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和歌山でのカジノ誘致に反対する動き~和歌山弁護士会「会長声明」(6/16)とカジノ問題を考える和歌山ネットワーク準備会「市民集会」(7/19)

 今晩(2017年6月21日)配信した「メルマガ金原No.2850」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
和歌山でのカジノ誘致に反対する動き~和歌山弁護士会「会長声明」(6/16)とカジノ問題を考える和歌山ネットワーク準備会「市民集会」(7/19)
 
2017年2月15日 
和歌山市 尾花正啓市長 臨時記者会見
(引用開始)
 皆さんこんにちは。明日定例会見の予定だったのですが、今日急きょ会見させていただきます。和歌山市では統合型リゾートについてこれまで検討してきました。いろんな観点から検討を進めてきましたが、カジノについては外国人専用とするハイクラスな和歌山型のIRというのをこれから誘致を目指して取り組んでいきたいというふうに思っています。資料にも書かせていただいていますが、和歌山市は非常にきれいな海岸線、また国立公園等もあります。そうした海岸線だとかマリンスポーツ、海洋レジャー、海洋型のリゾート地でもありますし、また和歌山城を始めとする歴史・文化にもあふれています。そうした和歌山ならではの個性を活かしたようなIR、和歌山型IRの誘致を進めていきたいと思っています。
 次のページ見ていただいたらと思います。和歌山市は、もちろんですけども関西国際空港に非常に近接しています。この関空に近接するという利点を活かして、紀伊半島にはいろんな観光資源があります。そこにも書いていますけど、パンダまた高野山那智の滝また奈良。非常に紀伊半島には観光資源が豊かですので、そうした紀伊半島の観光資源を活かした国際競争力の高い拠点となるような和歌山型のIRを進めていきたいと思っています。
 それでそこに3点目ということで書いていますが、もちろんホテル、国際会議場、コンベンション、レジャー施設など、さまざまな施設を誘致していきたいと思っています。子どもから大人まで楽しめるような楽しいIR、統合型リゾートというのを進めます。ただし、カジノ施設については日本人の入場を制限して外国人専用とするような形で誘致を進めていきたいと思っています。今後については和歌山型のIRの実現を目指して、県とも連携協力してIRを活用したような全体の観光振興ビジョンというのを検討していって、誘致に向けた取り組みというのを進めていきたいというふうに考えています。発表は以上でございます。よろしくお願いします。
(引用終わり)
 
2017年5月9日
和歌山県 仁坂吉伸知事 定例記者会見

(抜粋引用開始)
 今日は発表項目が三つございます。一つ目は、明日から始まるのですが、(前回、2014年に開催された)「ジャパン・ゲーミング・コングレス」が今年もございまして、明日と明後日の2日間、東京であります。博報堂とクラリオンイベンツという英国企業が主催をするのですが、こういうゲーミングあるいはカジノということに実績や興味のある企業がたくさん出てきて、ゲーミング、カジノに関していろんな議論をするということであります。
 我々も、何かちょっとPRさせてあげると言われたので、「喜んで行きます」ということで、和歌山市長と一緒にPRをしていきたいと思いますし、そこへ行くといろんな企業がいっぱい来ているものですから、その企業の人たちと改めてまた話をしたいと思っています。
 それから、和歌山県についてですけれども、我々は和歌山県でIRの候補地を「ここだったらいいんじゃないですか。どうですか」と言ってPRをしていたところが3か所あるんですね。ずっと3か所をPRしてきたんですけど、最近いろんな企業の方に打診をしたところ、ほぼ100%マリーナシティに関心あるということなので、我々のPRもこの際、分散しているとややこしいのでマリーナシティに限ろうと思います。明後日プレゼンテーションをしますけれども、その時は「マリーナシティが我々としてお勧めですよ」という話をしていきたいと思っています。
(引用終わり)
 
