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白浜町長に県内8団体が要望書を提出~使用済核燃料の中間貯蔵施設は受け入れないとの意思の表明を求める(2018年2月23日)

 2018年2月25日配信(予定)のメルマガ金原.No.3089を転載します。
 
白浜町長に県内8団体が要望書を提出~使用済核燃料の中間貯蔵施設は受け入れないとの意思の表明を求める(2018年2月23日)
 
 和歌山県南部(紀南)の中心都市である田辺市で、吉原毅さん(城南信用金庫相談役、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟会長)を迎え、「「原発ゼロ法案」と「核のゴミ」を考える~白浜に核のゴミ(中間貯蔵施設)は来るのか!?~」がビッグ・ユー多目的ホールで開催された一昨日(2月23日)、集会に先立ち、「脱原発わかやま」など県下8団体の代表者らが隣接する白浜町役場を訪ね、井澗誠(いたに・まこと)町長に対し、「温泉観光とパンダの町・白浜町を核のゴミの捨て場にしないよう使用済核燃料の中間貯蔵施設は受け入れないとの意思をあらかじめはっきりと表明してください」という非常に長いけれども、趣旨のよく分かる要望書を提出しました。
 その模様を伝えた地元紙・紀伊民報のWEB版の記事を引用します。
 
紀伊民報 2018年2月24日更新
使用済み核燃料施設受け入れないで 白浜町長に表明求める
(引用開始)
 「脱原発わかやま」(冷水喜久夫代表)などの市民団体の代表者らが23日、和歌山県白浜町役場を訪ね、原子力発電所から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設を受け入れないことの表明を求める要望書を井澗誠町長に手渡した。井澗町長は「受け入れに前向きな考えを持っているわけではなく、頭の中にはない」などと語った。
(略)
 要望は、関西電力が2018年中にも同施設の計画地点を公表する方針を表明していることに触れ「町内の土地が候補地にならないよう、拒否する姿勢である意思をはっきりと示して」などと求めている。冷水さんは「旧日置川町ではかつて原発計画があり、賛否を巡って町が二分した。親子やきょうだいまで敵と味方になるような悲劇は繰り返してはいけない。観光地・白浜と(同施設)は相いれないと言ってほしい」と話した。
 井澗町長は「具体的な話はなく、判断する材料もない。国や電力会社が時間をかけて説明し、受け入れてくれる所を探すべきだと考えている。民意が一番大きな視点になる」などと応じた。
(引用終わり)
 
 白浜町は、白浜温泉で名高い古くからの観光地であるばかりか、近年は、「日本で一番たくさんパンダがいる町」として知られています。現在でも、父親の永明(えいめい/25歳)、母親の良浜(らうひん/17歳)、二頭の間に生まれた3姉妹、双子の桃浜(とうひん/3歳)、桜浜(おうひん/同)、末娘の結浜(ゆいひん/1歳)の計5頭がアドベンチャー・ワールドで生活している他、白浜生まれで原籍国の中国に旅立って行ったパンダの子ども(全て父親は永明)は既に11頭に達しており、本国以外でこれほど多くのパンダが生まれたところは他にありません。
※白浜パンダファミリーの系図
 
 そんな白浜町が、使用済核燃料の中間貯蔵施設騒動に巻き込まれることになったのは、平成の大合併を抜きにしては語れません。2006年3月1日、白浜町と日置川町(ひきがわちょう)が合併して現在の白浜町となったのですが、日置川町といえば、関西電力原子力発電所の建設を計画した県内5箇所のうちの1箇所でした(他は、日高町2箇所、那智勝浦町、古座町)。
 しかも、日置川では、関西電力が、原発建設計画が頓挫した後も取得した用地を手放さず、駐在員を常駐させ続けていることが知られており、原子力発電所の新設の可能性はさすがに低下しているものの、使用済核燃料の中間貯蔵施設、あるいは高レベル放射性廃棄物の最終処分場の候補地として復活してくる危険性があるのではないかということが、かねてより懸念されていました。
 そのような中、関西電力は、2017年11月27日、大飯原子力発電所3・4号機の再稼働に向けて福井県の西川一誠知事の同意を取り付けた際、使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、「2018年中に具体的な計画を示す」と表明し、にわかに白浜町日置が注目を集めることになった訳です。
 今年に入ってから、私のブログでもご紹介した3回の学習会や集会が田辺市和歌山市で開かれたのも、計画が正式に発表されてから対策を考えていたのでは遅過ぎる、という危機感のあらわれでしょう。
 
 1月20日(土)13時30分~ 田辺市ひがしコミュニティセンター
 和歌山に中間貯蔵施設はいらない!
 講師:小山英之氏(美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表)
 主催:脱原発わかやま
    
 2月18日(日)14時00分~ 和歌山市あいあいセンター3階(会議室第3・第4)
 和歌山に中間貯蔵施設はいらない!
 講師:小山英之氏(美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表)
 主催:市民連合わかやま、子どもたちの未来と被ばくを考える会
 協賛:にんにこ被災者支援ネットワーク・和歌山、原発がこわい女たちの会、上岩出診療所
 
