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憲法ソング「わたしのねがい」(日弁連・憲法詩(ポエム)大賞受賞作+谷川賢作)をDiVaの演奏で聴く

 2018年12月29日配信(予定)のメルマガ金原No.3376を転載します。
 
憲法ソング「わたしのねがい」(日弁連憲法詩(ポエム)大賞受賞作+谷川賢作)をDiVaの演奏で聴く
 
 私のブログでも、過去3回にわたって取り上げてきた、日本弁護士連合会が募集していた「憲法を詩おう♪コンテスト~あなたの思いをメロディに乗せて~【憲法詩(ポエム)募集】については、既に入賞作品も発表され、「大賞」受賞作に谷川賢作さんが作曲した「憲法ソング」が、12月1日にサントリーホール・小ホール(ブルーローズ)で行われた表彰式で初披露もされていたのですが、何しろその演奏自体を聴く手立てがなかったため、今までご紹介を差し控えていました。
 
 そして、ようやく年末(12月26日)になって、日本弁護士連合会WEBサイトに、大賞曲「わたしのねがい」が、現代詩を歌うバンドとして知られる「DiVa」(ディーヴァ)によってライブ演奏(12月1日)された動画が公開されました。
 
憲法ソング「わたしのねがい」|日弁連|(3分43秒)
作詞 尾池 ひかり
作曲 谷川 賢作
演奏 DiVa 
    高瀬 麻里子(Vo)、谷川 賢作(Pf)、大坪 寛彦(B)
 
 また、以下の音声データや楽譜もアップされています。
 
憲法ソング「わたしのねがい」レコーディング版|日弁連|(4分08秒)
※この音声データを、権利者の許諾を得ずに、ダウンロード・複製することを禁じます。(日本弁護士連合会)
 
「わたしのねがい」楽譜(PDF)
 
 尾池ひかりさんによる歌詞(【憲法詩(ポエム)募集】大賞受賞作品)は、上記日弁連サイト、あるいは楽譜などでも読めますが、著作権への配慮から、引用は控えておきますので、直接、日弁連サイトでお読みください。
 大賞を受賞した尾池ひかりさんの作品だけではなく、3部門それぞれの入賞、入選作品がPDFファイルとして全作品掲載されていますので、是非お読みください。
 
小学生以下の部        
作品はこちら(PDFファイル;63KB)
金賞★大賞★ 尾池 ひかり さん 7歳 (茨城県
銀賞 熊谷 悠 さん 8歳 (東京都)
銅賞 遠藤 ソン 詩羽 さん 6歳 (東京都)
入選 人見 咲菜 さん 6歳 (神奈川県)
入選 矢野 綾 さん 10歳 (東京都)
 
中学生・高校生の部
作品はこちら(PDFファイル;133KB)
金賞 大橋 宗馬 さん 15歳 (東京都)
銀賞 大橋 力丸 さん 14歳 (東京都)
銅賞 尾﨑 優香 さん 14歳 (宮崎県)
入選 山本 衡 さん 16歳 (東京都)
入選 井上 寧々 さん 14歳 (宮崎県)
入選 猪股 葵唯 さん 14歳 (宮崎県)
入選 薬袋 吹喜音 さん 15歳 (神奈川県)
 
大学生・社会人の部
作品はこちら(PDFファイル;147KB)
金賞 坂巻 克巳 さん 71歳 (東京都)
銀賞 仁平 美枝 さん 54歳 (東京都)
銅賞 大矢 道子 さん 80歳 (埼玉県)
入選 仁平 美枝 さん 54歳 (東京都)
入選 奥村 光雄 さん 79歳 (京都府
入選 上村 隆 さん 64歳 (東京都)
入選 清水 邦夫 さん 55歳 (広島県
入選 小館 ゆりか さん 31歳 (神奈川県)
 
 実は、以上の入賞・入選作全作品の他に、大賞曲「わたしのねがい」の楽譜、審査員講評(湯川れい子さん、谷川賢作さん、覚和歌子さん、アーサー・ビナードさん、青井未帆さん)、演奏者(DiVa)プロフィールまで載った詩集が作られたのですね。そのPDF版(52頁)がやはり日弁連サイトにアップされています。
 
