和歌山県の人々が、この危機にどのように立ち向かったのかを思い出すよすがとして~」
 
2015年12月「ちょうど1年後の今、これは「人口96万人(年明けには95万人台になっている可能性が高い)の和歌山県の人々」と改訂する必要があります(2015年12月1日現在の人口速報値960,682人)。」
 
2016年12月「和歌山県のホームページで、2016年12月1日現在の人口(速報値)を調べてみたところ、「952,725人(男性448,153人、女性504,572人)」となっており、前年同月比7,957人の減少でした。」
 
2017年12月「和歌山県ホームページで、2017年12月1日現在の人口(推計値)を調べてみました。その結果は、「943,101人(男443,481人、女499,620人)」であり、対前年比9,624人(男4,672人、女4,952人)の減少ということで、減少の割合は前年よりも大きくなっています。」
 
 まことに規則的にというか、劇的にというか、人口減少を続ける和歌山県ですが、今年はどうでしょうか?
 和歌山県ホームページ(企画部企画政策局調査統計課)によれば、平成30年12月1日現在の人口(推計値)は、「932,687人(男438,663人、女494,024人)」であり、対前年比で10,414人(男4,818人、女5,596人)が減少しており、人口減少のスピードに加速度がついてきたという感じです。
 いずれ、この和歌山県の状況が、全国に波及する時代を迎えるのでしょうね。その時、この国がどのように変容しているのか、想像を絶するものがありますが、一つだけ確実に言えるのは、必要な電気を生み出すために原子力発電所を稼働させることなど全く無用であることは、この人口減少のスピードを見るだけでも明らかであるということです。
 
 さて、例年通り、以下の記録を作るにあたっては、九条の会・わかやまホームページの中の「県内の取り組み」をベースとしつつ、適宜、会紙「九条の会・わかやま」や私自身が書いたブログ、Facebookなどを参照しました。
 「九条の会・わかやま」事務局の柏原卓さん(ホームページ担当)、南本勲さん(会紙担当)のたゆみないご努力に、今年も深甚なる敬意を表したいと思います。「九条の会・わかやま」による情報の収集と蓄積なくしては、とてもこのような作業は出来ませんでした。
 
 以下の各項目について参考となるサイトにリンクをはる場合、
 「九条の会・わかやま」ホームページ内「県内の取り組み」→県内
 「九条の会・わかやま」ホームページ内「会紙『九条の会・わかやま』」→会紙
 「弁護士・金原徹雄のブログ」→金原
 「あしたの朝 目がさめたら(弁護士・金原徹雄のブログ2)」→金原2 
 「金原徹雄Facebook」→金原F
 イベントを撮影した動画→動画
という略称を使用しました。
 
 なお、毎年お断りしていることですが、私個人のことで言うと、「憲法問題」と併せて「原発問題」についても様々な行事に参加したり企画に関与したりしていますが、それらも書き出すときりがなくなるし、私自身が関わっていない企画について情報を集積してくれているサイト(憲法問題についての「九条の会・わかやま」のような)が見当たらず、包括的な「回顧」になりそうもないので、「憲法問題」についての取組に絞って振り返ることにしています。
 その代わり、2年前から、翌日の元旦に「補遺・憲法をめぐる激動の〇〇〇〇年を和歌山の地から振り返る」として、原発問題などへの取組を紹介するようにしていますので、また明日も書くかもしれません(多分書くでしょう)。
 
 また、「九条の会・わかやま」にしても、全県下から多くの情報が寄せられているとはいえ、全ての企画を網羅している訳でないのは当然です。
 それから、毎月特定の日に行動を行っている団体もありますが、その一々について取り上げることもできませんでした。毎月実施している「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」を取り上げているのは、たまたま私が全回参加しているからです。
 以上のとおり、様々な「漏れ」があることは否めませんが、このクロニクルが、憲法問題に取り組む皆さんにとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
 

【2018年 和歌山県における憲法問題への取組】
 
1月7日(日)11時00分頃~ 和歌山県民文化会館(「はたちのつどい」会場)前
平和と憲法を守りたい市民の声 和歌山市・新成人アンケート2018
 
1月17日(水)集合:正午 デモ:12時20分~
第43回 憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ
コース:和歌山市役所前→公園前交差点→京橋プロムナード
主催 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
 
2月3日(土)13時30分~ 和歌山市あいあいセンター6階ホール
歌える自由を未来まで!! 和歌山うたごえ九条の会 沖縄・平和を歌う会
主催:和歌山うたごえ九条の会
 
2月14日(水)集合:正午 デモ:12時20分~
第44回 憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ
コース:和歌山市役所前→公園前交差点→京橋プロムナード
主催 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
 金原F
 
2月17日(土)14時00分~、18時00分~ 橋本市民会館和室
第100回「檻の中のライオン」in 橋本
講演 楾大樹(はんどう・たいき)弁護士(広島弁護士会) 
主催 はしもと檻ライ実行委員会
共催:はしまま
 
2月18日(日)13時00分~ 和歌山市あいあいセンター3階会議室
ストップ!安倍「壊」憲!~9条と25条を私たちの手に~
講演 由良登信弁護士「改憲をめぐる情勢と今後の闘いの展望」
主催 和歌山障害者・患者九条の会
 
2月18日(日)14時00分~ 和歌山市東部コミュニティセンター多目的ホール
和歌山市ひがし9条の会 第4回平和コンサート
南京玉すだれ三線、フォーク&カントリー、うたごえ みんなで歌いましょう
主催 和歌山市ひがし9条の会
 
2月24日(土)13時30分~ 和歌山市勤労者総合センター6階文化ホール
安倍9条改憲NO!3000万署名推進 八法亭みややっこの憲法
口演 八法亭みややっこさん
主催 憲法9条を守る和歌山市共同センター
 
2月25日(日)
「古座川9条の会」結成総会開催
 
2月27日(火)18時00分~ 和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4階ホール
講演 「山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)が語る沖縄の現状と未来-山城裁判とは何か-」
主催 和歌山県平和フォーラム、戦争をさせない和歌山委員会
 
3月3日(土)14時00分~ ルミエール華月殿 6階 富士
民集会「安全保障法制、特定秘密保護法、いわゆる共謀罪法、憲法改正の動きなどから日本の今とこれからを考える」
講演 海渡雄一弁護士(日弁連秘密保護法対策本部副本部長、日弁連共謀罪法対策本部副本部長、元日弁連事務総長)
主催 和歌山弁護士会 
共催 日本弁護士連合会
 
3月11日(日)13時00分~ 西向町民文化センター2階会議室
くしもと9条の会 第4回総会
講演 田所顕平氏(元高校教諭)「私が思い考える憲法をめぐる今日の状況-過去・現在・未来をつないで-」
主催 くしもと9条の会
 
3月14日(水)集合:正午 デモ:12時20分~
第45回 憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ
コース:和歌山市役所前→公園前交差点→京橋プロムナード
主催 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
 
3月17日(土)13時30分~ 湯浅町地域福祉センター2階
なるほど なっとく! 北朝鮮自衛隊 そして憲法9条
講演 飯田光徳氏(日本コリア協会・大阪 理事長)
主催 有田9条連絡会
 
3月24日(土)14時00分~ 河北コミュニティセンター2階多目的ホール
守ろう9条 紀の川 市民の会 第14回総会
講演 三宅裕一郎氏(三重短期大学法経科教授)「憲法9条が果たしてきた役割~「自衛隊」の明記によって何が変わるのか?~」
 
3月30日(金)9時30分~ 和歌山県勤労福祉会館プラザホープ 会議室1・2
「檻の中のライオン」講座 in和歌山
講演 楾(はんどう)大樹弁護士
主催 檻の中のライオン@わかやま実行委員会
 金原F
 
3月31日(土)10時45分~ 中之島公園和歌山ビッグホエール
安倍政権の退陣を求める和歌山緊急デモ
 
4月7日(土)13時30分~ 和歌山市あいあいセンター6階ホール
講演 伊藤宏氏(和歌山信愛女子短期大学教授)「ゴジラvsシン・ゴジラゴジラから読み解く平和憲法~」
主催 伊藤宏氏講演会@和歌山実行委員会
 
4月11日(水)集合:正午 デモ:12時20分~
第46回 憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ
コース:和歌山市役所前→公園前交差点→京橋プロムナード
主催 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
 
4月22日(日)
「戦争はイヤ!憲法9条を守る和歌山市南の会」結成
 
4月27日(金)18時00分~ 和歌山県民文化会館大ホール
青法協憲法記念行事 憲法を考える夕べ「これからの日本 憲法と教育の危機」
講演 前川喜平氏、寺脇研
ディスカッション 堀内秀雄氏、前川氏、寺脇氏
主催 青年法律家協会和歌山支部
 
5月3日(木・祝)10時00分~ 和歌山城西の丸広場
HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2018
憲法講談 玉田玉秀斎 ほか
主催 HAPPY BIRTHDAY 憲法in Wakayama 2018実行委員会
 
5月16日(水)集合:正午 デモ:12時20分~
第47回 憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ
コース:和歌山市役所前→公園前交差点→京橋プロムナード
主催 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
 
5月19日(土)13時30分~ 和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4階ホール
2018 We Love 憲法~五月の風に~
講演 渡辺 治氏(一橋大学名誉教授)「かつてない市民と野党の共同で安倍改憲にNOを!!-9条改憲を阻んで 憲法の活きる日本とアジアを-」
終了後 IR和歌山駅までアピール行進
主催 憲法九条を守るわかやま県民の会
 
5月20日(日)13時30分~ 白浜町立農業研修会館
2018 芸人9条の会 白浜公演 語って 笑って 守ろう 平和!
出演 桂 文福、河内亭九里丸、千田やすし
主催 白浜9条の会
協賛 田辺9条の会、輝け!9条芳養の会、上富田9条の会、すさみ9条の会
 
6月10日(日)13時00分~ 和歌山市ふれ愛センター2階会議室1
和歌山障害者・患者九条の会 第12回総会と記念講演会~沖縄から我が国の平和を考える~
講演  中北幸次氏とうたごえオールスターズの皆様「沖縄に心をよせて…創作活動から見えてきたもの」
主催 和歌山障害者・患者九条の会
 
6月13日(水)集合:正午 デモ:12時20分~
第48回 憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ
コース:和歌山市役所前→公園前交差点→京橋プロムナード
主催 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
 
6月30日(土)15時00分~ 和歌山市勤労者総合センター6階文化ホール
平和講演会「ICANのノーベル平和賞をうけて 私たちは、何をどう取りくむか!」
講師 川崎 哲氏(ピースボート共同代表、ICAN国際運営委員)
主催 核戦争防止和歌山県医師の会
 
7月7日(土)14時00分~ 和歌山市東部コミュニティセンター活動室大
和歌山市ひがし9条の会 第11回総会
講演 中北幸次氏(和歌山うたごえ9条の会事務局長)とうたごえオールスターズの皆さん「沖縄に心よせ 辺野古を訪ねて」
主催 和歌山市ひがし9条の会
 
7月9日(月)集合:正午 デモ:12時20分~
第49回 憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ
コース:和歌山市役所前→公園前交差点→京橋プロムナード
主催 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
 
7月22日(日)14時00分~ 和歌山市南コミュニティセンター4階(元地場産業振興センター)
戦争はイヤ! 私が見た「73年前の7月9日」和歌山大空襲
主催 戦争イヤ!憲法9条を守る和歌山市南の会
 
7月28日(土)~29日(日) 和歌山県勤労福祉会館プラザホープ各室
平和のための戦争展わかやま2018
講演 柳澤協二氏(国際地政学研究所理事長・元内閣官房副長官補)「戦争危機の時に考える平和の道筋」(7月28日(土)14時00分~ 4階ホール)
主催 2018平和のための戦争展わかやま実行委員会
後援 朝日新聞和歌山総局、毎日新聞和歌山支局、ニュース和歌山株式会社、株式会社和歌山リビング新聞社、株式会社わかやま新報社、読売新聞和歌山支局
 
7月29日(日)15時00分~ ライブハウスOLD TIME
第二回 LOVE&PEACE LIVE 和歌山~平和を祈るコンサート
出演 ハラケイジ、三木久美夫さん、Crowfield、素和歌、紀州五十五万石
 
8月6日(月)集合:正午 デモ:12時20分~
第50回 憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ
コース:和歌山市役所前→公園前交差点→京橋プロムナード
主催 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
 
8月15日(水)10時00分頃~ 和歌山市堀詰橋南詰
「天啓の宙(そら)」像の清掃と祈り
 
9月2日(日)10時00分~ 和歌山ビッグ愛1階展示ホール
こどもピースフェスタ2018
主催 こどもピースフェスタ実行委員会
 
9月12日(水)集合:正午 デモ:12時20分~
第51回 憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ
コース:和歌山市役所前→公園前交差点→京橋プロムナード
主催 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
 
9月19日(水)18時00分~ 和歌山城西の丸広場
デモは18時30分~(JR和歌山駅前まで) 
「安保法制」廃止と「安倍改憲」NO!を訴える9・19 和歌山集会&デモ
呼びかけ団体 9条ネットわかやま、憲法9条を守る和歌山弁護士の会、戦争をさせない和歌山委員会、和歌山県平和フォーラム、和歌山県地方労働組合評議会、憲法九条を守るわかやま県民の会、市民連合わかやま、安保関連法に反対するママの会@わかやま、安全保障関連法制の廃止を求める和歌山大学有志の会
 
9月24日(月・祝)11時00分~ 和歌山ビッグ愛1階展示ホール
ハイサイちゅらフェスタ2018
講演 森住 卓氏「写真家の伝えたい沖縄」
主催 ゆいま~る和歌山
 
10月6日(土)10時00分~、13時30分~ 男女共生推進センター6階みらいホール(あいあいセンター内)  
映画『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』上映会
主催 「映画カメジロー」上映和歌山実行委員会
 
10月10日(水)集合:正午 デモ:12時20分~
第52回 憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ
コース:和歌山市役所前→公園前交差点→京橋プロムナード
主催 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
 
2018年10月14日(日)14時30分~ 那賀教育会館3階大会議室
講演 伊藤 宏氏(和歌山信愛女子短期大学教授)「ゴジラが伝える日本国憲法の意義-平和・反核・民主主義」
主催 生活と民主主義を守る那賀の会
 
