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ブックレット『[解説] 自民党改憲案の問題点と危険性』(安倍改憲NO!全国市民アクション、改憲問題対策法律家6団体連絡会)のご案内

 2018年6月12日配信(予定)のメルマガ金原No.3176を転載します。
 
ブックレット『[解説] 自民党改憲案の問題点と危険性』(安倍改憲NO!全国市民アクション、改憲問題対策法律家6団体連絡会)のご案内
 
 昨年(2017年)の11月、改憲問題対策法律家6団体連絡会が立憲フォーラムと共同で、36ページのブックレット『解説・安倍改憲は許さん!』(頒価100円)を発行したことは、このブログでもお知らせしたところです(ブックレット『[解説] 安倍改憲は許さん!』(立憲フォーラム、改憲問題対策法律家6団体連絡会)のご案内/2017年12月29日)。
 
 このブックレットは、
第1章 憲法立憲主義
第2章 安倍政治と立憲主義
第3章 9条に自衛隊の存在を明記する改憲案の本質と危険性
第4章 自民党が提起する9条以外の改憲
第5章 総選挙後の改憲状況第1章 憲法立憲主義
という構成となっており、この内、第1章~第4章が全て分かりやすいQ&A形式で解説されていました。
 
  そして、今年の5月、改憲問題対策法律家6団体連絡会と(今度は)「安倍改憲NO!全国市民アクション」が共同して44ページのブックレット『解説・自民党改憲案の問題点と危険性」(頒価100円)を発行しました(編集・発行は「安倍改憲NO!全国市民アクション」名義)。
 
 青年法律家協会弁護士学者合同部会のホームページに掲載された申込書に記載された内容説明を引用します。
 
(引用開始)
本年3月25日の自民党大会で改憲4項目が取りまとめられました。その危険な本質をいち早くお知らせするために、改憲対策法律家6団体連絡会と安倍改憲NO!全国市民アクションが共同でブックレット「自民党改憲案の問題点と危険性」を緊急出版いたしました。自民党改憲案の全貌とその問題点を憲法学者らがわかりやすく解説しています。安倍改憲NO!の声を一層大きなものとするために、是非ご活用下さい。
(主な内容)
第1章 9条改憲・「自衛隊明記」
第2章 「教育の充実」について
第3章 緊急事態条項
第4章 合区解消と地方自治
第5章 安倍改憲改憲手続き法
(引用終わり)                                             
 
 私も早速取り寄せて通読してみましたが、今度は、第1章から第5章まで、全てQ&A形式で統一されています。
 章立てを一読すればお分かりのように、自民党改憲を目指す4項目ごとに、その問題点と危険性が、様々な視点から解説されています。
 
 例えば、第1章のQ1「自民党は、3月25日の党大会での9条改憲案の絞り込みを見送りました。これをどう見たらよいですか?」に対して、2つの見方を紹介しているのですが、その1つは「いずれ衆参の3分の2以上による改憲発議を狙う以上、他党との相談や調整は不可欠であって、ここで党独自案を詰めてしまうのは『手を縛る』ことになり、その必要はないとの判断です。」というものであり、私も大いに肯きました。
 また、Q3「A2の①案が『必要最小限』という言葉を使っているのにはどんな意味がありますか?②や③の案より自衛隊の活動を限定する意味はありませんか?」とあるセクションは非常に重要であると思います。
 この質問に対する答えをご紹介する前提として、自民党が正式な絞り込みを見送った9条の2新設の有力案①~③(いずれも9条の2第1項の部分)を読んでおく必要があります。
 
① 我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つための必要最小限度の実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。
② 我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な措置をとることを目的として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。
③ 前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。
 
 このうち、③案が、最有力と報道されたりもしましたが、正式に自民党案として決定した訳ではありません。
 そして、これを前提として、Q3の問いに対しては以下のような回答が与えられています。
 
(引用開始)
Q3 A2の①案が『必要最小限』という言葉を使っているのにはどんな意味がありますか?②や③の案より自衛隊の活動を限定する意味はありませんか?
A3 いいえ、おそらくそうではないでしょう。
 ①案は、たしかに「我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つための必要最小限度の実力組織」という形で、「必要最小限度」という言葉を使っていますが、これは、自衛隊という組織の「目的」を示す規定です。「我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つ」という目的に照らして、自衛隊がどれくらいの規模の組織であれば「必要最小限度」と言えるかは、なかなか定めがたいでしょう。ようするに、ここでの「必要最小限度」という言葉は、抽象的であいまいなのです。
 一方、これまでに使われてきている「自衛のための必要最小限度の実力の行使」という言い方は、自衛隊武力行使という活動が「自衛のための必要最小限度に止まるべきだ」という「上限」ないし「基準」を示す形になっています。この「基準」に基づいて、政府はこれまで「長距離爆撃機大陸間弾道ミサイルICBM)などを保持することはできない」と述べてきたのです。こちらの「必要最小限度」という言葉は、いわゆる「専守防衛」の観念とも関わって、一応「限定的」な意味を持っています。
 しかし、①案で使われている「必要最小限度」という言葉は、そうした文脈のものではありません。この言葉に自衛隊の活動を限定する意味を読み込むことはできません。
(引用終わり)
 
 小さなブックレットではありますが、以上のような、自分自身、気がついていなかった視点を教えられる点も多々あり、とても読み応えがあります。
 1冊100円と廉価であり、10冊以上の場合は送料無料となりますので、是非、上記青法協サイトの申込書などを利用して取り寄せ、「自民党改憲案の問題点と危険性」についての認識を深めていただければと思います。

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