日本国憲法企画「憲法を詩おう!コンテスト」~あなたの思いをメロディーに乗せて~入賞作品詩集
 
 この種のコンテストの講評を読んで、「歌にすることを考えて書いてくださいとお願いしなければいけなかったんですね。」「テーマが憲法ということが堅すぎて、なかなかそういう鮮烈な言葉というのも見当たらなかったような気がします。ちょっと残念でした。」(湯川さん)、「非常に難しい仕事でした。でも、我々の書いてくださいという提示の仕方も少しまずかったのかなということもありますので、そこも考え直さなければいけないかなと思いました。」(谷川さん)、「企画の内容、告知の方法を決める段階から専門家を絡ませていただいていたら、公募作品全体の質はもう少し底上げされていたでしょう。その点で審査員の中には「選べるものがない」と言われる方もいらしたほどです。」「全体的に審査員が想定していた「決まり文句」の領域を大きく出ることはなかったという印象です」(覚さん)、「次回、こういう趣旨で詩を募集することがあったら、まずその審査員にやらせてみて、それを踏まえた上で選ぶっていうのがいい流れになると思います。それが反省点ですね。ありがとうございました。」(ビナードさん)、「今回、うまく詩にできた方も、なかなかうまくできなかったという方も、<憲法ってそもそもなんなのだろう>、<私たちとどう関係するのかな>と、よくお考えになったことでしょう。実はそれが、憲法の謳う自由や権利を生き生きしたものにする「不断の努力」(憲法12条)に他なりません。ご応募ありがとうございました。」(青井さん)などという言葉にお目にかかることなどめったにありません。青井さんは、苦言の方は残る4人に任せ、「憲法の観点」から検討した所感を述べられているのですが、その到達点が「不断の努力」(憲法12条)ですからね。
 これを読むだけでも、入賞作品を選ぶための審査会の光景が目に浮かぶようです。日弁連の企画担当者でなくて本当に良かったとしみじみ思いました。
 
 たしかに審査員の皆さんがおっしゃることは一々ごもっともで、企画自体に無理があったということでしょう。
 ただ、ではどうすのが良かったのか?と考えると、これは難しいですね。突飛なアイデアのように見えて、実はアーサー・ビナードさんのご提案(審査員にまず実作させる)が一番良いのかもしれません。もっとも、講評から考えて、青井さんは「私だったら・・・できないと思います」と審査員自体を降りてしまうでしょうし、審査員を引き受けてくれる人がはたしているかが問題ですが。
 しかしながら、「成功」よりも「失敗」からこそ貴重な教訓を得ることができるはずですから、日弁連は得難い経験を積んだとも言える訳で、次の「憲法」企画にその「教訓」が反映されることを期待したいと思います。
 
 ・・・などと書いたことと、今回の応募作品や入賞作品の「仕上がり」はまた別の問題で、それは個々の作品ごとに読む者が評価すべきことです。
 また、作曲された大賞作品「わたしのねがい」については、DiVaの高瀬麻里子さんの素晴らしく言葉が粒立って迫ってくる歌唱のせいもあり、とても印象的な曲になったと思います。
 子どもたちが声を揃えて歌えるような曲でないのは、まあ、詩の内容から考えて仕方がないでしょうしね。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/「憲法ポエム」「憲法ソング」関連)
2018年6月11日
日弁連憲法を詩おう♪コンテスト~あなたの思いをメロディに乗せて~【憲法詩(ポエム)募集(5月14日~9月7日)】」のご案内
2018年8月2日
日弁連日本国憲法企画>「夏休み憲法教室 中山加奈子さん(プリンセス プリンセス)と一緒に憲法を詩いましょう♪」のご紹介
2018年8月31日
締切(9月7日)迫る!日弁連憲法を詩おう♪コンテスト~あなたの思いをメロディに乗せて」