10月19日(金)18時00分~ 和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4階ホール
講演 前田哲男氏(軍事ジャーナリスト)「憲法抹殺の安倍安保を許さない 9条が戦後の生活を支えた」
主催 和歌山県平和フォーラム、戦争をさせない和歌山委員会
 
10月20日(土)13時30分~ 紀南文化会館4階研修室
田辺・9条の会 2018年度総会
講演 本庄 豊氏「『明治150年』に学んではいけないこと」 
 
10月20日(土)15時40分~ 高校会館(和歌山市雑賀屋町東ノ丁50)
憲法学習会 安倍改憲の危険性と私たちの運動の課題!
講演 上脇博之氏(神戸学院大学教授・兵庫憲法会議事務局長)
主催 憲法改悪阻止和歌山県各界連絡会議(憲法会議)、憲法九条を守るわかやま県民の会
 
10月21日(日)11時00分~ かつらぎ体育センター
第10回 伊都・橋本9条まつり 憲法9条でゆるぎない平和を
講演 金原徹雄弁護士「これからの9条改憲NO!の闘い~国民投票をみすえた運動を~」
 
10月23日(火)12時30分~ 和歌山市勤労者総合センター4階視聴覚室
全労連議長 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会共同代表 小田川義和さんと語る会
主催 和歌山県地方労働組合評議会
 
10月27日(土)16時00分~ 和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4階ホール
和歌山県保険医協会 第41回定期総会記念講演
講演 香山リカ氏「迷える社会と生きづらさ~精神科医が考える人権と平和~」
主催 和歌山県保険医協会
 
11月6日(火)18時00分~ 和歌山県民文化会館小ホール
憲法改正問題に取り組む全国アクションプログラム
講演 木村草太氏(首都大学東京教授)「憲法9条をめぐる議論を理解するために」
主催 和歌山弁護士会
共催 日本弁護士連合会、近畿弁護士会連合会
 
11月11日(日)10時00分~ 和歌山市河北コミュニティセンター
第15回 憲法フェスタ 9条をまんなかに~えがこう平和への道~
講演 飯島滋明氏(名古屋学院大学教授)「自民党改憲案にどう向き合うか~私たちの具体的な対抗策は~」(講演は午後)
 会紙(4) 
 
11月12日(月)集合:正午 デモ:12時20分~
第53回 憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ
コース:和歌山市役所前→公園前交差点→京橋プロムナード
主催 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
 
11月17日(日)14時00分~ 和歌山信愛女子短期大学セシリアホール
講演 伊藤 宏氏(和歌山信愛女子短期大学教授)「ゴジラ原子力~映画に描かれた原水爆原発~」
 
11月30日(金)18時15分~ 海南市民交流センター ふれあいホール
講演 伊藤 真弁護士「今、知っておきたい日本国憲法~特に教育関係者に必要な視点~」
主催 2018未来をひらく教育のつどい実行委員会
 
12月9日(日)13時30分~ 新宮市福祉センター
戦争と憲法を考える講演会「私が見たこと聞いたこと~戦争の被害と加害の実像~」
講演 中田重顕氏  朗読 阪本浩子氏
主催 くまの平和ネットワーク
 
12月10日(月)集合:正午 デモ:12時20分~
第54回 憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ
コース:和歌山市役所前→公園前交差点→京橋プロムナード
主催 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
 
12月16日(日)11時00分~ 紀の川市桃山会館
第14回 那賀9条まつり 
好きなんよ9条! 憲法9条を世界の宝に! 安倍9条改憲NO! 平和憲法を守ろう
主催 「九条を守ろう」那賀郡の会
 
12月21日(金)13時10分~ 和歌山大学(栄谷キャンパス)
講演 池内 了氏(宇宙物理学者・世界平和アピール七人委員会)「科学者と軍事研究」
公開ゼミナール「科学を生きる」
主催 和歌山大学「教養の森」

シンポジウム「安倍政権にかわる新しい選択肢」(2018年11月28日)についての市民連合からの「報告」

 2018年12月30日配信(予定)のメルマガ金原No.3377を転載します。
 
シンポジウム「安倍政権にかわる新しい選択肢」(2018年11月28日)についての市民連合からの「報告」
 
 歳末と言っても特に普段と異なったところはないのですが、ただ今日ばかりは、両親の墓参りに行ったり、(事務所からではなく)個人的に出す年賀状を書いて郵便局に持って行ったりという、世間並みの年の瀬を過ごしていましたが(世間の人はもっと早く年賀状を出す?それとも年賀状なんて書かない?)、そのような慌ただしい1日の中で、トスカニーニが引退の前年(1953年)にNBC交響楽団を指揮したドヴォルザークの「新世界から」をCDで聴く時間を見つけたのですから、我ながら上出来です。私は、「新世界から」が聴きたくなると、(少なくとも10枚近くある内)まずこのトスカニーニに手が伸びます。
 私は、1992年頃でしょうか、全82枚のトスカニーニ・コレクションが国内盤として発売された時、全部買ったのですよね(10万円以上しました)。それから20年ほどして、これにさらにオマケまで付いたセットが1万円台半ばで(もちろん輸入盤ですが)発売されているのを知った時には呆然としたものです。
 まあ、それはともかく、このトスカニーニ・コレクションと、同じくRCA音源を集大成したハイフェッツ全集は私の宝物ですね。ただ、人生の残り時間がそろそろ気になりだすと、はたしてこれらの演奏をもう一度全部聴けるかどうかが問題ですが。
 
 さて、そのような年末の1日であっても、「ブログ毎日更新」は続けています。
 今日は、やや手抜きの感は否めませんが、「市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)」WEBサイトに載っていた記事をまるごと転載させてもらうことにしました。
  その記事というのは、去る11月28日、東京都北区王子の北とぴあにおいて、市民連合が主催して、野党5党・1会派の幹事長・書記局長を招いて開いたシンポジウム「安倍政権にかわる新しい選択肢-改憲発議の阻止と参院選での躍進をめざして-」についての「報告」です。
 上記シンポジウムについては、既に私のブログでも、当日の模様を撮影した動画を紹介する形で取り上げています(市民連合シンポジウム「安倍政権にかわる新しい選択肢~改憲発議の阻止と参院選での躍進を目指して~」(2018年11月28日)に5党・1会派が揃い踏み/2018年11月29日)。
 
 その動画を視聴された方にとっては、結局、その内容を要約したものに過ぎないので、新鮮味に欠けることは否めません。
 けれども、完全な文字起こしではなく要約、それも、市民連合の立場から「報告」するに値すると判断された部分が紹介されている訳で、あらためてこの「報告」に目を通す価値はあるのではないかと判断した次第です。
 
 以下に、「報告」を転載する前に、まずシンポの動画をここでもご紹介しておきます。11月29日のブログでは3種類の動画をご紹介していますが、ここでは【Makabe Takashiチャンネル】のみ取り上げます。
 
【Makabe Takashiチャンネル】(1時間56分)
#安倍政権にかわる新しい選択肢 市民連合シンポジウム 2018年11月29日
冒頭~ 司会 町田ひろみさん(安保関連法に反対するママの会)
1分~ 登壇者紹介
4分~ 主催者挨拶 廣渡清吾さん(安全保障関連法に反対する学者の会)
8分~ パネルトーク第1部 
[コーディネーター]山口二郎さん(市民連合)、諏訪原健さん市民連合
11分~ 平野博文衆議院議員(国民民主党幹事長)
18分~ 小池晃参議院議員日本共産党書記局長)
25分~ 吉川元衆議院議員社会民主党幹事長)
29分~ 森裕子参議院議員自由党幹事長)
36分~ 大串博志衆議院議員無所属の会幹事長)
42分~ 福山哲郎参議院議員立憲民主党幹事長)
48分~ Twitterからの質問への回答
59分~ 3000万人署名(の一部)の提出 長尾ゆりさん(総がかり行動実行委員会)
1時間05分~ パネルトーク第2部
[コーディネーター]山口二郎さん、馬場ゆきのさん(大学生)
1時間06分~ 森裕子参議院議員自由党幹事長)
1時間12分~ 福山哲郎参議院議員立憲民主党幹事長)
1時間14分~ 平野博文衆議院議員(国民民主党幹事長)
1時間17分~ 小池晃参議院議員日本共産党書記局長)
1時間19分~ 吉川元衆議院議員社会民主党幹事長)
1時間21分~ 大串博志衆議院議員無所属の会幹事長)
1時間25分~ 山口二郎さん
1時間26分~ 馬場ゆきのさん
1時間28分~ ディスカッション
 
市民連合 December 30 2018
11/28 シンポジウム「安倍政権にかわる新しい選択肢」報告
(引用終わり)
11月28日(水)に王子・北とぴあにて、野党5党・1会派の幹事長・書記局長を招いて、シンポジウム「安倍政権にかわる新しい選択肢—改憲発議の阻止と参院選での躍進をめざして—」が開催されました。
 
国民民主党 平野博文 幹事長
日本共産党 小池  晃 書記局長
社会民主党 吉川  元 幹事長
自由党   森  裕子 幹事長
 
第1部では、「野党は臨時国会にどう向き合うのか」をテーマに議論が行われました。コーディネーターは、山口二郎と諏訪原健が務めました。まず、コーディネーターの山口二郎から、現在の安倍政治の問題点をどのように捉えているか、そしてどのように各党が取り組んでいるのかについて、問いかけがありました。
 
それに対し、国民・平野幹事長は、臨時国会における入管法改正に向けた手続きが強行であるとした上で、今の国会は立憲権(金原注:立法権?)まで行政府に渡してしまっており、国会が形骸化していると批判しました。またこのような状況を是正するために、野党がしっかりと連携していく必要性があると述べました。
 
共産・小池書記局長は、入管法が異例のスケジュールで衆議院通過から間もなく、参議院に送られたことについて、「首相が外遊することに合わせて、国会の日程を決めるというのは、まさに国会が政府の下請け機関になるということ」だと指摘しました。野党共闘については、入管法や、沖縄県知事選、改憲への対応などにおいて、野党の結束が高まってきたことを踏まえた上で、今後、選挙での本気の共闘にどうつなげていくのかが課題になっていると述べました。
 
社民・吉川幹事長は、入管法カジノ法の20時間よりも短い審議時間で参議院に送られたことを批判しました。また安倍政権の答弁などにおいて、「言葉がどんどん壊されていく」ことについての危機感を表明。その上で、「とにかく暴走を止めるために国会の残りの期間も、しっかりと共闘を深めていかなければならない」と訴えました。
 
自由・森幹事長は、前任の自由党幹事長である玉城デニー氏が立候補した沖縄県知事選での支援について感謝の意を示した上で、県民の思いを無視する安倍政権を批判しました。また外国人技能実習生への待遇の酷さ、また開示された調査票のコピーが許されないという事態などを挙げながら入管法をめぐる動きを「異常な事態」と評しました。さらに水道法や漁業法の改正も強行に推し進められていることに危機感を表明した上で、「絶望せずに何とか野党は共闘して頑張りたい」と語りました。
 
無所属の会・大串幹事長は、「無所属の会」として活動していることについて、「野党が今、別れた状況にある。しかし敵はただ一つ、安倍政権を倒していくこと。それは市民の皆さんと思いは一つ。これを成し遂げていくために無所属の立場からみんなまとまって頑張っていこうという声をかけやすい立場をとりながらやっていこう」という立場であることを述べました。また、安倍政権は国会の形骸化のために進化を遂げていると指摘し、その特徴として、強行採決と多くの法案を束ねて提出すること、中身のない法案を挙げました。その上で、野党共闘体制をつくっていくためには、国会での共闘が重要だとし、努力していく姿勢を示しました。
 
立憲・福山幹事長は、入管法について、これまでの法案と比べても短い時間で強行採決に至ったことを、「議院内閣制と議会の審議という国会のチェック機能を形骸化するもの」と指摘。また11月16日に国民民主党も含めた形では初となる野党と市民連合との意見交換会が実施され、さらに今回各党・会派の幹事長・書記局長が揃ってシンポジウムで揃ったことについて好意的に受け止めていることを述べました。
 
各党・会派からの発言を受けて、コーディネーターの諏訪原から、SNSでの意見を参考に質問が行われました。まずは国民民主党に対して、希望の党以来の経緯や働き方改革の審議における付帯決議などについて、市民の間に大きな不信感があることを踏まえて、国民民主党の野党協力の本気度を今一度示してほしいと投げかけました。
 
これに対し、国民・平野幹事長は、「我々が野党共闘したらこんな国にしていきますということをもっと明確に発信をしていかなくてはならない。こういう立場で、政党の違いだけを言うのではなくて、小さなことでも共通化し、市民連合の皆さんとともに闘える環境をどう作っていくかということが一番大事なことだと思っております」と述べた。
 
次に諏訪原からは、切迫した政治状況の中でシンポジウムではなく、街頭に出て訴えていくなどの取り組みをすべきではないかといった声を踏まえた上で、今後市民と連携しながら臨時国会において取り組む決意があるかについて問いました。
 
これに対し、立憲・福山幹事長は、「(安保法制の審議の際に、)国民の皆さんに背中を押されて我々は闘い切らなければいけないという気持ちになりました。私はあの時に、国会と国民は、これほど国会の内と外で繋がったことはありませんと申し上げました。我々も国会で頑張りますから、国民の皆さんにもそういう熱気で来年の夏の参議院選挙に向けて闘いはもう始まっているという状況の中でお力添えをいただければありがたいと思います」と訴えました。
 
さらにこの質問に対し、社民・吉川幹事長は、沖縄県知事選が「政府 対 県民」の構図になったと指摘し、「我々はしっかりと皆さんと一緒にタッグを組んで闘って行く」との決意を述べました。
 
ここで第1部は時間になったため、終了となりました。その後、ステージでは3000万人署名の政党への受け渡しが行われ、第2部「野党と市民で参院選をどう闘うのか」に議論は移ることになりました。コーディネーターは、山口二郎と馬場ゆきのが務めました。
 
まずコーディネーターの山口から「野党と市民は参院選に向けてどう闘うのか」について、「共闘」の選挙で結果も出している新潟選挙区の自由・森幹事長から意見を聞きたいと投げかけました。
 
