2017年12月5日配信(予定)のメルマガ金原.No.3007を転載します。
3週間毎にお届けする「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブ。今回は、086~088の3回分です。
ジャーナリストの石田温香(のどか)さんのお話を聴いてカタルーニャの民衆に思いを馳せ、木村真さん(豊中市議会議員)からは、「モリカケ問題」許すまじという気迫を注入され、最後のアーサー・ビナードさん(この番組のパーソナリティでもありますが、木内みどりさんのたっての希望でゲストとして招かれた)からは、いつものとおり、新鮮で鋭い視点を提供されます。
ということで、いつも以上に充実した内容の番組が続きます。関心の高い回から順次聴いていただければと思います。
自由なラジオ Light Up! (001~039までのアーカイブが聴けます)
jiyunaradio funclub (039以降のアーカイブが聴けます)
086 2017.11.21
PERSONALITY おしどりマコ・ケン
GUEST 石田温香さん(取材記者・ライター)
今回のスタジオのお客様は、取材記者・ライターの石田温香(いしだのどか)さんです。
カタルーニャ自治州の人口はスペインの16%ほどですが、国内総生産の約2割を作り出しています。それなのに、いくら稼いでも税金としてマドリードに吸い上げられ、カタルーニャのためには使われず、特にリーマン・ショック以降、経済が不安定になり、中央政府への強い不信感、反感が高まっていたことが、今回の独立運動の直接的な原因とされています。
しかし、それだけではない、カタルーニャには、独自の文化や言語までが虐げられつづけてきた過去の因縁があったのです。民族のアイデンティティを抑圧されながら耐え忍んできたカタルーニャの人々が、思いが届かない中央政府に対してNoを突きつけた訳が、今回の石田さんのお話しの中からよくわかります。
中央警察との衝突で血みどろになりながらも投票箱を守る衝撃的な映像に、私たちは言葉を失いました。石田さんがお話しになるますますリアルな現地の現状と合わせれば、到底今の世の民主国家の様とは思えません。加えて、そのスペインの今の世の憲法が、カタルーニャの独立を許さない根拠であり、プッチダモン氏を国家反逆罪に仕立て上げる事実を私たちは、どうとらえたらよいのでしょう。折しも日本での改憲論が現実味を帯びてきた今、私たちはしっかりと目を見開き、耳を澄まし、カタルーニャの今を知る必要があるように思います。
※ 番組でご紹介した音楽・カタルーニャのデモでもよく歌われているそうです。
L'estaca(レスタカ)/Lluis Llach(ルイス・リャック)
※「Light Up!ジャーナル」はお休みとさせていただきました。
【参考動画】
“Lluís Llach canta l'estaca”という2017年7月20日の映像がありました。
その41年前(1976年)の演奏を伝える動画もありました。
087 2017.11.28
責任を徹底追及!モリカケ問題――幕引きを許さないために
PERSONALITY 矢野宏(新聞うずみ火代表・ジャーナリスト)
■メインテーマ:「責任を徹底追及!モリカケ問題――幕引きを許さないために」
「首相官邸の関与はあったのか」「行政は歪められたのか」。一切の疑惑に答えぬまま、「加計学園」の獣医学部新設を認める文部科学省の審議会の答申を受け、林文科大臣が11月14日に新設を認可、来年4月の開学が決まりました。安倍首相の友人が理事長を務める加計学園だけが「えこひいき」されたのでは?規制緩和の恩恵を加計学園だけが受けるよう、初めから「加計ありき」だったのでは?鑑定額より8億円以上も値引きして国有地を売却した森友学園問題を含め、安倍首相はこれまで国会の追及から逃げ、国民の疑問に答えず、総選挙で信任を得たと言って、幕引きしようとしているのではないか?このままの幕引きは許せません。ということでゲストに、森友学園問題の火付け役で「モリカケ共同追及プロジェクト」を設立し、森友問題だけでなく、加計問題の疑惑も追及している豊中市議の木村真さんをお迎えし、モリカケ問題の最新情報をお届けします。
■Light-Upジャーナル:「世界の核災害と福島を繋ぐ想像力に向けて」
11月12日に東京・永田町の星陵会館で開かれた「世界の核災害に関する研究成果報告会」について話を伺います。この報告会は朝10時から午後6時半までの長丁場にも関わらず400人を集めたと言います。主催した「世界の核災害後始末調査」科研費グループの代表は今中哲二さんご本人。ということで、今回はこの団体はどういう団体なのか?また、報告会の趣旨はどのようなものだったのか?について伺います。
【参考サイト】
Light-Upジャーナルで取り上げられた「世界の核災害に関する研究成果報告会」の7時間動画をご紹介した私のブログです。
2017年11月16日
「世界の核災害に関する研究成果報告会」(11/12)をUPLANの7時間動画で学ぼう