 巻末のリンク集をご覧いただければ分かるとおり、昨年12月から今年の4月にかけて、カジノ関連の記事を5本書いてきましたが、2月の尾花正啓(おばな・まさひろ)和歌山市長、仁坂吉伸和歌山県知事の記者会見での発言から明らかなとおり、県市がタッグを組んで、和歌山市の人口島(埋立地)である和歌山マリーナシティへの外国人専用カジノ誘致に邁進しています。
 そもそも、外国人専用ならなぜ良いのか?外国人専用でスタートしても、経済的に引き合わず、すぐに日本人利用可になるに決まっているではないかとか、誰もが気のつく疑問点だらけの方針が、「勝手に」決められて行政が暴走しているというのが和歌山の現状です。
 
 ところで、私は今年の早春、和歌山マリーナシティを訪れ、ポルトヨーロッパの中に入ってみました。今、ポルトヨーロッパ自体への入園は無料になっていたのですね(知らなかった)。もちろん、個々のアトラクションなどは有料ですけど。
 私が行った日は、子どもさん連れの家族がたくさん来場しており、駐車場に駐められた車のナンバーから、県外からの観光客の割合が多いことが見てとれました。
 ここに「カジノ」ですか。そんなに広大な土地が余っているようにも見えませんが、ポルトヨーロッパを取り壊して「カジノ」を作るのでしょうか?あるいは、ポルトヨーロッパの横に「カジノ」を作るのでしょうか?
 いずれにしても、「カジノ」が出来たら、私が和歌山マリーナシティに行く理由は全くなくなるでしょうけどね。
 
 さて、この行政主導の「カジノ誘致」にNO!を突き付ける和歌山の動きを2つご紹介します。
 1つは、和歌山弁護士会による「和歌山県及び和歌山市へのカジノの誘致に反対する会長声明」です。まだ、和歌山弁護士会のホームページには掲載されていませんが、既にマスコミ発表も行われていますので、このメルマガ(ブログ)でご紹介することにしました。和歌山弁護士会としては、2014年10月10日2017年2月27日に続く3回目のカジノ反対声明です。
 
(引用開始)
        和歌山県及び和歌山市へのカジノの誘致に反対する会長声明
 
 平成28年12月15日、一定の条件のもとでカジノを含む統合型リゾート(IR)を合法化する「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(いわゆる「カジノ解禁推進法」)が成立した。これを受け和歌山市長は、平成29年2月15日の会見で「IR施設誘致の実現に向けた取り組みを進める」と述べ、市内への誘致に乗り出しており、和歌山県知事も、同年5月9日の会見で、誘致の候補地を和歌山市南部の人工島「和歌山マリーナシティ」に一本化すると表明した。
 しかし、平成29年2月27日付「カジノ解禁推進法に反対する会長声明」でも指摘した通り、カジノ解禁推進法には、①ギャンブル依存症患者・多重債務者のさらなる拡大、②青少年への悪影響、③暴力団の関与及びマネー・ロンダリングの問題等、複数の問題点がある。和歌山市民に対し同市が平成29年1月に実施したアンケート調査でも、和歌山市へのIRの誘致について、反対意見が賛成意見を上回っている。
 和歌山県及び和歌山市が、「カジノ解禁推進法」における問題点・懸念を解消することなく、特に、ギャンブル依存症に対する具体的な対策を講じることのないままカジノ施設を誘致しようとする姿勢は、到底容認することができない。
 ここで、和歌山県知事及び和歌山市長は、ギャンブル依存症対策として、カジノ施設は外国人専用とし、日本国民のカジノ施設への立ち入りを制限すべきと発言している。しかし、この考えには、以下のとおり問題がある。
 平成26年10月7日、国際観光産業振興議員連盟(IR議連)においてカジノ解禁推進法の法案内容が議論された際、日本国民のギャンブル依存症対策として、カジノ施設の利用は外国人に限定するとの修文案が加えられた。ところが、同年10月10日、IR議連は、カジノ施設の利用客を外国人に限定すればカジノ施設の運営が成り立たないとの批判を受けて修文案を撤回し、日本人のカジノ施設利用について、入場制限や入場料徴収などの条件付きで認める方針とした。即ち、カジノ施設を外国人専用とすることは法案審議の段階において否定されているのであり、日本国民のカジノ施設への立ち入りを制限するという考えは、極めて非現実的なのである。
 また、仮にカジノ施設を外国人専用としても、先述①~③の問題点が払拭されるわけではない。ギャンブル依存症患者の拡大などカジノ施設のもたらす弊害は、利用者が外国人であっても同様である。そもそも、日本人の利用を制限すればよいという見解は、カジノが害悪であることを自認するものにほかならないといえよう。
 以上の次第であり、当会は、和歌山県及び和歌山市へのカジノの誘致に対して反対する。
    2017年(平成29年)6月16日
                        和歌山弁護士会         
                        会長 畑  純 一
(引用終わり)
 