自由・森幹事長は、過去の選挙を振り返りつつ、共闘の体裁を作り候補者を統一しただけでは勝つことはできず、各党でお互いの違いを認め合い、それを乗り越えた上で安倍政権にかわるビジョンと争点を明確に示し、勝利のために力を合わせる『本気の野党共闘』が必要であると訴えました。
 
次に、山口から「来年の参院選における協力の決意と安倍政治を倒すためにどういう争点でどう闘うか」について問いかけがありました。
 
問いに対し、立憲・福山幹事長は、来年の参院選では1人区における野党協力が必要性(※金原注 おそらく「必要」)であると改めて訴えました。また、政党が違うため政策に違いがあるのは当然であるが、(お互いが協力できるところで)具体的には安保法制、原発ゼロ基本法、沖縄、について共通した政策で闘いたいと考えていると述べました。
 
国民・平野幹事長は、小異を捨てて、なぜ協力するのかを共有化することの重要性を語り、「衆参2/3を取られていることをとにかく解消しなければなりません。1人区の過半数以上を取ることで変わります。」と訴えました。
 
共産・小池書記局長は、沖縄県知事選の勝因の一つは辺野古新基地建設反対という明確な旗を揚げ、本気の野党共闘が行われたことであると分析。本気の共闘のためには魅力的な共通政策が必要であるとし、原点である立憲主義の回復、安保法制の廃止、経済問題も含めて豊かなものを作りたいと述べました。野党間の協力については、一人区一本化で闘うということを何らかの形で確認し、その上で具体的な議論に入って行く時期に来ていると述べました。
 
社民・吉川幹事長は、来年の参院選を「安倍政権の暴走を止める大きな闘いになる」とした上で、一本化するだけではなく、共通政策を作りながら市民が大きな力として加わる闘いを作る必要があると述べました。政策は、憲法の問題、暮らしの問題、富の再分配について共通政策としていきたいと述べ、「社民党は大変小さな政党ではありますがしっかりと野党共闘の中でみんなの意見をそれぞれ出し合いながら共闘体制を作っていきたいというふうに考えております。」と共闘の決意を述べました。
 
無所属の会・大串幹事長は、全国選挙である参院選は大きなうねりを全国的に作り、投票率をあげること鍵であると指摘。32の一人区で一本化し、「野党が勝つかもしれない」と国民が期待するようなうねりを作る必要があると述べました。一人区一本化を行い、「ねじれができるかもしれない」と国民が期待するところまで持っていくと決意を述べました。
 
続いて、馬場から選対に市民が入れるようなスペースをつくって欲しいと要望を出し、市民参加型選挙について問いかけがありました。
 
立憲・福山幹事長は、ご自身の選挙の経験より、市民がポスティング、ビラ配りなどに参加する機運が盛り上がる選挙を強い選挙であると指摘。市民の人に応援したいと思ってもらえるような空気や、あらゆる人が選挙に関わって盛り上がっている空気を意識的に候補者、選対、市民で作っていきたいと述べました。
 
自由・森幹事長は、若い人たちの新しい動き(選対の飾り付け、キッズスペースの設置)があらゆる人が参加しやすい空気を作り出した新潟の例を挙げ、真面目にやることも大事だが、意識的に新しいことやかっこいいことを行い、あらゆる人が参加できるように努力していきたいと述べ、「ぜひ市民の皆さんにはご活躍をいただきたいと思います。」と訴えました。
 
共産・小池書記局長は、市民と闘う選挙にしなければならない一方で、政党は政党の責任で政党間での合意をやっていかないといけないと述べました。
 
ここで、自由・森幹事長より、来年夏に迫った参院選に向けて野党の候補の一本化、あるいはどう闘っていくのかについて、野党第一党を中心に具体的に話を進めたいと要望がありました。
 
これを受け、立憲・福山幹事長は、『一本化を進める』ことは昨年冬から言い続けていることを主張。候補者を下ろすのは、候補者個人にも事情があり説得の材料も必要なため政党間の調整は容易ではなく、候補者がいればいるほど、時間がかかることを述べました。一方で、今このようにして話ができていることが重要であると述べ、「一人区一本化の努力は野党第一党として惜しむつもりはありません。」と一本化に向けて努力していく姿勢を示しました。
 
無所属・大串幹事長は、候補の影も形もない県が多くある現状を述べ、「我々も共闘の体制を作れるように一生懸命やります。一方で、全国の市民連合の皆さんにもお手伝いいただいて、候補者探しを一緒にしていただきたいです。」と訴えました。
 
国民・平野幹事長は、「今日会場に来られている方々は、政党の動き等々見られてイライラしているのだろうというふうに思います。そのことを十分に汲み取って、皆さんの思いを我々政党がしっかりと受け止め、一歩前、二歩前へと進めていきます。」と市民の思いを受け止め、野党協力を前に進めていく姿勢を示しました。
 
共産・小池書記局長は、たくさんの方が会場に来られ、ネット中継がされている中、各党の幹事長が一堂に会し「一人区一本化」と話したのは初めてであり大きな一歩であると評価した上で、これから急いで具体化していかなければならないと述べました。
 
さらに、馬場から、野党が来年の参院選で掲げるべきスローガンについて問いかけがありました。
 
無所属の会・大串幹事長は、「大企業、強い者優先の安倍政権か、生活の野党か。」と述べました。
 
自由・森幹事長「今だけ、金だけ、自分だけ、安倍総理のお友達だけ、じゃなく、やっぱり『国民の生活が第一』」。過去の選挙から「生活に密着した政策」をわかりやすく争点として掲げるべきであると述べました。
 
社民・吉川幹事長は、「暮らし」を中心に考えるべきであり、利益を専横できる今のシステムをかえて、国民の暮らしを立て直していくことが一番大きな課題であると述べました。
 
共産・小池書記局長は、「共闘の一丁目一番地は、立憲主義の回復、戦争法・安保法制廃止。暮らし、社会保障、雇用の建て直し、消費税10%ストップさせる。さらに、個人の尊厳を否定する差別の政治をやめさせる。そして、嘘のないあたりまえの政治をつくる。」と述べました。
 
国民・平野幹事長は、「国民生活を守る。そして、命を守る。人権がしっかりと守られ安心して暮らせる日本にする。」と述べました。
 
立憲・福山幹事長は、「まっとうな政治に取り戻す。そして、立憲主義を取り戻す。多様性を大切にする状況を取り戻す。来年の消費税増税ストップ。災害の多い日本で水道民営化を行うのは命を売るようなことでありそのようなことをする政権にはいい加減退出していただきましょうということを強く言うことが使命だと思います。」と述べました。
 
最後に、山口二郎より閉会の言葉が述べられました。今回のシンポジウムについて、野党の幹事長、書記局長が一堂に会し、一緒に闘うという方向性をはっきり共有できたということは大きな意味があったと評価。命、人権、そして立憲主義、安保法制の廃止、いくつか大事なキーワードが出た政策の柱、争点についてもこれから議論を尽くし、安倍政権にかわる選択肢に希望を持ち、来年の政治に立ち向かいたいと述べました。さらに、「引き続き、野党の皆さんの努力と奮闘を期待し、また市民の皆さんとともに政治の選択肢をつくっていくという決意を改めて固めたいというふうに思います。」と市民と野党の共闘を進めていく決意を述べ、シンポジウムは終了いたしました。
(引用終わり)
 
(付録)
Dvořák: Symphony No. 9, Toscanini & NBCso (1953) ドヴォルザーク 交響曲第9番新世界よりトスカニーニ(37分)
アントニン・レオポルトドヴォルザーク 交響曲第9番 ホ短調 作品95「新世界より
録音:1953年2月2日

憲法ソング「わたしのねがい」(日弁連・憲法詩(ポエム)大賞受賞作+谷川賢作)をDiVaの演奏で聴く

 2018年12月29日配信(予定)のメルマガ金原No.3376を転載します。
 
憲法ソング「わたしのねがい」(日弁連憲法詩(ポエム)大賞受賞作+谷川賢作)をDiVaの演奏で聴く
 
 私のブログでも、過去3回にわたって取り上げてきた、日本弁護士連合会が募集していた「憲法を詩おう♪コンテスト~あなたの思いをメロディに乗せて~【憲法詩(ポエム)募集】については、既に入賞作品も発表され、「大賞」受賞作に谷川賢作さんが作曲した「憲法ソング」が、12月1日にサントリーホール・小ホール(ブルーローズ)で行われた表彰式で初披露もされていたのですが、何しろその演奏自体を聴く手立てがなかったため、今までご紹介を差し控えていました。
 
 そして、ようやく年末(12月26日)になって、日本弁護士連合会WEBサイトに、大賞曲「わたしのねがい」が、現代詩を歌うバンドとして知られる「DiVa」(ディーヴァ)によってライブ演奏(12月1日)された動画が公開されました。
 
憲法ソング「わたしのねがい」|日弁連|(3分43秒)
作詞 尾池 ひかり
作曲 谷川 賢作
演奏 DiVa 
    高瀬 麻里子(Vo)、谷川 賢作(Pf)、大坪 寛彦(B)
 
 また、以下の音声データや楽譜もアップされています。
 
憲法ソング「わたしのねがい」レコーディング版|日弁連|(4分08秒)
※この音声データを、権利者の許諾を得ずに、ダウンロード・複製することを禁じます。(日本弁護士連合会)
 
「わたしのねがい」楽譜(PDF)
 
 尾池ひかりさんによる歌詞(【憲法詩(ポエム)募集】大賞受賞作品)は、上記日弁連サイト、あるいは楽譜などでも読めますが、著作権への配慮から、引用は控えておきますので、直接、日弁連サイトでお読みください。
 大賞を受賞した尾池ひかりさんの作品だけではなく、3部門それぞれの入賞、入選作品がPDFファイルとして全作品掲載されていますので、是非お読みください。
 
小学生以下の部        
作品はこちら(PDFファイル;63KB)
金賞★大賞★ 尾池 ひかり さん 7歳 (茨城県
銀賞 熊谷 悠 さん 8歳 (東京都)
銅賞 遠藤 ソン 詩羽 さん 6歳 (東京都)
入選 人見 咲菜 さん 6歳 (神奈川県)
入選 矢野 綾 さん 10歳 (東京都)
 
中学生・高校生の部
作品はこちら(PDFファイル;133KB)
金賞 大橋 宗馬 さん 15歳 (東京都)
銀賞 大橋 力丸 さん 14歳 (東京都)
銅賞 尾﨑 優香 さん 14歳 (宮崎県)
入選 山本 衡 さん 16歳 (東京都)
入選 井上 寧々 さん 14歳 (宮崎県)
入選 猪股 葵唯 さん 14歳 (宮崎県)
入選 薬袋 吹喜音 さん 15歳 (神奈川県)
 
大学生・社会人の部
作品はこちら(PDFファイル;147KB)
金賞 坂巻 克巳 さん 71歳 (東京都)
銀賞 仁平 美枝 さん 54歳 (東京都)
銅賞 大矢 道子 さん 80歳 (埼玉県)
入選 仁平 美枝 さん 54歳 (東京都)
入選 奥村 光雄 さん 79歳 (京都府
入選 上村 隆 さん 64歳 (東京都)
入選 清水 邦夫 さん 55歳 (広島県
入選 小館 ゆりか さん 31歳 (神奈川県)
 
 実は、以上の入賞・入選作全作品の他に、大賞曲「わたしのねがい」の楽譜、審査員講評(湯川れい子さん、谷川賢作さん、覚和歌子さん、アーサー・ビナードさん、青井未帆さん)、演奏者(DiVa)プロフィールまで載った詩集が作られたのですね。そのPDF版(52頁)がやはり日弁連サイトにアップされています。
 
日本国憲法企画「憲法を詩おう!コンテスト」~あなたの思いをメロディーに乗せて~入賞作品詩集
 
 この種のコンテストの講評を読んで、「歌にすることを考えて書いてくださいとお願いしなければいけなかったんですね。」「テーマが憲法ということが堅すぎて、なかなかそういう鮮烈な言葉というのも見当たらなかったような気がします。ちょっと残念でした。」(湯川さん)、「非常に難しい仕事でした。でも、我々の書いてくださいという提示の仕方も少しまずかったのかなということもありますので、そこも考え直さなければいけないかなと思いました。」(谷川さん)、「企画の内容、告知の方法を決める段階から専門家を絡ませていただいていたら、公募作品全体の質はもう少し底上げされていたでしょう。その点で審査員の中には「選べるものがない」と言われる方もいらしたほどです。」「全体的に審査員が想定していた「決まり文句」の領域を大きく出ることはなかったという印象です」(覚さん)、「次回、こういう趣旨で詩を募集することがあったら、まずその審査員にやらせてみて、それを踏まえた上で選ぶっていうのがいい流れになると思います。それが反省点ですね。ありがとうございました。」(ビナードさん)、「今回、うまく詩にできた方も、なかなかうまくできなかったという方も、<憲法ってそもそもなんなのだろう>、<私たちとどう関係するのかな>と、よくお考えになったことでしょう。実はそれが、憲法の謳う自由や権利を生き生きしたものにする「不断の努力」(憲法12条)に他なりません。ご応募ありがとうございました。」(青井さん)などという言葉にお目にかかることなどめったにありません。青井さんは、苦言の方は残る4人に任せ、「憲法の観点」から検討した所感を述べられているのですが、その到達点が「不断の努力」(憲法12条)ですからね。
 これを読むだけでも、入賞作品を選ぶための審査会の光景が目に浮かぶようです。日弁連の企画担当者でなくて本当に良かったとしみじみ思いました。
 
 たしかに審査員の皆さんがおっしゃることは一々ごもっともで、企画自体に無理があったということでしょう。
 ただ、ではどうすのが良かったのか?と考えると、これは難しいですね。突飛なアイデアのように見えて、実はアーサー・ビナードさんのご提案(審査員にまず実作させる)が一番良いのかもしれません。もっとも、講評から考えて、青井さんは「私だったら・・・できないと思います」と審査員自体を降りてしまうでしょうし、審査員を引き受けてくれる人がはたしているかが問題ですが。
 しかしながら、「成功」よりも「失敗」からこそ貴重な教訓を得ることができるはずですから、日弁連は得難い経験を積んだとも言える訳で、次の「憲法」企画にその「教訓」が反映されることを期待したいと思います。
 