088 2017.12.5
時代を自分事として捉えていますか?~過去とつながっている自分を見つめて欲しい。
PERSONALITY 木内みどり
GUEST アーサー・ビナードさん
今日のゲストは、時折この番組のパーソナリティも務めている詩人のアーサー・ビナードさんです。「アーサーのワカルラジオ」では、毎回、魅力的なゲストが登場しますが、意外と詩人アーサー・ビナードさんご本人については、語り尽くされてはいません。そこで彼の大ファンでもある木内みどりが、今回はたっぷり1時間、アーサーさんにインタビューをしました。今朝食べて来た朝ごはんのメニューから、山中鹿助まで、実に幅広くお話いただきましたが、そこには日本を愛し、日本の言語で詩を綴る心優しき詩人の魂が見え隠れします。
昨年5月、現職の大統領としては初めて広島を訪れたオバマ大統領。そのことを日本のマスコミや国民はこぞって賛美したようですが、アーサーさんの視点は全く冷めていました。オバマ大統領のスピーチは、原爆の投下命令を下したトルーマン大統領の演説と文脈がよく似ているのだと言います。「71年前、死が空から落ち、世界が変わった。」と言ったオバマ大統領。「アメリカの航空機が広島に一発の爆弾を投下した。」と言ったトルーマン大統領。どちらも主語が国でも自分でもない、誰も責任を取らなくてもいい言葉に憤るのだと、言葉にこだわる詩人らしい視点で、アーサーさんは語ります。
アメリカに生まれながらも日本人より日本を深く知ろうと学ぶアーサーさんの目には、そんな権力の嘘やペテンを見抜く眼力もあるようです。そしてそんな人たちの扇動、PRにうまく乗せられる体質の日本人が今陥っている状態をアーサーさは、問題視します。
峠三吉の「原爆詩集」が日本文学の最高の宝だというアーサーさんが大切にする、日本人が伝えていくべき大切な思いとは何か?どうぞごゆっくりとお聴きください。
<番組で紹介した本>
【参考サイト】
中国新聞 ヒロシマ平和メディアセンター 17年1月10日
(抜粋引用開始)
詩人のアーサー・ビナードさんは、新たに岩波文庫に収められた峠の「原爆詩集」に解説を寄せている。「日本語で書かれた『戦後文学』の最優秀詩集にノミネートしたい」―。そんな最大級の評価をつづった理由を語ってもらった。
ちちをかえせ ははをかえせ
としよりをかえせ
こどもをかえせ
こう始まる一編は、原爆詩として最も有名で、英訳が付されて海外にも知られている。でも、冷静になってみると表記が間違っている。タイトルがない。「原爆詩集」を手に取れば分かるけれど、タイトルは、「序」。なぜ省いたのか。平仮名表記に徹した詩の分かりやすさが損なわれる、などと考えたのだろう。
でも、これはあくまで「序」だ。峠は、できるだけ多くの人を招き入れるために、詩集の冒頭にこれを置いた。原爆を伝える上でのほんの入り口、序の口に過ぎないから、タイトルは「序」。なのに、「序」だけで分かったつもりになって、この後に続く詩がどれほどすごいかを知らない人が多すぎる。表現力の高さ、言語的実験としての価値、核時代を見据えた先見性…。知らずにいるのは、あまりにもったいない。
(引用終わり)
(弁護士・金原徹雄のブログから/「自由なラジオ LIGHT UP!」アーカイブ・シリーズ)
2016年8月16日
「市民のための 自由なラジオ LIGHT UP!」のご紹介~もう19回分もアーカイブがたまっていた
2016年9月5日
2016年10月1日
2016年10月25日
伊藤宏さん(和歌山信愛女子短期大学教授)が西谷文和さんと語る「現場記者が見てきた『原子力ムラ』」ほか~「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(027~030)
2016年11月26日
“DAYS JAPAN”丸井春編集長が語る「いのちのものさし」ほか~「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(031~034)
2016年12月18日
2017年1月12日
2017年2月9日
2017年3月7日
2017年3月28日
「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(050~052)~「森友」問題も「カジノ」問題も
2017年4月19日
「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(053~055)~命を見つめ続けてきた人たち
2017年5月10日
2017年5月30日
2017年6月20日
2017年7月11日
2017年8月1日
2017年8月24日
「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(071~073)~リスナー大感謝祭、「原爆の図」、笑福亭竹林さん
2017年9月12日
2017年10月3日
2017年10月25日
2017年11月14日