 もう1つの動きは、「カジノ問題を考える和歌山ネットワーク準備会」が主催する「カジノ問題を考える市民集会」(7月19日・プラザホープ2F多目的室)です。
 県知事や和歌山市長が先頭に立って誘致に邁進している「カジノ」を拒否しようというのですから、良識のある幅広い市民が結集して反対の声を大きく上げ続けるしかありません。
 いずれ、西の丸広場を埋め尽くすほどの反対集会を実現したいものですが、とりあえずは、最大キャパ100人のプラザホープ2階多目的室をいっぱいにしましょう。
 もっとも、私自身、同時間帯に3時間はかかるだろう会議の先約が入っていて参加できないのはまことに残念ですが、「カジノ問題」に少しでも関心があり、ご都合のつく方には、是非ご参加をお願いしたいと思います。
 以下、チラシの文字情報を転記します。
 
チラシから引用開始)
カジノで街はどうなるんよ?
カジノ問題を考える市民集
 
2017年7月19日(水)午後6時開場 6時30分開会
和歌山県勤労福祉会館プラザホープ 2F多目的室

  和歌山市北出島1丁目5−47
 
【講演】
「カジノ解禁推進法の問題点」
講師/吉田哲也弁護士

■全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会事務局長
日弁連カジノギャンブル問題検討ワーキンググループ委員
■依存症問題対策全国会議事務局長
 
 「和歌山にカジノを誘致する」。この話を聞いて真っ先に立ちあがったのが「あざみの会」でした。サラ金被害とギャンブル依存症は密接な関係にあるからです。
 カジノ問題はそれだけではありません。海南市では先般、藤白地区に計画されたポートピア建設計画を断念させました。「熊野古道ゆかりの地域にギャンブル施設はいらない」というのが主な反対理由でした。
 カジノ問題は、街の歴史や文化にも大きく関わる問題です。教育への影響も見過ごすことはできません。
 広範な方にお集まりいただき、この問題を深め、知識を共有し合えればと願っています。ぜひお運びください。
 ※集会では、講演のほか、参加者の意見交流も行います。
 
主催/カジノ問題を考える和歌山ネットワーク準備会
 事務局/和歌山市杉の馬場1丁目11 あざみの会 TEL:073-424-6300
 
[呼びかけ人]
■新 吉広(あざみの会事務局長)■岡 正人(和歌山クレサラ対策協議会代表幹事)■木下和久(元小学校校長)■琴浦龍彦(県地評議長)■西郷 章(憲法を生かす会 和歌山代表)■佐藤洋一(生協こども診療所所長)■高木歓恒(元県小中学校PTA連合会会長)■戸井洋木(司法書士)■中谷弘子(新日本婦人の会県本部)■花田惠子(NPOわかやま環境ネットワーク理事)
(引用終わり)
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/カジノ関連)
2016年12月8日
カジノ推進法案をめぐる和歌山の現状と読売新聞による徹底批判
2017年2月27日
和歌山弁護士会「いわゆる「カジノ解禁推進法」の成立に抗議し、同法の廃止を求める会長声明」(2017年2月27日)と和歌山でのカジノ誘致の動き
2017年3月10日
「カジノで観光・まちづくり!?ちょっと、おかしいんとちゃうか!緊急トーク集会」3/13@プラザホープのご案内と4月・5月の「予告編」
2017年3月26日
「カジノあかん3・25大阪集会」動画のご紹介と12/12参議院内閣委員会での新里宏二弁護士と鳥畑与一静岡大教授の反カジノ意見陳述
2017年4月5日
「カジノ実施法案」作成作業が始まりました~クリーンなカジノの実現を目指して(!?)

カジノ反対市民集会7月19日チラシ