 ・・・などと書いたことと、今回の応募作品や入賞作品の「仕上がり」はまた別の問題で、それは個々の作品ごとに読む者が評価すべきことです。
 また、作曲された大賞作品「わたしのねがい」については、DiVaの高瀬麻里子さんの素晴らしく言葉が粒立って迫ってくる歌唱のせいもあり、とても印象的な曲になったと思います。
 子どもたちが声を揃えて歌えるような曲でないのは、まあ、詩の内容から考えて仕方がないでしょうしね。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/「憲法ポエム」「憲法ソング」関連)
2018年6月11日
日弁連憲法を詩おう♪コンテスト~あなたの思いをメロディに乗せて~【憲法詩(ポエム)募集(5月14日~9月7日)】」のご案内
2018年8月2日
日弁連日本国憲法企画>「夏休み憲法教室 中山加奈子さん(プリンセス プリンセス)と一緒に憲法を詩いましょう♪」のご紹介
2018年8月31日
締切(9月7日)迫る!日弁連憲法を詩おう♪コンテスト~あなたの思いをメロディに乗せて」

「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する立法措置について(基本方針案)」に対する弁護団コメント、朝日社説、日弁連意見書のご紹介

 2018年12月28日配信(予定)のメルマガ金原No.3375を転載します。
 
「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する立法措置について(基本方針案)」に対する弁護団コメント、朝日社説、日弁連意見書のご紹介
 
 去る12月4日、参議院議員会館において、「優生保護法 被害者の声を聞く院内集会」(主催:優生手術に対する謝罪を求める会・全国優生保護法被害弁護団)が開かれ、私もUPLANチャンネルの動画にリンクして、その模様をブログでご紹介しました(優生保護法 被害者の声を聞く院内集会(2018年12月4日)から~「被害者・家族の会 声明」をご紹介します/2018年12月6日)。
  もっとも、間もなくこの動画が削除されてしまったため、今では視聴することができません。被害者の方の映像は撮影しない等の配慮はなされていましたが、何らかの事情による削除要請があったのでしょう。デリケートな内容なので、やむを得ないことかもしれません。
 
 ところで、この院内集会が行われた6日後の12月10日に大きな動きがありました。
 与党旧優生保護法に関するワーキングチームと優生保護法下における強制不妊手術について考える議員連盟とが、それまでそれぞれが検討してきた優生保護法に基づく被害者の被害回復に向けた検討結果を一本化した「基本方針案」を発表し、来年の通常国会に法案
を提出する方針であることを明らかにしたのです。
 
 今日ご紹介しようと思うのは、この「基本方針案」に対して寄せられた様々な意見のほんの一端だと思いますが、何を言うにも、まずその一本化された「基本方針案」自体を読んで自分自身で考えるということをした上でないと、批判にせよ賛同意見にせよ、しっかりと腑に落ちるという訳にはいきません。
 そこで、この「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する立法措置について(基本方針案)」がネット上にアップされていないかと調べてみたところ、「精神障害者権利主張センター・絆」WEBサイトに転載されており、
さらに、「認定NPO法人 DPI日本会議」WEBサイトにワードファイルとしてアップされているのを発見しました(「旧優生保護法下の強制不妊手術被害に関する11月・12月の主な動き」というページからワードファイルを開けることができます)。
 そこで、まずこの「基本方針案」を全文ご紹介しますので、しっかり読んでいただければと思います(ワード版をそのまま転載しました)。
 
(引用開始)
優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する立法措置について(基本方針案)
 
1 前文
(1)昭和23年に制定された優生保護法に基づき、あるいは同法の存在を背景として、特定の疾病や障害を有すること等を理由として多くの方々が、平成8年に改正が行われるまでの間、その生殖を不能とする手術や放射線の照射を強いられ、心身に多大な苦痛を受けてきたことに対して、我々は、真摯に反省し、心から深くおわびする。
(2)今後、このような事態を二度と繰り返すことのないよう、障害や疾病の有無によって分け隔てられることなく全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて努力を尽くす決意を新たにするものである。
(3)ここに、国としてこの問題に今後誠実に対応していく立場にあることを深く自覚し、対象者に対する一時金の支給に関し必要な事項を定めるため、この法律を制定する。
 
2 対象者
次に掲げる者であって、この法律の施行の日において生存しているもの
①旧優生保護法第2章の規定により優生手術(同法第2条第1項に規定する優生手術をいう。)を受けた者(同法第3条第1項第4号又は第5号に規定する者に該当することのみを理由として、同項の規定により優生手術を受けた者を除く。)
②①のほか、旧優生保護法が施行されている間(昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間)に、本人又は配偶者が旧優生保護法に規定する疾病若しくは障害又は当該障害以外の障害を有していること等を理由として、生殖を不能とすることを目的とする手術又は放射線の照射を受けた者
 
3 一時金の支給
(1)対象者には、一時金を支給する。一時金の額は、一律とする。
[※一時金の具体的な額は、諸外国の例も参考に引き続き検討し、法律案を提出するまでの間に決定する。]
(2)対象者が、4(1)の一時金の請求をした後に死亡した場合であって、その者が受けるべき一時金があるときは、その者の配偶者等で死亡時に生計同一であった遺族に支給し、遺族がないときは相続人に支給する。
 
4 権利の認定
(1)一時金の支給を受ける権利の認定は、これを受けようとする者の請求に基づいて、厚生労働大臣が行う。
(2)厚生労働大臣の認定を受けようとする者は、その居住地の都道府県知事を経由して請求を行うことができる。
(3)請求は、この法律の施行の日から起算して5年以内に行わなければならない。この請求期限については、この法律の施行後における一時金の支給の請求の状況を勘案し、必要に応じ、検討が加えられるものとする。
(4)厚生労働大臣は、請求があったときは、優生手術に関する記録に当該請求に係る事実の記録がある場合を除き、当該事実があったかどうかに関し旧優生保護法一時金支給認定審査会〔仮称〕(以下「認定審査会」という。)に審査を求めなければならない。
(5)認定審査会は、厚生労働省に置かれるものとし、医学、.法律学、障害者福祉等に関する専門的知識を有する者で構成する。
(6)認定審査会は、(4)の審査において、請求に係る事実について記録した資料がない場合においても、本人及び関係者の供述、医師の所見その他の資料を総合的に勘案して、適切な判断を行うものとする。
[※参考とする資料の例
・本人及び家族の証言
・処置をした医師、福祉施設職員その他の関係者の証言
・手術痕等についての医師の診断書
不妊手術等を受けたとする時期に請求者が旧優生保護法に規定する疾病に罹患し、又は障害を有していたことを示す資料]
(7)厚生労働大臣は、(4)により認定審査会に審査を求めた請求については、その審査の結果に基づき、認定に関する処分を行わなければならない。
(8)厚生労働大臣及び認定審査会並びに都道府県知事は、必要があると認めるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
(9)認定審査会は、必要があると認めるときは、請求者に対して、指定する医師の診断を受けるよう求めることができる。
 
5 周知等
(1)国は、この法律の趣旨について、広報活動等を通じて国民に周知を図り、その理解を得るよう努めるものとする。
(2)国及び地方公共団体は、国民に対し二時金(※金原注:おそらく「一時金」の誤記)の支給を受けるのに必要な情報を十分かつ速やかに提供するために一時金の支給に関する制度の周知を適切に行うとともに、一時金の支給の請求に関し利便を図るための相談支援の業務その他の必要な措置を適切に講ずるものとする。この場合において、対象者の多くが障害者であることを踏まえ、障害者支援施設その他の関係者の協力を得るとともに、障害の特性に十分に配慮するものとする。
[※具体的な周知等の措置のイメージ
障害福祉サービスの認定、障害者手帳の更新等の行政手続の機会を利用したきめ細やかな案内
・行政による相談窓口の設置
弁護士会、医療関係者等の幅広い関係者の協力を得た相談支援の実施
・広報用ポスター・パンフレットの活用
医療機関、障害者支援施設等を通じての申請の呼びかけ]
 
6 その他
一時金については、公租公課を課することができない。
[※優生手術等に関する調査の在り方については、法律案を提出するまでの間に検討する]
(引用終わり)
 
 これをとにかく読んで自ら考えた上で、様々な団体等の意見に耳を傾けてみたいと思います。
 
 早くも「基本方針案」が発表された翌日(12月11日)には、全国優生保護法被害弁護団によるコメントが発表されていますので、全文をご紹介します。
 
「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する立法措置について(基本方針案)」に関する弁護団コメント
(引用開始)
1 与党旧優生保護法に関するワーキングチーム(以下「与党ワーキングチーム」という。)と優生保護法下における強制不妊手術について考える議員連盟(以下「議連」という。)は,2018年12月10日,それぞれが検討してきた優生保護法に基づく被害者の被害回復に向けた検討結果を一本化した「基本方針案」を発表し,来年の通常国会へ法案を提出する方針を発表した。
 被害者の被害を回復する法律の制定は,本来であれば1996年の母体保護法への改正時に検討されるべきことであり,遅きに失するものではあるが,裁判などによって優生保護法による重大な人権侵害事実が表面化したことをきっかけに,与党ワーキングチーム及び議連が結成され,それぞれに被害回復に向けた検討が重ねられたこと,当弁護団や障害者団体等の意見を踏まえて意見を一本化したことなど,被害回復法案の制定に向けて前進していることには敬意を表するものである。
 しかしながら,今般まとめられた基本方針案については,重要な部分において,弁護団がこれまで表明してきた意見が反映されていない部分もあり,不十分な点もある。
 
2 まず,基本方針案には被害者への「反省とおわび」が盛り込まれているが,その主体
が「我々」では,「国」が立法,行政の誤りを謝罪したことにならず,不十分といわざる
をえない。
 基本方針案は,優生保護法が国会の全会一致で成立し,被害が長らく見過ごされたことを踏まえ,国民全体による謝罪と位置付けているようであるが,国が違憲な法律を制定し,その法律に基づき,施策として重大な人権侵害を行ってきたことに鑑みれば,主体は「国」となるべきである。
 重大な人権侵害を行ってきた国としての責任を明確にすることは,優生思想を正当化した法律によって名誉及び尊厳が著しく損なわれたという点でも甚大な被害を受けている被害者にとって,謝罪の前提条件であり,被害回復の基礎となるものである。国は,法律によって,憲法に違反する著しい人権侵害が行われたことを認めたうえで,真摯な謝罪をするべきである。
 
3 補償対象者を優生手術等による被害者本人及び請求した後の一定の遺族に限るとした点については,配偶者,法施行前に被害者(手術を受けた者)が死亡している遺族や人工妊娠中絶に基づく被害者も含めて検討すべきである。
 
4 また,被害認定は,認定審査会の審査の上,厚生労働大臣によるとのことであるが,
被害者は,長年,厚生労働省に被害の訴えを無視し続けられており,厳しい不信感を有している。
 2018年12月4日付議連宛要望書に記載した組織,構成等を参考に,被害者にさらなる被害を生じさせたり,大きな負担を負わせることのないよう検討をすべきである。
 
5 次に,基本方針案が,被害者の速やかな救済のため,被害者が居住する都道府県に申
請することとし,弁護士の相談支援体制も含む周知等の配慮を行うこととした点,法律に国及び自治体が必要な調査及び個別の被害者への通知を行うための権限規定を新たに設けることとした点については,評価できる。
これまでも再三指摘したとおり,被害者は,自ら意思表明することが困難な者も少なくないことから,手術記録の確認や救済策の周知,広報などだけでは不十分であり,漏れなく全ての被害者の被害回復を実効的に進めるためには,周知措置のみならず,国及び自治体の責任において全ての被害者の現況調査を行うことが必要である。
そして,被害者が優生手術に関する記録開示請求や補償請求を心理的抵抗感なく行えるような仕組みを作り,一人でも多くの被害者に,国の謝罪と補償が届く方策について,今後も検討を重ねるべきである。
 
6 真相究明等のための検証委員会を設置することが基本方針案に明記されないことは遺
憾である。
 国が積極的に,優生思想を打破・根絶するための継続的な啓発活動や障害のある人に対する差別をなくすための施策を推進することは,我が国が批准している障害者権利条約上の義務でもあり,真の意味の被害回復の観点からも必要不可欠である。
 
7 優生手術等による被害者は,重大な人権侵害を受けながら長年放置され続けたのであ
るから,早急に,被害回復に向けた法律制定がなされるべきことは当然である。
 しかし,上記のとおり,現在検討されている基本方針案は,被害者の真の被害回復のためには重要な点において不十分であるといわざるを得ず,当弁護団は,国としての責任を自覚した,さらなる検討がなされることを期待する。
                                                                             以上
 
                       2018年12月11日
                       全国優生保護法被害弁護団
                        共同代表 新 里 宏 二
                        同     西 村 武 彦
(引用終わり)
 
 また、4日後(12月14日)に、「基本方針案」を社説で取り上げたのが朝日新聞でした。
 
朝日新聞  2018年12月14日 社説
優生手術救済 検証と謝罪が問われる
(抜粋引用開始)
 まだ課題が山積みだ。救済制度のあり方だけでなく、過去の検証と謝罪が問われている。
 旧優生保護法のもと、障害のある人たちが不妊手術を強いられた問題で、与党のワーキングチーム(WT)と超党派議員連盟が救済法案に関する基本方針をまとめた。
 被害者の請求に基づき、一律の一時金を支給する。制度を周知するため、障害者手帳の更新時に案内したり、医療機関福祉施設から申請を呼びかけてもらったりすることが示された。
 個別の通知は見送られた。手術について周りに知られたくない人もいて、郵便などで知らせると混乱しかねないという。
(略)
 救済法案では前文で、被害者が受けた心身の多大な苦痛に触れつつ「我々は、真摯(しんし)に反省し、心から深くおわびする」とうたうことになった。
 「我々」とは誰なのか。与党WT座長の田村憲久衆院議員(自民)は「政府と国会が含まれる。広くは地方自治体、優生思想という風潮があったことからすると社会も含まれるかもしれない」と説明する。旧優生保護法議員立法で成立し、政府の方針に従って自治体が競うように手術を推進した経緯を踏まえた発言だろう。
 人権を踏みにじる政策がなぜ立案され、歯止めがかからないまま2万5千人もの人に優生手術が行われてしまったのか。その過程と責任の所在を明らかにする検証作業が欠かせない。
 基本方針は「調査のあり方について法案の国会への提出までに検討する」と触れただけだ。過ちを二度と繰り返さないためにも、早急に検証態勢を整えるべきだ。
 被害者側は国による謝罪を求めている。その思いにこたえなければならない。
(引用終わり)
 
