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市民大集会「私たちは戦争を許さない」(2017年9月28日)で確認されたこと

 2017年9月30日配信(予定)のメルマガ金原.No.2951を転載します。
 
市民大集会「私たちは戦争を許さない」(2017年9月28日)で確認されたこ
 
 一昨日(9月28日)、東京地方裁判所において、安保法制違憲・国家賠償請求訴訟の第5回口頭弁論期日が開かれました。奇しくも、日本の立憲主義が回復に向かうのか、それともいよいよ危機を深めるのかという別れ道となる衆議院の解散と重なったこの日、次回(第6回)期日が2018年1月26日(金)、次々回(第7回)期日が5月11日の、いずれも午後一杯の時間を取った指定がされたそうなので、東京安保法制違憲訴訟は、いよいよ次回以降、証人尋問、原告本人尋問等の証拠調べの段階に入ることは間違いなさそうです。
 以下に紹介する市民大集会での寺井一弘弁護士(「安保法制違憲訴訟の会」共同代表)のお話によると、元最高裁判事、元内閣法制局長官憲法学者国会議員を含む19名の証人申請、様々な立場を代表する18名の原告本人尋問を申請したそうです。
 この弁論では、原告側から4通の準備書面を提出したそうですから、いずれ公式サイトに、代理人弁護士による陳述原稿がアップされるのではないかと思いますので、これまで
同様、アップされ次第、「司法に安保法制の違憲を訴える意義」シリーズとしてご紹介しようと思います。
 
 今日は、裁判終了後の18時30分から、日本教育会館で開かれた市民大集会「私たちは戦争を許さない 安保法制の憲法違反を訴える」(主催:安保法制違憲訴訟の会、協賛:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)が開かれ、キャパ800余りのホールに立ち見も出る盛況であったそうですが、その模様がUPLAN(三輪祐児)さんの動画で視聴できますので、ご紹介することとします。
 違憲の安保法制を廃止するためには、何よりも国会の両院において、「憲法違反の安保法制を許さない」という政治勢力過半数を確保させることが必要ですが、民進党が事実上解党して、「安保法制肯定」「改憲推進」を掲げる(模様の)希望の党に合流するということになり、衆議院内の安保法制廃止派は、解散時点で全議席の1割もあるかどうかという寥々たる状況になりそうです。それだけの数の議員しか当選させられていなかいったという、私たちの力不足を、否応なく自覚せざるを得ません。
 そのような意味から、司法に安保法制の違憲を訴えることの意義は、ますます大きくなってきたと言わねばなりません。
 昨年4月26日の提訴から1年5ヶ月、一昨年9月19日の安保法制成立から2年を経過した現時点での、「安保法制違憲訴訟をこのように闘っている」という現状報告として、是非1人でも多くの方にこの動画を視聴して欲しいと思います。
 
20170928 UPLAN 「私たちは戦争を許さない-安保法制の憲法違反を訴える」市民大集会(2時間22分)
冒頭~ 映像(長崎の被爆者団体「ひまわり」による演奏『もう二度と』/2017年8月9日 長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典より/)
※作詞・作曲・指揮の寺井一通(かずみち)氏は、「安保法制違憲訴訟の会」共同代表・寺井一弘弁護士の弟さんだそうです。『もう二度と』の歌詞は、長崎市のホームページに掲載されています。
 また、2014年11月9日に、浦上天主堂で開催された「被爆者歌う会“ひまわり”」結成10周年記念コンサートで歌われた『もう二度と』の動画がありました。これも是非聴いていただきたいと思います。非常にクリアに歌詞が聴き取れ、作者や演奏者の平和への願いがストレートに伝わってきて胸が震えました。
4分~ 開会挨拶 寺井一弘弁護士(「安保法制違憲訴訟の会」共同代表)
17分~ 基調講演「私たちはなぜ戦争を許さないのか」
      伊藤真弁護士(「安保法制違憲訴訟の会」共同代表)
原告の思い
1時間10分~ 河合節子さん(東京大空襲被害者)
1時間15分~ 服部道子さん(広島原被爆者)
1時間24分~ 本望隆司さん(外国航路船員)
1時間29分~ 井筒高雄さん(元自衛官
来賓挨拶
1時間34分~ 濱田邦夫さん(元最高裁判所判事)
1時間45分~ 青井未帆さん(学習院大学教授)
1時間48分~ 柚木康子さん(安保法制違憲訴訟女の会)
特別報告 
1時間55分~ 山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)
アピール採択
2時間06分~ アピール案朗読 棚橋弁護士
(引用開始)
平和憲法施行70周年記念アピール」
 
本年はわが国が誇るべき平和憲法が施行されて70年目にあたります。
 
しかし、安倍政権は、2014年7月1日に集団的自衛権行使容認の閣議決定を行い、多くの国民・市民はもとより圧倒的多数の憲法学者最高裁判所長官内閣法制局長官の経験者等あらゆる分野の有識者の強い反対にかかわらず、2015年9月19日未明の強行採決によって、新安保法制を成立させる歴史的暴挙を犯しました。
 
