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立憲デモクラシーの会「公文書改ざん問題についての見解」(2018年3月26日)を読む  

 2018年3月27日配信(予定)のメルマガ金原.No.3099を転載します。
 
立憲デモクラシーの会「公文書改ざん問題についての見解」(2018年3月26日)を読む
 
 本日(3月27日)午前中は参議院予算委員会で、午後からは衆議院予算委員会において、森友学園に対する国有地売却問題に関し、佐川宣寿・前国税庁長官に対する証人喚問が行われましたが、財務省決裁文書の改ざん理由や経緯については、刑事訴追の恐れがあるとして証言を拒絶する一方、安倍首相や昭恵夫人、麻生財務相、管官房長官らの関与は明確に否定したようです(丸川珠代自民党参議院議員がその証言を引き出す使命を担っていたようですね)。
 もっとも、そんなことは前から誰でも予想していたことであるにもかかわらず、「マーケットには安倍晋三内閣は危機を切り抜けたとの見方が浮上。日経平均(.N225)が前日比500円超上昇し、経済界からも国会での政策議論を求める意見が出ており、「森友疑惑」が落着するかどうかは、今後の世論次第になりそうだ。」(ロイター)というのですから呆れざるを得ません。
 
 何しろ、今日の日中に行われた証言なので、私は全然見ていないのですが、会議録が公表されるまでしばらく時間がかかりますので、両院のインターネット審議中継のURLを備忘的に書き留めておきます。
 
参議院インターネット審議中継
      ↓
「審議中継カレンダー」から「3月27日」を選択してクリック
   ↓
「会議を検索」から「予算委員会」を選択してクリック
(質疑者)
金子原二郎(予算委員長)
丸川珠代自由民主党・こころ)
横山信一(公明党
浅田均(日本維新の会))
薬師寺みちよ(無所属クラブ)
 
衆議院インターネット審議中継
   ↓
「カレンダー検索」から「3月27日」を選択してクリック
      ↓
「会議名」から「予算委員会」を選択してクリック
(質疑者)
河村建夫(予算委員長)
竹内譲(公明党
逢坂誠二立憲民主党・市民クラブ)
今井雅人希望の党・無所属クラブ)
 
 ロイターが「今後の世論次第」と言うのなら、いよいよ「安倍退陣」を要求する国民運動を盛り上げていくしかないのですが、そのための的確な理論的基盤を端的に提供することを目的として(かどうか確認していませんが)、立憲デモクラシーの会が、昨日(3月)26日)、「公文書改ざん問題についての見解」を公表しました。
 今日は、その全文をご紹介します。
 「改ざん」は何が問題なのか、何故許してはならないのか、誰もが納得できる根拠が、短い文章の中に凝縮されています。是非、今後の運動の参考にしたいものです。
 
立憲デモクラシーの会 公文書改ざん問題声明(3/26)
(引用開始)
                         公文書改ざん問題についての見解
 
 安倍政権は、違憲な安保法制の成立強行など、立憲民主主義への挑戦を繰り返してきた。 さらにこのたび発覚した虚偽答弁や公文書改ざんが示すのは、内閣が国会に対して説明責任を負う議院内閣制の政治システムや、文書主義にもとづく近代官僚制などが安倍政権下で根底から否定され、民主主義や法の支配の大前提が崩壊しつつある現実である。その結果、日本がもはや近代国家として「根腐れ」の状態にまで追い込まれていることは明らかである。公務員である官僚は全体への奉仕者であり、公文書は民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源、かつ、現在及び将来の国民に対する説明責任を負うものであるから、今回の事態は、いわば国民の財産に官僚が勝手に手をつけたという異常事態なのだ。
 現段階では、安倍政権は一連の事態を財務省前理財局長と一部職員の「暴走」の結果であるとの弁明を繰り返しており、財務大臣首相官邸の関与を否認している。しかし、仮に 政権中枢やその関係者からの政治的関与や圧力が介在したことが今後明らかになったとすれば、その政治責任はきわめて大きく、内閣総辞職は当然である。また仮に政治家の関与が確証されなかったとしても、責任内閣制の原則に照らして、公文書の組織的改ざんという官僚制の自滅行為に対する首相や財務大臣監督責任は免れない。
 今回、財務省において公文書が組織的に改ざんされ、政府は改ざんした文書を真正なものと偽って国会へ提出した。しかも、国土交通省ばかりか首相官邸、そして独立の機関である会計検査院までもが事情を把握しながら、新聞報道や野党の追及にもかかわらず真相解明に速やかに協力しなかったことが判明している。国会において虚偽答弁を繰り返してきたのは、財務官僚だけでなく首相や財務大臣も同じであり、国会を欺き、しかも改ざんを極力隠蔽しようとする態度に終始したと言わざるを得ない。
 これは、法の支配を制度的に担保する近代的官僚制の崩壊と、国民を代表する国権の最高機関としての国会への冒涜に他ならない。公文書が事後的に恣意的に改ざんされ、虚偽文書が国会に提出するようなことがまかり通るのであれば、国会が行政権の行使をチェックすることは不可能となり、政府はいかなることでも行いうるようになってしまう。まさに、立憲主義と議会制民主主義の否定である。安倍政権は昨年10月、疑惑を追及する有 権者の声を封じるようにして、解散総選挙を強行した。これまでも選挙で勝利し、国会で多数を占めれば何でも許されるという傲慢な態度を取り、この5年間立憲民主主義を掘り崩してきた。その行きつく果てが今回の事態である。
 それゆえ、ことは前理財局長一人に責任を押し付けたり、検察による刑事責任の追及のみに委ねたりして済む話ではない。問題の発端となった国有地売却の適切性も含めて、一連の疑惑につき、全ての関係者の国会招致などにより、真相の解明と責任の追及がなされなければならない。高級官僚の人事を政治家が行う内閣人事局の存在が、政治家と官僚との関係をゆがめているとすれば、その制度改革も必要となる。権力者が法を超越するのか、法が権力者を規制するのか、まさに瀬戸際である。「とかげの尻尾切り」に終わらせず、腐敗の核心に迫らなければ、日本の立憲民主主義の回復はありえない。
 
2018年3月26日
 
立憲デモクラシーの会
(引用終わり)