 12月20日付で、日本弁護士連合会が「旧優生保護法下における優生手術及び人工妊娠中絶等に対する補償立法措置に関する意見書」をとりまとめています。
 今日、日弁連から届いた「NICHIBENREN News」によると、12月20日に開かれた日弁連理事会で承認を得たということのようです。
 ということは、まさか12月10日から起案を始めたはずはなく、かねてから準備していたものを、12月10日の「基本方針案」の発表をうけて微修正したに違いありません。 ただ、これを全文転載するのは、いかにも長過ぎるので、是非リンク先で全文をお読みいただきたいとお願いしつつ、ここでは前文と「第1 意見の趣旨」のみ引用し、「第2 意見の理由」は省略します。
 
日本弁護士連合会 2018年12月20日
優生保護法下における優生手術及び人工妊娠中絶等に対する補償立法措置に関する意見書
(抜粋引用開始)
優生保護法下における優生手術及び人工妊娠中絶等に対する補償立法措置に関する意見書
                                            2018年(平成30年)12月20日
                                                                日本弁護士連合会
 
 当連合会は,2017年2月16日付けで,「旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶に対する補償等の適切な措置を求める意見書」を発出した。
 以降,2018年1月に仙台地方裁判所において強制不妊手術に関する国家賠償請求訴訟が提起されたことを契機として,旧優生保護法による被害に対する補償を求める動きが全国的に広まった。
 こうした動きを受け,同年3月には与党旧優生保護法に関するワーキングチーム及び優生保護法下における強制不妊手術について考える議員連盟が結成され,同年12月10日,双方の合意により,「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する立法措置について(基本方針案)」(以下「基本方針案」という。)が公表された。
 そこで,当連合会は,旧優生保護法下における優生手術及び人工妊娠中絶等の被害に対する補償立法措置の在り方について次のとおり意見を述べるとともに,基本方針案を修正すべき点について付言する。
 
第1 意見の趣旨
1 国は,旧優生保護法が,自己決定権,リプロダクティブ・ヘルス/ライツ及び平等権を侵害する違憲な法律であったことを認め,同法下において実施された優生手術及び人工妊娠中絶等の被害者に対して謝罪すべきである。
2 補償の対象となる手術には,同意のない優生手術だけでなく,同意のある優生手術及び人工妊娠中絶も含めるべきであり,法を逸脱した術式の不妊手術及び放射線照射が行われた場合も補償対象とすべきである。
3 被害者本人が補償請求権を行使することなく死亡した場合には,少なくとも,同人の死亡当時に生計を同じくしていた一定範囲の遺族に補償請求権の行使を認めるべきである。
4 被害の認定に当たっては,手術記録の有無や特定の証拠の有無に拘泥することなく,被害者及び関係者の陳述等を積極的に考慮して柔軟な認定を行うべきである。
5 被害の認定機関は,独立性が担保された第三者機関とすべきであり,認定機関の構成委員には,被害者の立場を十分に理解した障がい者団体等の関係者及び法の専門家である弁護士を参加させるべきである。
6 補償制度の広報に当たっては,被害者の有する障がいの特性に配慮した広報の仕方を工夫すべきであり,かつ,行政が把握している被害者については,被害者の現況調査を行った上で,十分にプライバシーに配慮した方法での個別の通知を行うべきである。
7 補償の申請期間は,申告をしにくい性質の被害であること,被害者の有する障がいの特性により補償制度の周知徹底には時間を要すること及び被害の実態調査が不十分であることに鑑み,十分な申請期間を設けるべきである。
8 被害者が被害全般及び補償申請の方法について相談できる窓口を各自治体に設置するとともに,被害者に対してカウンセリング等の支援を提供すべきである。
9 被害の実態調査及び真相究明のための検証を目的とする第三者委員会を設置し,再発防止に向け,全ての個人の存在と決定が等しく尊重される社会を実現するための継続的な取組を行うべきである。
*本意見書では,「優生手術」とは旧優生保護法3条1項1号ないし3号,4条及び12条を根拠とする優生手術を指し,「人工妊娠中絶」とは同法14条1項1号ないし3号を根拠とする人工妊娠中絶を指すものとする。すなわち,優生手術と人工妊娠中絶のいずれについても,優生思想に基づくもののみを指し,母体保護目的のものを含まない。
(引用終わり)
 
 この他にも、探せば色々な声明や意見書が発表されているのかもしれませんが、取り急ぎ、弁護団・コメント、朝日新聞・社説、日弁連・意見書をご紹介しました。
 来月には通常国会が始まりますが、与党ワーキンググループと超党派の議連が話し合ってまとめた「基本方針案」ですから、国会に法案が上程されれば、そのままほぼ全会一致で成立する公算が高いはずです。だからこそ、より良い法案にするための働きかけが今必要とされているということになります。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/旧優生保護法関連)
2018年3月28日
和歌山弁護士会など「全国一斉 旧優生保護法による不妊手術110番」(2018年3月30日)実施のお知らせ
2018年4月3日
放送予告(4/15)NNNドキュメント「57年目の告白 強制不妊 産み育てる尊厳奪われ」
2018年5月17日
和歌山弁護士会など「全国一斉 旧優生保護法による不妊手術110番」(2018年5月21日)実施のお知らせ
2018年6月4日
NHKサイトで聴きかつ読む「旧優生保護法下での強制不妊手術」&ハートネットTV:闇に埋もれた真実は(1)「私も不妊手術を受けさせられた」のご案内
2018年6月24日
和歌山弁護士会など「全国一斉 旧優生保護法による不妊手術110番」(2018年7月3日)実施のお知らせ~今度が3回目です
2018年6月27日
放送予告・「私の人生を返して下さい~旧優生保護法 国が強制した不妊手術~」(2018年7月8日@テレメンタリー
2018年7月3日
和歌山県が公表した「旧優生保護法に関連した資料等の保管状況等調査結果」(2018年7月2日)を読んで
2018年12月6日
優生保護法 被害者の声を聞く院内集会(2018年12月4日)から~「被害者・家族の会 声明」をご紹介します

和歌山弁護士会が和歌山県と「災害発生時における法律相談業務等に関する協定書」を締結~弁護士会の災害ADRに県も協力を約束

 2018年12月27日配信(予定)のメルマガ金原No.3374を転載します。
 
和歌山弁護士会和歌山県と「災害発生時における法律相談業務等に関する協定書」を締結~弁護士会の災害ADRに県も協力を約束
 
 全国各地で、地方自治体と地元弁護士会との間で、大規模災害の発生に備え、被災者のための法律相談などを迅速に実施するための協定(災害協定)を締結する動きが進んでいることは、去る12月17日に全国市長会と日本弁護士連合会が「災害時における連携協力に関する協定」を締結したことをお伝えしたブログの中でもご紹介したとおりです。
 
 さて、それからわずか9日後の昨日(12月26日)、私が所属する和歌山弁護士会が、和歌山県との間で「災害発生時における法律相談業務等に関する協定書」を締結しました。
メディアによる報道のいくつかをご紹介しておきます。
 
NHK NEWS WEB 和歌山NEWS WEB 12月26日 17時34分
県と弁護士会「災害ADR」協定
(引用開始)
 南海トラフの巨大地震などの際に住民トラブルを迅速に解決するため、和歌山県と和歌山弁護士会は裁判を行わずに問題の解決を図る「災害ADR」と呼ばれる取り組みを協力して実施することになり、26日、協定を結びました。
 26日は県庁で、仁坂知事と和歌山弁護士会の山下俊治会長が協定書を取り交わしました。「ADR」は、民事上のトラブルを裁判を行わずに弁護士などが間に入って話し合いで解決を目指す手続きで大規模な災害では、土地の境界が分からなくなるなどのトラブルが頻発すると予想されることから、復興・復旧を迅速に進めるうえでも「災害ADR」の必要性が指摘されています。
 協定では、大規模な災害が起きた際に▼県が主催する法律相談会に弁護士が無料で参加することや▼弁護士会が災害ADRを行う際は県が場所を提供することなどが定められています。
 和歌山弁護士会によりますと、都道府県と弁護士会がこうした協定を結ぶのは全国で初めてだということです。
 これについて仁坂知事は、「法律の専門家が被災者の問題の解決を進めてくれるのは心強い」と話したほか、和歌山弁護士会の山下俊治会長は、「県と協定を結べたことは大変意義深い。災害時に多くの人に利用してほしい」と話していました。
(引用終わり)
 
産経NEWS 2018.12.27 07:24
大規模災害の民事トラブル解決へ 和歌山弁護士会と県が協定
(抜粋引用開始)
 和歌山弁護士会和歌山県は26日、大規模災害に伴う民事トラブルの解決を支援する裁判外紛争解決手続き(災害ADR)に関する協定を締結した。弁護士会都道府県の災害ADR協定は全国初という。
 災害ADRは、当事者の申し立てを受け、弁護士が仲裁人となり相手方の言い分も聞いて和解による解決を目指す。裁判に比べ、時間や費用が少なく済む利点がある。
 今回の協定では、災害時に県が無料法律相談を開催する場合に弁護士会は弁護士を派遣。弁護士会が災害ADRを実施する場合は県有施設を提供するほか、必要に応じて市町村などと連携し、開催場所を確保する。避難所などで災害ADR開催も可能になるという。
 大規模災害の被災地では、不動産の賃貸借や土地の境界といったトラブルが多発する一方、双方が被災者となるケースも多く、迅速な紛争解決が早期の生活再建につながるという。
 これまで仙台市熊本市などが災害後に地元弁護士会と協定を結んで実施しているが、今回は近い将来に起こるとされる南海トラフ巨大地震への備えとして事前に協定を結んだ。
(略)
(引用終わり)
 
共同通信 2018年12月26日 / 16:10 /
災害時ADRで協定締結、和歌山
(抜粋引用開始)
 和歌山県は26日、災害時に被災家屋の瓦が落下して別の住宅を損壊するなどの近隣トラブルを想定し、裁判外紛争解決手続き(ADR)に関する協定を都道府県として初めて県弁護士会と締結した。
(略)
 和歌山県では、ADRについてのパンフレットを避難所で配布するなどして周知を図る考えだ。
(引用終わり)
 
WBS和歌山放送ニュース 2018年12月26日 20時18分
全国初・災害時のADRで和歌山県弁護士会が協定
(抜粋引用開始)
 おととし(2016年)地震の被害を受けた熊本県では、家の修繕費の負担や、賃貸物件の立ち退きを巡るトラブルなどが続出しました。
 熊本県弁護士会が、手数料が優遇される「震災ADR」を設けたところ、申し立ては130件ほどにのぼりました。
 和歌山県はこうした例を踏まえて協定を結んだもので、担当者は「裁判所が被災したり、交通網が寸断されたりする可能性もある。ADRは各地の避難所で実施できる」と利点を強調しています。
(引用終わり)
 
テレビ和歌山ニュース 2018-12-26(水) 19:05
災害ADRの協定
(抜粋引用開始)
 大規模災害が発生した際に多発することが予想される、境界紛争をはじめとする近隣トラブルの解決に役立てるための、法律相談や裁判によらない紛争解決手続き「ADR」に関する協定が、県と和歌山弁護士会との間で結ばれ、今日、その締結式が行われました。
締結式は今日、県庁知事室で行われ、仁坂知事と和歌山弁護士会の山下俊治会長が、それぞれ協定書に署名しました。
(略)
 県の県民生活課によりますとこうした協定は、熊本地震の際、被災地の一つの益城町が熊本弁護士会と結んだ協定に続いて2例目で、都道府県単位では全国で初めてだという事です。
(引用終わり)
 
 全12条の短い協定ではありますが、その意義は非常に大きいと思われます。
 第一に、発災から間を置かず、適切なタイミングで被災者のための切れ目のない法律相談体制を構築する上で、事前に自治体と弁護士会との間で協定を締結し、相互に顔の見える連携関係が出来ていることによる効果には大きなものがあるはずです。
 第二に、まず県との間で災害協定が締結できたことにより、今後、和歌山弁護士会と県下の市町村との間の災害協定締結に向けて大きな弾みがつくことが期待されます。
 そして第三に、上記に引用した記事が揃って強調するとおり、大規模災害発生時に、和歌山弁護士会が被災地で実施することが想定される災害ADRに対し、県が開催場所の確保や広報に協力すること、また、災害ADRの開催にあたり、地元市町村との連絡調整が必要な場合には、県がこれに協力することが明示されており、このような、将来の災害に備えて弁護士会災害ADRへの協力を予め明確に認めた県レベルの災害協定は、おそらく全国初だろうということです。
 
 和歌山弁護士会でこの件を担当したのは災害対策委員会(九鬼周平委員長、柳川正剛副委員長)ですが、平成27年度に発足したというまだ「若い」委員会であり、前身の災害対策マニュアル作成プロジェクトチーム時代を含めても、まだ6年余りの活動期間しか有していません。従って、まだまだ、先行して災害問題に取り組んできた他の弁護士会の経験に学びながら、手探りで方向を模索するという段階かもしれませんが、自ら被災者としての体験を有する若い正副委員長のリーダーシップの下、着実な実績を積み重ね、今回の県との災害協定締結に至ったことを、非常に喜ばしく思っています。
 などと書くと、まるで「甥の活躍に頬をゆるめる伯父さん」といった風情ですね。それだけ年をとったということでしょうが。

「九条俳句」裁判が確定~その後(弁護団声明、記者会見、さいたま市の対応など)

 2018年12月26日配信(予定)のメルマガ金原No.3373を転載します。
 
「九条俳句」裁判が確定~その後(弁護団声明、記者会見、さいたま市の対応など)
 