戦争への道を切り拓く憲法9条違反の立法行為が、従来の政府解釈を無視した一内閣による「解釈改憲」という前例のない政治的手法によって実現されるに至ったのです。
 
このような安倍政権の憲法破壊の策動に対し、私たちは安保法制違憲訴訟を提起することを決断しました。この選択には「権力に追随する傾向の強い司法に期待してはならない」との意見も多く、その道のりも決して平坦ではありませんでしたが、本日現在、21の地方裁判所で24件の訴訟が提起されており、今後も全国各地での提訴が準備されています。
 
この違憲訴訟には、第1に、暗黒の戦争の時代を決して繰り返さず、わが国の立憲主義と民主主義を取り戻す松明としての意義、第2に、三権分立の一角を担い憲法保障の役割を担うべき司法にその本来の職責を自覚し果たさせる意義、第3に、国民・市民の力を結集する結節点としての意義があると確信しております。
 
今や世界はますます不透明で粗野かつ知性なき時代に突入しつつあり、わが国の政権は平和憲法を敵視し国民を無視して外国の戦争政策にひたすら追随する姿勢を強めています。
 
私たちはそれに些かも動ずることなく、戦後70年以上「一人も殺し、殺されなかった」という平和国家を担保してきた日本国憲法を一人一人の国民・市民のものとしてさらに血肉化していくことが必要です。今こそ、憲法9条恒久平和主義の思想のもと、国内のみならず全世界に向けて「私たちは戦争を絶対に許さない」との声を強く発信しなければならないと思っております。
 
安倍首相は本日、「大義なき解散」を断行しましたが、私たちは「憲法改正」を公約に掲げる政権・政党を決して許してはならないと決意しています。
 
そして、市民一人一人は、三権の一翼を担う司法への強い期待を有しています。国民・市民からの信頼こそが司法の正統性の根拠であると考えております。司法は、国民・市民の厳粛な信託に真正面から向き合わなければならず、本訴訟において適切にその職責を果たさなければなりません。
 
そのために私たちは、歴史的責務として国民・市民の知性とあらゆる力を総結集して今回の安保法制違憲訴訟を闘い抜いて必ず勝利することを固く誓うものであります。
 
2017年9月28日
 
「私たちは戦争を許さない」市民大集会   参加者一同
(引用終わり)
2時間10分~ 拍手によりアピール採択
2時間11分~ 閉会挨拶 杉浦ひとみ弁護士(「安保法制違憲訴訟の会」事務局長)
 
(付記・『私たちは戦争を許さない 安保法制の憲法違反を訴える』好評発売中)
 今年の8月4日に岩波書店から刊行された『私たちは戦争を許さない 安保法制の憲法違反を訴える』が好評発売中です。寺井一弘共同代表は、「年内1万冊突破」を達成することによって運動を進展させようという号令をかけておられます。
 まだ手に取ったことのない方は、是非お読みください。決して後悔しません。
 「安保法制違憲訴訟の会」公式サイトで目次を読むことができます。
 岩波書店公式サイトで冒頭の24ページ分を「ネット立ち読み」できます。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/安保法制違憲訴訟関連)
2016年9月3日
東京・安保法制違憲訴訟(国賠請求)が始まりました(2016年9月2日)
※過去の安保法制違憲訴訟関連のブログ記事にリンクしています。
2016年9月6日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(1)~東京・国家賠償請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告訴訟代理人による意見陳述
2016年9月10日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(2)~東京・国家賠償請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告による意見陳述
2016年10月4日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(3)~東京・差止請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告訴訟代理人による意見陳述
2016年10月5日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(4)~東京・差止請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告による意見陳述
2016年12月9日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(5)~東京・国家賠償請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告代理人による意見陳述
2016年12月10日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(6)~東京・国家賠償請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告による意見陳述
2017年1月5日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(7)~寺井一弘弁護士(長崎国賠訴訟)と吉岡康祐弁護士(岡山国賠訴訟)の第1回口頭弁論における意見陳述
2017年1月7日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(8)~東京・差止請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告訴訟代理人による陳述
2017年1月8日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(9)~東京・差止請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告(田中煕巳さんと小倉志郎さん)による意見陳述
2017年2月14日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(10)~東京「女の会」訴訟(第1回口頭弁論)における原告・原告代理人による意見陳述
2017年3月15日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(11)~東京・国家賠償請求訴訟(第3回口頭弁論)における原告代理人による陳述 
2017年3月16日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(12)~東京・国家賠償請求訴訟(第3回口頭弁論)における原告(田島諦氏ほか)による意見陳述
2017年4月21日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(13)~東京・差止請求訴訟(第3回口頭弁論)における原告代理人による陳述
2017年4月22日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(14)~東京・差止請求訴訟(第3回口頭弁論)における原告による意見陳述(様々な立場から)
2017年6月23日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(15)~東京・国家賠償請求訴訟(第4回口頭弁論)における原告訴訟代理人による陳述
2017年6月25日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(16)~東京・国家賠償請求訴訟(第4回口頭弁論)における原告による意見陳述(野木裕子さん他)
2017年8月7日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(17)~東京・差止請求訴訟(第4回口頭弁論)における原告訴訟代理人による陳述
2017年8月8日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(18)~東京・差止請求訴訟(第4回口頭弁論)において3人の原告が陳述する予定だったこ
2017年8月20日
「私たちは戦争を許さない-安保法制の憲法違反を訴える」市民大集会(2017年9月28日/日本教育会館)へのご参加のお願い