 今日は、4日前のブログ(「九条俳句」裁判が確定~その成果を糧として/2018年12月22日)の続報をお届けします。
 
 1つは、さいたま市、第1審原告双方からの上告及び上告受理申立がいずれも最高裁でしりぞけられたことから、東京高裁判決が確定した意義について、弁護団が昨日(12月25日)付で声明を発表しましたので、それをご紹介したいと思います。
 
Facebook:九条俳句 から
     「九条俳句不掲載損害賠償等請求事件」上告棄却決定を受けての声明
                          2018年12月25日
                          九条俳句訴訟弁護団
 2018年12月20日、最高裁判所第一小法廷は、九条俳句不掲載損害賠償等請求事件について、上告及び上告受理申立を棄却する旨の決定(以下、「本件上告棄却決定」という。)を行い、これにより、本年5月18日に東京高等裁判所第2民事部が言い渡した判決(以下、「本件控訴審判決」という。)が確定した。この結果は、不正義を許さないとして困難の中で立ち上がった原告、原告を支えた市民、研究者の皆さんの不断の努力の成果である。
 本件控訴審判決は、公民館の社会教育施設としての役割を論じた上で、公民館を利用する住民の諸活動の憲法的な位置づけを確認し、市民サークルが選定した俳句の内容に着目して不掲載とした公民館の措置は、俳句の作者の思想・信条を理由とした不公正な取り扱いであり、作者の人格的利益を違法に侵害したものであるとして損害賠償を認めたものであり、市民の自由な学習活動の実質的な保障及び民主主義の観点」から、極めて重要な判断を示した。
 本件控訴審判決が、行政が市民活動を制限する際に用いる「行政の中立性・公平性・公正性」について、「ある事柄に関して意見の対立があることを理由に、公民館がその事柄に関する意見を含む住民の学習成果をすべて本件たよりの掲載から排除することは、そのような意見を含まない他の住民の学習成果の発表行為と比較して不公正な取扱いとして許されない」と判示したことにより、当該住民の学習成果の発表内容に他の住民との間で意見の対立が存在することは、行政による制限を正当化する根拠にはならないことが明確になった。
 当弁護団及び支援者らは、さいたま市に対し、本件控訴審判決後、一貫して本件俳句の掲載を求め続けてきたが、係争中であることを理由に未だ掲載は実現されていない。
 本件控訴審判決が確定したことを受け、改めてさいたま市に対し、同判決の意義を真摯に受け止め、速やかに本件俳句を掲載し、権利侵害を受けた原告の被害回復(謝罪と名誉回復と違法状態の回復)及び責任の明確化、再発防止策の実施に努めることを求める。
 併せて、さいたま市の公民館が「市民の<声>が生きる公民館」(2015年10月さいたま市第七期公民館運営審議会提言)として再生していくために、少なくとも、市民と行政が共に考え、これを共有するために、継続的に協議を行う機会を設けることを求める。
 当弁護団は、本件控訴審判決の意義を生かす上記のような取り組みを通じて、今後も、市民が自由に学習し、集会等の表現活動を行うことのできる社会を実現するために尽力する決意である。
                                                                             以上
(引用終わり)
 
 併せて、昨日(12月25日)、多分東京高裁内の司法記者クラブでだと思うのですが、「九条俳句」市民応援団及び弁護団による合同記者会見が開かれ、その動画がUPLANチャンネルから公開されていますのでご紹介します。
 
20181225 UPLAN「九条俳句」裁判確定共同記者会見(42分)
2分~ 弁護団から
16分~ 元上智大学教授の田島泰彦さん(憲法、情報メディア法)から
23分~ 市民応援団から
26分~ 「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」作者から(音声のみ)
33分~ 質疑応答
 
 動画・写真は顔を撮影しないという条件が付されたようですが、作者の女性も記者会見に出席し、はっきりとご自分の意見を述べられていて感銘を受けました。
 
 さて、その後のさいたま市の対応ですが、東京新聞が詳しく報じてくれています。
 
東京新聞WEB版 2018年12月26日 07時00分
さいたま市、9条俳句掲載へ 作者「諦めず闘って良かった」
(抜粋引用開始)  
 憲法九条を詠んだ俳句の公民館だよりへの掲載を巡り、作者の女性(78)がさいたま市に句の掲載と損害賠償を求めた訴訟で、市の賠償を命じた判決が確定したことを受け、同市は二十五日、一転して俳句を掲載する意向を示した。判決では掲載義務はないとしたが、記者会見した細田真由美教育長は「司法判断を踏まえ、作者の気持ちに配慮した」と説明した。(藤原哲也)
 女性は「一審判決が出た直後に決断してくれればなお良かったが、小さなことでも訴えて諦めずに闘うことで結果が出たことは非常に良かった」とのコメントを出した。
 細田教育長は会見で、作者の人格的利益を侵害したとする判決確定部分について「真摯(しんし)に受け止め、謝罪する」と語った。九条俳句の掲載時期は「できるだけ早く」としている。
(略)
◆作者の意に市が配慮
<武蔵野美術大の志田陽子教授(憲法)の話> 公民館に求められる政治的中立性とは、市民がさまざまな問題意識を持ち寄れる純粋な受け皿であることだ。裁判所が人格的利益の侵害を認めた一方、掲載請求権には踏み込まなかったことは煮え切らない判断だった。さいたま市が「違法性を認められた以上、作者の意に沿うべきだ」としたことは意義深く、評価したい。
(引用終わり)            
 
 東京新聞にもコメントが掲載されている志田陽子先生は、ご自身のFacebookでも、この東京新聞の記事を紹介する投稿の中で、いくつかコメントされています。志田先生のご了解をいただきましたので、そのコメントをご紹介します。
 
(引用開始)
「これは、一人の人の個人的承認欲求の利益を満たすために俳句掲載に固執した、という理解をしてはならず、市民の手による自発的な公共文化形成に、公共の組織が水をさす采配をすべきでないという、大きな問題としてとらえるべき事例です。」
「その問題を裁判の場で扱うには、当人の人格的利益への侵害があった、それは違法だった、という論法を、お作法としてとらざるを得ない。でもこの局地線には、それにとどまらない大きな法的、社会的意味が あると思います。」
(引用終わり)
 
 以上、「九条俳句」裁判の意義を広めていくための一助となればと思い、ご紹介しました。第1審のさいたま地裁判決、控訴審の東京高裁判決については、4日前のブログ(「九条俳句」裁判が確定~その成果を糧として)でリンクしていますのでご参照ください。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/「九条俳句裁判」関連
2017年10月13日
「九条俳句」裁判、さいたま地裁が画期的判決~思想・信条を理由とした公民館誌への掲載拒否と認定
2018年5月20日
「九条俳句」東京高裁判決(2018年5月18日)と社会教育の危機
2018年12月22日
「九条俳句」裁判が確定~その成果を糧として

朝霞市で井筒高雄さんが語った「米軍と一体化する自衛隊のリアル~改憲より不平等な地位協定改定を!!」(2018年12月23日)

 2018年12月25日配信(予定)のメルマガ金原No.3372を転載します。
 
朝霞市で井筒高雄さんが語った「米軍と一体化する自衛隊のリアル~改憲より不平等な地位協定改定を!!」(2018年12月23日)
 
 大晦日まであと6日、私の今の境遇では、「クリスマス」と言われてもほとんど何も思い浮かびません。ただ「毎日配信」を続けているブログを書こうと思うと、3年前の12月25日に、民医連(和歌山県民主医療機関連合会)からのご依頼により、医科大学看護学部看護学校などに在籍する医系の学生さんたちを対象とした学習会で、「「避難の権利」を考えるための視点」というテーマでお話させていただいたことを思い出してしまいます。
 クリスマスに学習会をやろうと企画する主催者もすごいと思いましたが、それを引き受けて、結構詳しいレジュメを用意したりしたことも良い思い出です。もちろん、その日のブログはレジュメの紹介でした(他の記事を書いている時間などなかった)。
 
弁護士・金原徹雄のブログ 2015年12月25日
「避難の権利」を考えるための視点~医師、看護師を目指す学生の皆さんに語ったこと
 
 年末もこの時期になると、「年内に片付けられればいいな」と思っていた用事の大半について、「年明けでも仕方がない」という心境になるものですが、御用納めまでに何とか保釈を獲得したい刑事事件については、まだ「この限りにあらず」です。
 
 ・・・というような事情もあり、今日は、いずれ時間を作って視聴したいと考えている動画を備忘的にご紹介することにしました。
 
 埼玉県朝霞(あさか)市といえば、皆さんは何を思い出すでしょうか?私の場合、陸上自衛隊朝霞駐屯地、同訓練場以外には、残念ながら思い出すものがありません。
 もっとも、朝霞駐屯地は、「東京都練馬区、埼玉県朝霞市和光市及び新座市」にまたがって所在しているとのことで、和光市といえば、司法研修所もあるところだから、満更弁護士とも無縁ということはありません(私は、和光市移転前の「旧岩崎邸」~いわゆる湯島の司法研修所~の修了生ですが)。
 
 その朝霞市にも「あさか・九条の会」があり、去る12月23日、同会が主催して、元陸上自衛隊レンジャー隊員で、ベテランズ・フォー・ピース・ジャパン共同代表の井筒高雄さんが「元自衛隊員が語る~米軍と一体化する自衛隊のリアル~ 改憲より不平等な地位協定改定を!!」と題した講演をされました(於:朝霞市立図書館視聴覚室)。
 その講演会のノーカット動画が公開されていますので、是非視聴したいと思い(まだ視聴する時間はとれていない)、ブログに取り上げることとしました。是非、皆さまにも視聴していただきたいと思います。
 
2018.12.23 元自衛隊員が語る「改憲より不平等な地位協定改定を!!」~米軍と一体化する自衛隊のリアル~(2時間10分)
 
 ところで、井筒高雄さんは、東京地裁に提起された安保法制違憲訴訟(国賠請求の方)の原告にも名前を連ね、去る2018年5月11日、原告本人尋問のために法廷に立たれました。
 
弁護士・金原徹雄のブログ 2018年5月16日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(23)~東京・国家賠償請求訴訟(第7回口頭弁論)において3人の原告(井筒高雄さん他)と5人の代理人が語ったこと
 
 裁判後の報告集会で井筒さんも約5分間スピーチされています。
 
2018年5月11日 安保法制違憲訴訟 第7回国賠期日&報告集会(1時間51分)
29分~(34分) 井筒高雄さん
 
 最後に、井筒さんの原告本人尋問のための尋問事項が報告集会で配布された資料に掲載されていますので、これを引用しておきます。
 
(引用開始)
原告 井 筒 高 雄(元自衛官
(1)証すべき事実  
 自衛隊の特質、仕組み、戦闘能力、現場の状況、隊員の意識、他国の軍隊と比較について。
 新安保法制法の制定及び集団的自衛権行使等容認によって生じる自衛隊及び隊員の意識の変化について。 
 自衛隊員やその家族はその変化を受け入れているのかについて。
 自衛隊集団的自衛権行使等の目的で海外に派遣された場合におこることについて。
 元自衛隊員として、今の自衛隊員に対して共感を持っていることについて。
(2) 尋問事項 
1 原告の経歴
2 原告の知る自衛隊の特質、仕組み、現場の状況、隊員の意識はどのようなものか。他国の軍隊と比較してどのような特徴があるか。
3 新安保法制法の制定及び集団的自衛権行使等容認の前後で、自衛隊及び自衛隊が置かれる状況や隊員の意識にどのような変化が生じたか。
4 自衛隊員は、上記3の変化がもたらすリスクを織り込み済みで入隊したといえるか。また、自衛隊員の家族も、上記3の変化を覚悟していたといえるか。
5 自衛隊(員)の戦闘能力はどの程度か。
6 自衛隊集団的自衛権行使等の目的で海外に派遣されて帰還した場合、どのような社会問題の発生が予測されるか。また、その予測の根拠はどういったものか。
7 新安保法制法の制定前、自衛隊はどのように戦術を練り、訓練、研究を行っていたか。それは、自衛隊がこれまで一度も交戦状態に至らなかったということとどのような関係があるか。
8 原告自身の経験を踏まえると、新安保法制法の制定により(7)の点にどのような変化が生じると予想されるか。
9 原告自身は、新安保法制法の成立及び集団的自衛権行使容認等によりどのような権利ないし利益を侵害されているか。
10 その他、上記に関連する事項。
(引用終わり)

年末・年始に私が注目するTVドキュメンタリー番組あれこれ  

 2018年12月24日配信(予定)のメルマガ金原No.3371を転載します。
 
年末・年始に私が注目するTVドキュメンタリー番組あれこれ
 
 クリスマスイブといっても、ふだんの休日(今日は天皇誕生日の振替休日)と何ら変わるところはありませんが、さすがに今年もあと1週間となると、ブログの方も年末年始進行を考えなければならない時期です(雑誌の編集者から見れば一月遅れの進行でしょうが)。
 たとえば、ここ何年かは大晦日に「憲法をめぐる激動の〇〇〇〇年を和歌山の地から振り返る」を発信することにしていますが、1年分の行事について、過去のネット記事にリンクをはる作業はとても1日では終わらず、何日か前から作業をスタートする必要があります。
 
憲法をめぐる激動の2017年を和歌山の地から振り返る
憲法をめぐる激動の2016年を和歌山の地から振り返る
憲法をめぐる激動の2015年を和歌山の地から振り返る
憲法をめぐる激動の2014年を和歌山の地から振り返る
 
 また、例年、和歌山市の成人式(はたちのつどい)で「平和と憲法を守りたい市民の声」が実施している新成人アンケート、どうやら2019年も実施する方向のようなので、会員ではない「特別委嘱広報担当」としては、取材に赴いてレポートを書かねばならず、その準備として、過去のデータの確認をやっておかねばなりません。ちなみに、次の和歌山市「はたちのつどい」は、年明け1月6日(日)、昨年に引き続き和歌山県民文化会館で行われます。
 
和歌山市・新成人アンケート2018(前編)~今日は予告編
※2012年~2016年の新成人アンケートの結果をまとめて掲載しています(2017年は荒天のためアンケートは中止)。
和歌山市・新成人アンケート2018(後編)~今年は賑わっていました(結果レポート)
 
 というようなことで、何かと慌ただしいことは慌ただしい毎日なので、興味深いTVドキュメンタリー番組を見逃してしまう可能性も十分にあります。
 そこで、私がいつも注目している放送枠の年末・年始番組の中で、「これは録画しておいた方が良いのでは」と思えた番組を、いくつか備忘的に取り上げておきます(再放送を含む)。
 
NHK・Eテレ ETV特集
 
本放送 2018年12月29日(土)午後11時00分~午前0時00分
再放送 2019年1月3日(木)午前0時00分~1時00分(2日深夜)
移住 50年目の乗船名簿 第1回「アマゾンに生きた人々」
「昭和43年、南米に向かう移住者を取材した番組「乗船名簿AR29」。その後10年毎に移住者を取材した。そして50年。半世紀撮り続けた空前のドキュメンタリー。
昭和43年、一隻の船で南米各地へと渡った移住者を取材した番組「乗船名簿AR29」。ディレクター相田洋は、移住10年目、20年目、31年目と移住者を訪ね、その暮らしを見つめてきた。そして移住者たちが日本を旅立って50年が経った2018年。人々はどのような人生を歩んだのか。4回にわたり放送する。今回は第1回。半世紀をかけて制作した空前の群像ドキュメンタリーが始まる。」
 
本放送 2019年1月5日(土)午後11時00分~午前0時00分
再放送 2019年1月10日(木)午前0時00分~1時00分(9日深夜)
移住 50年目の乗船名簿 第2回「夢と希望と愛の軌跡」
「昭和43年、南米に向かう移住者を取材した番組「乗船名簿AR29」。その後10年毎に移住者を取材した。そして50年。半世紀撮り続けた空前のドキュメンタリー。
昭和43年、一隻の船で南米各地へと渡った移住者を取材した番組「乗船名簿AR29」。ディレクター相田洋は、移住10年目、20年目、31年目と移住者を訪ね、その暮らしを見つめてきた。そして移住者たちが日本を旅立って50年が経った2018年。人々はどのような人生を歩んだのか。4回にわたり放送する。第2回は、ブラジルの地に生きた人々の半世紀にわたる夢と希望と愛の軌跡を見つめる。」
 
 
NHK総合 NHKスペシャ
 
本放送 2019年1月6日(日)午後9時10分~9時59分
サグラダ・ファミリア 天才ガウディの謎に挑む
「天才建築家ガウディが残した大きな謎は解けるのか?およそ140年前から建設が続く未完の世界遺産スペイン・バルセロナサグラダ・ファミリア教会。ついに去年10月、教会の最大のシンボル・イエスの塔の建設が始まった。完成すると、サグラダ・ファミリアは世界で一番高い教会(172.5メートル60階建ての高層ビルに相当)となる。しかし、ガウディが残した建築資料はスペイン内戦で焼失。イエスの塔の壮大な構想は長年、謎に包まれてきた。その謎に挑むのは、サグラダ・ファミリアの芸術工房監督として、40年前からガウディの残した手がかりを探し、教会を作り続けてきた外尾悦郎(そとお・えつろう)さんだ。NHKでは10年前から外尾さんに密着、制作の現場を記録してきた。さらに近年発見された、6000点を越えるガウディの遺品を独占取材。宝石のように美しいガウディの実験材料からイエスの塔につながるヒントが明らかになった。また、今回は、光の芸術、石の聖書とも称されるサグラダ・ファミリアを4K高精細カメラとドローンで撮影。新年に相応しいエンターテインメントと歴史ミステリーをご覧頂く。」
 
再放送 2019年1月1日(火)午前5時10分~5時59分
秘島探検 東京ロストワールド 第1集 南硫黄島
「東京に人を全く寄せ付けない秘境「ロストワールド」がある。周囲から隔絶された環境で、まるでタイムカプセルのように貴重な命が守られている。第1集の舞台は、東京都心から南1300kmに浮かぶ絶海の孤島、南硫黄島だ。海は荒れ、四方は断崖絶壁に囲まれているため、簡単に近寄ることはできない。今回、特別の許可を得た科学調査隊が、ドローンも駆使した島の本格的な探検を初めて敢行。NHKのクルーが同行した。研究者たちは、この島が生物の進化を観察できる地球上で数少ない場所のひとつだと考えている。最大の特徴は、急激な高度差によって、熱帯から温帯までの環境が、ひとつの島の中にひしめき合うという点。島にたどり着いた生き物が、環境に応じて新しい種に進化していく姿を目の当たりに出来るというのだ。過酷な登山、大量の海鳥たちの突然の襲来。困難な調査の末、調査隊は新種を続々と発見していく。そして、生物の進化の不思議を物語る、小さな生き物に巡りあう。」
 
再放送 2019年1月2日(水)午前5時10分~5時59分
秘島探検 東京ロストワールド 第2集 孀婦(そうふ)岩
「東京に人を全く寄せ付けない秘境「ロストワールド」がある。そこは、周囲から隔絶された環境で、まるでタイムカプセルのように貴重な命が守られている。第2集の舞台は、東京都心から南へ650㎞の伊豆諸島最南端。大海原にそびえる巨大な岩の柱だ。高さ100mの断崖絶壁、東京都・孀婦岩(ソウフガン)。まるで海面から空に向けて包丁を付き立てたような形をしている。いったいどうやってこんな不思議な岩が生まれたのか?そして、どんな生きものがすんでいるのか?これまで詳しい調査が一度もされたことがない「空白地帯」のため、知見はほとんどない。番組は2年間かけ、科学者やエンジニアらと共に初の科学調査に挑んだ。垂直の崖をロープ一つで登ると、正体の知れない生きものが岩の隙間から次々と現れる。周囲の海からは、まか不思議な深海魚が次々とあがる。科学者は幻の古代魚シーラカンスさえ見つかるかも知れない環境だと興奮する。空前絶後のスケールで数々の深海探査機を投入。そしてついに見つけた、巨大魚の正体とは?
放送を終えて
番組をご覧いただいた皆さまに、「わくわくどきどき」感を少しでもお伝えすることができたでしょうか?これまで一度も詳しい調査がされたことのない「科学調査の空白地帯」。
そんな秘境を、世界有数の研究者とエンジニアたちと協力し、最新の機器で調査・撮影するのですから、現場は興奮せずにはいられません。いったいどんな生きものがひそんでいて、いったいどうしたらこんな地形ができるのか。調べれば調べるほど、謎が増えていきます。
でも、撮影は、10年かかったダイオウイカの撮影をも凌ぐ大変さでした。海がなぐことはほとんどなく、複雑な海底地形に、刻々と変わる潮流。深海へ投入する機材は次々と壊れたり、行方不明になったり…。担当ディレクターの私は、100mの絶壁をよじ登ることもできなければ、凶暴な巨大ザメが群泳する荒海にも当然もぐれません。何が撮影できるか、まるっきりわからない暗中模索の日々。手弁当で協力してくれた研究者や調査機関の皆さまのおかげで、得られた貴重な映像を最大限に生かし、なんとか一本の番組となりました。
『テレビの原点』ともいうべき冒険物語。お茶の間やネット上で「わくわくどきどき」、
家族や仲間との団らんの肴(さかな)にして頂けたとしたら幸いです。
番組ディレクター 小山 靖弘」 
 
 
 
テレビ朝日 2018年12月31日(月)午前2時30分~4時00分(30日深夜)
メ~テレ 2018年12月28日(金)午前2時29分~4時00分(27日深夜)
テレメンタリー2018スペシャル 生きる 平成の終わりに
「平成という時代が、間もなく終わる。平成とはいったいどういう時代だったのか。私たちは、「災害」「性的マイノリティ」「経済格差」「少子高齢化」「安全保障」の5つのキーワードに注目した。
豪雨災害で妻と娘、孫の3人を失った男性。性転換し女性との結婚を果たすも、法の壁に悩まされる男性。元生活困窮者が生活困窮者を支えているという現状。少子高齢化もなんのその、「ここで生活したい」と四国の離島生活を選ぶ若者たち。「戦場ではない」と言われた場所に行ったら、そこは戦場だったという経験をした元船長。
平成の終わりを生き抜く人たちを通して、平成の日本で変わったもの、変わらないものを伝える。
ナレーター:生野文治、細谷めぐみ(KBCアナウンサー)
制作:ANN系列7局共同制作」
※大阪の朝日放送テレビの放送予定は掲載されていません(日程調整中か、もしかしたら放送されないのかもしれません)。
 
 
MBSドキュメンタリー映像’19
 
 番組そのものというわけではありませんが、今年の8月に放送された「記憶する歌~科学者が詠う三十一文字の世界~」に登場された細胞生物学者永田和宏さん(京都産業大学教授、京都大学名誉教授)が今年6月23日に龍谷大学で行った講演会のほぼ全編の動画が番組ホームページで無料公開されています。年末年始、何とか時間を作って視聴したいと思っています。
 
永田和宏さん講演会「劣化することば~ことばへの信頼を取り戻すために~」

詳報「危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲 1・19和歌山県民のつどい」(2019年1月19日@和歌山県民文化会館大ホール)

 2018年12月23日配信(予定)のメルマガ金原No.3370を転載します。
 
詳報「危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲 1・19和歌山県民のつどい」(2019年1月19日@和歌山県民文化会館大ホール)
 
 心の中で大晦日までのカウントダウンを始めている方も多いのではないかと思われる今日この頃、年明け1月19日(土)に、キャパ2,000の会場(和歌山県民文化会館大ホール)で「危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲 1・19和歌山県民のつどい」を開催する実行委員会の事務局を務める身としては、何をいうにも時間が足らない!という焦燥感と、本番に備えて準備しなければならない用事が次々と迫ってくる状況に追われながら、広報の追い込みにも力を注がなければということで、先日の「速報」(速報!「危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲 1・19和歌山県民のつどい」(2019年1月19日@和歌山県民文化会館大ホール)を開催します/2018年12月3日)に続き、今日は「詳報」をお届けします。
 1月19日の本番まで、もしかしたらあと1回くらい、ブログで取り上げることがあるかもしれませんが、「詳報」を書けるのは今日だけでしょうから、前回の「速報」との重複をいとわず、お知らせしたい情報を総まとめしておきます。
 
 まず、この「つどい」の開催趣旨をご理解いただくため、実行委員会を構成する10団体(後掲)から和歌山県下の「9条の会」などに送付した「ご賛同と参加のお願い」の一部を再度引用します。
 
(引用開始)
 ご承知のとおり、自民党総裁三選を果たした安倍晋三首相は、自衛隊幹部会同や観閲式における訓示、さらには臨時国会冒頭の所信表明演説において、憲法尊重擁護義務もかなぐり捨て、自衛隊を明記する憲法「改正」に強い意欲を示しています。
 会期の短さから、今臨時国会での改憲発議の可能性は高くないにせよ、次期通常国会以降、予断を許さぬ状況が続くことに変わりはありません。
 このような状況の下、「安倍改憲は許さない」「万一国民投票となっても必ず勝ち抜く」という民意を結集し、広く対外的にアピールする県民集会を開催する必要があると私たちは考えました。
(引用終わり)
 
 そのような認識の下、10団体が話し合い、概要以下のとおりの「県民のつどい」を開催することとなりました。
 
[開催概要]
名称:危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲 1・19和歌山県民のつどい
 
開催日時:2019年1月19日(土)
 開場 12時30分
 開会 13時30分
 閉会 16時00分(予定)
 
開催場所:和歌山県民文化会館大ホール(和歌山市松原通1丁目1)
 
趣旨:総理大臣が先頭に立って憲法改正に意欲を示すという「ありえない」状況の中、日本国憲法がはたしてきた重要な役割をあらためて確認し、危険な改憲をくいとめるための「県民のつどい」を開催します。是非ご参加ください。
 
内容:
第1部 桂 文福 さん (芸人9条の会)
  「相撲甚句河内音頭、そして9条新作落語
第2部 小林 節 さん (慶應義塾大学名誉教授・弁護士)
  講演「安倍壊憲をなぜ阻止しなければならないのか」
第3部 ~平和を奏でる有志たち~ Wakayama Peace Band
ロビー企画 紙芝居や絵本、カルタ、おりがみなど、子どもたちと一緒に楽しめるブースもあります。
 
参加無料・予約不要
 
手話通訳:小林節さん講演まで手話通訳がつきます。
 
託児:託児ご希望の方は1月8日(火)までに、下記「お問合せ先」までご連絡をお願いします。
 
主催:「危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲 1・19和歌山県民のつどい」実行委員会
[実行委員会構成10団体]安全保障関連法制の廃止を求める和歌山大学有志の会、安保関連法に反対するママの会@わかやま、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま、9条ネットわかやま、九条の会・わかやま、憲法九条を守るわかやま県民の会、憲法9条を守る和歌山弁護士の会、戦争をさせない和歌山委員会、和歌山県地方労働組合評議会、和歌山県平和フォーラム
 
お問合せ先:
☎073-427-0852(金原法律事務所)
平日9:00~17:00。年末年始(12/28~1/6)は対応できません。託児お申し込みの方はお早めにお願いします。
 
 以上の開催概要までは、「速報」でお伝えしたとおりなのですが、1箇所変更となっている部分をご説明します。それは手話通訳の部分で、チラシには「小林節さんの講演には手話通訳がつきます。」と表記したのですが、その後再検討した結果、「開会~第1部・桂文福さん~第2部・小林節さん」まで手話通訳をつけることとし、手話通訳者の手配も行いました。周囲に聴覚障がい者の方がおられましたら、ご案内いただければ幸いです。
 
 これだけで終わっては、「速報」と変わらぬ内容なので、以下には、第1部、第2部、第3部のそれぞれの出演者についてご紹介しようと思います。
  もっとも、桂文福さんについては、「速報」の末尾に(余談)として掲載したものをほぼ再録することになりますが。
 
【第1部 桂 文福(かつら・ぶんぶく)さん】
 和歌山県の桃山町(現・紀の川市桃山町)ご出身の桂文福さんについては、和歌山の人には今さらご紹介の必要もないでしょうが、このたび、「1・19和歌山県民のつどい」への出演をご快諾いただいた書面にご自身で記載されていたプロフィールを転記します。
 
「プロフィール 紀の川市桃山町出身。県立粉河高校卒後、上阪。大日本印刷大阪工場を経て、五代目桂文枝(当時小文枝)に入門。49年目。現在、上方落語協会理事、関西演芸協会理事。「ふるさと寄席 文福一座」の座長として全国を巡演中。和歌山芸能県人会会長や観光大使として「ふるさと紀州」をPR。東西約1000人の中で唯一の河内音頭取りで、相撲甚句とあわせて「エンカイティナー」の異名あり。大相撲評論家として、新聞、相撲誌、ラジオ等でおなじみ。「芸人9条の会」メンバー。演歌歌手「市川由紀乃」ファンクラブ会員。和歌山県文化奨励賞や日本放送演芸大賞ホープ賞等多数受賞。直系の弟子7人、孫弟子3人の文福一門の師匠。」
 
 その書面には、またこうも書かれていました。
 
「この度はうれしいご縁を頂き、ありがとうございます。」「当日は心に残る楽しいひとときをお届け致します」「相撲甚句河内音頭で(「つどい」の)趣旨、内容にあった文句を唄い、9条をおり込んだ新作落語を一席と考えております。」
 
 チラシにも記載したとおり、桂文福さんは「芸人9条の会」のメンバー、それも、2015年設立時以来の創設メンバーです。
 安保法案強行採決の直前に立ち上げられた「芸人9条の会」については、私もすぐにブログで取り上げており、そこに引用した創立メンバーの中に、しっかりと「桂文福」という名前が記載されています。
 
弁護士・金原徹雄のブログ 2015年9月6日
「芸人9条の会」結成に思う
 
 「9条をおり込んだ新作落語」がどんなものになるのか楽しみですが、ここでは、最近の文福師匠による相撲甚句河内音頭の演奏がYouTubeにアップされていましたのでご紹介しておきます。今年の11月23日、大阪府大東市で開かれた「大東音頭ふれあいまつり」に出演された際の演奏です。
 
お笑いトーク河内音頭 桂 文福 大東音頭ふれあいまつり 18.11.23(26分25秒)
相撲甚句 桂文福 ♬北条イルミネーション&大東音頭ふれあいまつり♬ 2018/11/23(2分38秒)
 
【第2部 小林 節(こばやし・せつ)さん】
 思えば、私が本格的にブログを始めた2013年から、小林節先生が参院選比例区)に立候補された2016年までの間に、小林先生を取り上げためぼしい記事を巻末に掲げておきましたが、まだまだ漏れているものもありそうです。とても「全部読んでください」とは言えませんが、3本だけ抜きだしておきますので、これらの記事は、1月19日までに是非読んでおいていただきたいと思います。
 小林先生の、集団的自衛権や9条に関する見解は、かなり大きく変わってきていますが、世間からばりばりの「改憲派」と目されていた時代から、憲法学者としての変わらぬ信念を持ち、その信念に基づいた発言を続けてこられたことが、この3つのブログでご紹介した、国会での参考人質疑やインタビューから、はっきりと読み取れると思います。
 
弁護士・金原徹雄のブログ 2013年7月13日
この7年間、私たちは何をしていたのか?~「小林節さんに聞いた」(2006年/マガジン9条)を読んで~
弁護士・金原徹雄のブログ 2014年9月7日
立憲主義は8年前から危機的状況だった~2006年5月18日衆議院憲法調査特別委員会での小林節参考人の意見から
弁護士・金原徹雄のブログ 2015年6月7日
憲法学者の矜恃~衆議院憲法審査会(6/4)における参考人質疑をじっくりと味わいたい
 
 そういう私にしても、10月はじめに小林先生から講演依頼承諾のFAXをいただいた際、「私は、今は、「護憲的改憲」などという知的「遊び」を止め、「安倍改憲阻止」「現行9条遵守」に心を定めております。」と書かれていたのには驚きました。
 小林先生がこのように書かれたのは、私からお送りした講演依頼書の添付書類(「つどい」の企画書)の中で、小林先生のことを「護憲的改憲論者」として知られる、とご紹介していましたので(私がそう書いたのですが)、それに対する「訂正」であったのだと思います。
 そういえば、今年の憲法記念日小林よしのり氏が開いた「ゴー宣道場拡大版」に、伊勢﨑賢治氏や井上達夫氏は招かれていましたが、小林節先生のお姿はありませんでしたね。
 余談ながら、この日遅れて参加した枝野幸男氏が「立憲民主党教条主義護憲派はいません」と断言したと報じられていますが(日刊SPA!)、何だか違和感があるなあ。
 そもそも、「新9条論」や「立憲的改憲論」を主張する人たちの多くから感じ取れる(本人たちはそう思っていないでしょうが)拭いがたい優越感(上から目線)は、私の許容レベルを超えています。
 その点、小林節先生の「護憲的改憲論」にはそのような臭味は感じていなかったので(人徳でしょう)、何だか少し惜しいような・・・。
 
 小林先生の日々生起する問題についてのご見解は、以下のコラムなどをご参照ください。
 
日刊ゲンダイ ここがおかしい 小林節が斬る!
 
月刊ベルダ コバセツの視点
 
 最後に、今年の3月19日、「安倍政治を終わらせよう!3.19院内集会」(主催:戦争をさせない1000人委員会、立憲フォーラム)での小林節先生のミニ講演をご紹介しておきます。
 
小林節氏 (慶應義塾大学名誉教授)スピーチ『ようやく見えて来た安倍壊憲案の異常性』「安倍政治を終わらせよう!3.19院内集会」[2/5]2018.3.19 @参議院議員会館講堂(28分)
 
【第3部 ~平和を奏でる有志たち~ Wakayama Peace Band】
 そろそろ、「有志たち」の一部の皆さんが、「1・19で演奏します」とSNSなどで発信を始められていますので、主催者からも、現時点で予定されている出演者の皆さまをご紹介したいと思います。
 
 まず、第2部の小林節先生の講演が終わると緞帳が下り、ステージでは第3部のための舞台転換が行われるのですが、その時間を利用して、緞帳前で津軽三味線の演奏が行われます。出演は「三木久美夫トリオ」の皆さん(という名称かどうか確認できていませんので信用しないでください)。津軽三味線の名手・三木久美夫さんは、昨年、今年と、2度にわたって和歌山市のライブハウス「OLD TIME」で開かれた「ラブ&ピースライブ 和歌山~平和を祈るコンサート」の呼びかけ人を務められた方で、今回の「つどい」の趣旨に全面的に賛同し、駆け付けて演奏してくださることになったものです。三木さん、ありがとうございます。
 
 以下に、三木さんのソロですが、“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2017”での演奏をご紹介します。
 
HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2017:3三木久美夫 《津軽三味線演奏》(29分)
 
 そして、三木さんたちの演奏が終わると緞帳が上がり、「Wakayama Peace Band」の演奏が始まります。
 「Wakayama Peace Band」は、この「つどい」のために結成される臨時編成バンドで、
2つのユニット+1人の計7人での編成となります。
 以下、メンバーをご紹介します。
 
「素和歌(そわか)」 
  上前喜彦さん(ボーカル・キーボード)
  実理(みのり)さん(ボーカル)
「Crow Field」 
 烏野(からすの)ファミリーの
  まさきさん(ボーカル・ギター)
  えなさん(ボーカル・ベース)
  れなん君(カホン
  あゆみさん(三線
「なかむらいづみ」さん(ボーカル)
 なかむらさんについては、歌舞、ベラ、サラなど様々な異称があるので、どれでご紹介すれば良いのか判断に迷いますが、実行委員会から今回の「つどい」の音楽部門コーディネーターをお願いしたところ、快く引き受けてくださったものです。なかむらさんがいなければ、とても「つどい」の第3部は実現しませんでした。
 
 何しろ「Wakayama Peace Band」は、1月19日のためだけに結成するバンドなので、現時点で映像などある訳ありません。そこで、「素和歌(そわか)」、「Crow Field」、「紀州五十五万石」(なかむらいづみさんがボーカル担当)の演奏を試聴できるYouTube動画をご紹介しますので、今から「Wakayama Peace Band」がどんな演奏を披露してくれるのか、楽しみに想像しながらご期待ください。
 
素和歌(sowaka)『翼をください』(4分55秒)
 
HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2017:Crowfield《バンド演奏》(38分)
 
SLOW放送局【17回目:12月号】しっかりせぇよ、オトナ!(3時間31分)
※毎月第2日曜日の12:30から3時間、ネットで放送されるSLOW放送局。大体オープニングとエンディングで歌われる曲は決まっているようです。ちなみに、ギターは中島敦司さん(和歌山大学システム工学部教授)、カホンは臼井達也さん(NPOわかやま環境ネットワーク事務局長)です。
12分26秒~「風に吹かれて」
3時間21分42秒~「The Power」
 
【チラシ・デザイナー 貴志真帆さん】
 最後に、この方のお名前を逸することができません。
 皆さん、この「つどい」のチラシをご覧になって、どう思われました?
 私は、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」事務局長時代の6年間を含め、様々な団体で講演会、シンポ等の企画にたずさわり、そのたびに、広報用のチラシ、フライヤーのお世話になってきましたが、今回の「危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲 1・19和歌山県民のつどい」ほど、チラシ(のデザイン)に「助けられた」と思ったことはありません。
 何しろ、タイトルが硬い!もともと「安倍改憲阻止和歌山県民集会」という漢字ばかりの仮称だったのを、「いくら何でもこれでは」ということで、実行委員会のメンバーが頭を絞って今のタイトルになったのですが、それにしてもやはりね・・・。
 実行委員会での議論を踏まえ、私からデザイナーの貴志真帆さんに、チラシに盛り込んでもらいたいテキストデータをメールでお送りした後、「はたしてどんなものが出来るのか」と、これまでの貴志さんの素晴らしい実績は知りつつ(だからこそお願いしたのですが)、やはり不安でした。
 そして、11月30日の朝、出勤して事務所のパソコンを立ち上げたところ、貴志さんから6メガのチラシ初稿のPDFファイルが届いており、それを開けてみたところ・・・私は一瞬言葉を失いました。そしてしばらくして、「真帆さんにお願いして本当に良かった」という思いに満たされました。
 読んだだけで足が遠退くのではないかと心配していた集会名称も、桂文福さんの出演に合わせて採用された柔らかな自体によって、何だか楽しげな雰囲気が漂ってきますし、小林節先生の講演についても、文福師匠との「二人(落語)会」のようでもあります。
 それに、背景の模様や色使いから、正月企画らしい華やかさも感じさせるなど、つくづくデザイナーのセンスの良さに驚嘆しました。
 貴志真帆さんは、これまでも様々な企画のチラシのデザインを手掛けておられますが、その中から私が勝手にベスト3を選ぶとすると(「1・19和歌山県民のつどい」が入るのは当然ですが)、以下の3点となります。企画自体をご紹介した私のブログで貴志真帆さんデザインのチラシ画像も紹介していますので、リンクしておきます。

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〇東条雅之監督作品『祝福(いのり)の海』田辺上映会(2015年7月25日@紀南文化会館小ホール)&和歌山上映会(同月26日@和歌山市あいあいセンター6階ホール)
 
伊藤宏氏講演会「ゴジラVSシン・ゴジラゴジラから読み解く平和憲法」(2018年4月7日@和歌山市あいあいセンター6階ホール)http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/51587929.html
 
「危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲 1・19和歌山県民のつどい」(2019年1月19日@和歌山県民文化会館大ホール)
 
(付記)
facebookイベントページ
※まだ「参加予定」が少ないので、どんどん「シェア」「招待」をお願いします。
 
金原徹雄:Facebook
※「シェア」よろしくお願いします。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/小林節氏関連)
2013年5月13日
小林節氏らの「96条“改正”絶対阻止」の主張に連帯するために
2013年5月27日
小林節教授の「立憲フォーラム」勉強会での講演
2013年6月9日
6/8小林節氏講演会「改憲派が斬る!96条改悪に異議あり!」(in神戸市)
2013年7月3日
6/17小林節慶應義塾大学教授記者会見(日本記者クラブ
2013年7月13日
この7年間、私たちは何をしていたのか?~「小林節さんに聞いた」(2006年/マガジン9条)を読んで~
2013年7月31日
小林節氏×伊藤真氏~憲法改正を議論するために~
2013年12月20日
小林節さんの“集団的自衛権についての意見”が知りたい
2014年4月15日
集団的自衛権でも小林節さんに頑張ってもらおう(付・立正佼成会集団的自衛権についての見解)
2014年9月7日
立憲主義は8年前から危機的状況だった~2006年5月18日衆議院憲法調査特別委員会での小林節参考人の意見から
2014年9月13日
対談「小林節氏vs山中光茂松阪市長」で楽しく学ぶ集団的自衛権
2015年5月2日
樋口陽一氏、小林節氏、小沢一郎氏による憲法をめぐる鼎談を視聴する
2015年6月7日
憲法学者の矜恃~衆議院憲法審査会(6/4)における参考人質疑をじっくりと味わいたい
2015年6月16日
憲法学者の矜恃~長谷部恭男氏と小林節氏の記者会見を視聴して(6/15)
2015年9月17日
参議院安保特別委員会の強行採決を目に焼き付ける(付・小林節弁護団長が違憲訴訟の出訴時期を明言~9/15中央公聴会
2015年9月27日
安保法制違憲訴訟を考える(1)~小林節タスクフォースへの期待と2008年名古屋高裁判決
2015年10月12日
今こそ「運動としての学習会」が必要だ
2015年10月16日
11/21小林節さんが田辺市和歌山県)で講演されます
2015年12月2日
安保法制違憲訴訟を考える(4)~伊藤真弁護士(安保法制違憲訴訟の会)による決意表明(11/19@国会前)と小林節氏の現時点(11/21@和歌山県田辺市)での見解
2016年1月20日
小林節(ブシ)で貰った元気の使い道~「さぁ、安倍政治を終らそう 1・19集会」を視聴して
2016年3月22日
速報・小林節氏講演会(5/14@和歌山市民会館大ホール)に結集を!
2016年4月14日
詳報・小林節氏講演会(5/14@和歌山市民会館大ホール)~小林先生の“性根”を理解した上で結集を!
2016年5月14日
小林節氏講演会「政治の暴走を止めるために」@和歌山市(5/14)のご紹介と見えてきた課題