 2月23日(金)15時00分~ 和歌山県立情報交流センターBig・U多目的ホール
 「原発ゼロ法案」と「核のゴミ」を考える~白浜に核のゴミ(中間貯蔵施設)は来るのか!?~
 講師:吉原 毅氏(城南信用金庫相談役、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟会長)
 主催:「原発ゼロ」と「核のゴミ」を考える会 
 
 2月23日に、上記の企画を主催したり協賛したりした団体など8団体が共同で白浜町長に要望書を提出したのも、中間貯蔵施設の受け入れについて、議会で質問されても、明確に受入拒否の意向を表明しない井澗誠(いたに・まこと)町長に対し、今こそ、多くの県民の声を代弁して届けるべきと判断されたものでしょう、と「こどもたちの未来と被ばくを考える会」広報担当としては思います。もっとも、このような申し入れに対し、町長がご自身で応対されたという姿勢は評価すべきでしょうね。これが和歌山市だったらどうだっただろうか?
 
 なお、昨年の白浜町議会において、日本共産党の丸本安高議員が、2度にわたり(9月定例会と12月定例会)、この問題について質問しています。その際の質疑の模様は、同町議会ホームページで公開されている会議録で読むことができます。
 
平成29年白浜町議会第3回定例会 会議録(第3号)
※丸本議員の質問は55頁以降です。
 
平成29年白浜町議会第4回定例会 会議録(第2号)
※丸本議員の質問は3頁以降です。
 
 丸本議員の質問と井澗町長の答弁をまるごと引用しようかとも思いましたが、相当な分量になりますので、これは「明日に続く」とさせていただきます。
 
 それでは、8団体による白浜町長宛の要望書を引用します。是非、情報の「拡散」にご協力いただければと思います。
※要望書PDFファイル
 
(引用開始)
            温泉観光とパンダの町・白浜町を核のゴミの捨て場にしないよう
              使用済核燃料の中間貯蔵施設は受け入れないとの意思を
                         あらかじめはっきりと表明してください
 
 白浜町は温泉・観光とパンダの町として広く全国に知られています。日置川原発の立地を拒否した町としても知られています。そこに、実質的に永久的な核のゴミ捨て場となる中間貯蔵施設がつくられる可能性が浮上しています。そのことに、私たちは強い危惧を抱いています。
 関西電力は昨年11月、福井県知事に対し原発の使用済燃料の貯蔵所を福井県外につくること、今年12月までにその計画地点を公表することを約束しました。白浜町日置川周辺では関西電力が海岸に近い土地をすでに買い占めていると言われ、現地駐在員もいろいろな動きを示していることから、計画地点となる可能性が高いと考えられます。
 町内の土地がけっして候補地とならないよう、町長として拒否する姿勢である意思を、事前にはっきりと示してくださるよう要望します。
 
 日置川地域は、かつて原発設置問題が浮上して、賛否をめぐって町は二分され、長年対立が続いてきました。親子兄弟までが敵味方になるという悲劇を繰り返してはなりません。
 
 現在、核燃料サイクルもんじゅ廃炉などによって実質的に破たんしています。本来中間貯蔵施設から搬出されるはずであった第2再処理工場は影も形も見えません。50年程度の中間貯蔵を終えた頃に六ヶ所再処理工場が存在しているという保証もありません。その結果再処理ができなければ、原発の使用済燃料は「リサイクル燃料」ではなく、ただの核ゴミと化してしまいます。中間貯蔵施設は永久的な核のゴミ捨て場となり、子々孫々に深刻な負担を押し付けることになります。
 
1.使用済燃料の貯蔵期間は法的に定められていない上、貯蔵後の行き先がありません
 使用済燃料を何年貯蔵するのかは法的に決められていません。むつ市の中間貯蔵施設のように50年としても、変更申請によって伸ばすことができることを原子力規制庁は認めています。
 肝心の貯蔵終了後の具体的な搬出先施設は見えていません。すなわち、そこが永久的な核ゴミの墓場とならないという保証は何もないのです。高浜原発28基分という膨大な危険な核のゴミが子や孫に残されていいのでしょうか。
 
2.南海トラフの巨大な地震津波による危険性があります
 南海トラフ地震は今後30年間に70~80%の確率で起こるとされており、貯蔵期間中に起こるものと考える必要あります。白浜町辺りは震度7となり、津波は高さ約20mと予測されています。
 地震によって建屋が倒れたり歪んだりすると、空冷式の冷却が損なわれる恐れがあります。使用済燃料が出し続ける熱でキャスク(容器)が破損し放射能が放出される危険があります。長期間にわたる劣化と地震動でキャスク内のバスケット(仕切り板)が崩れて臨界事故が起こる危険性もあります。
 
 このような考えから、以下の点を要望します。
 
                                      要 望 事 項
 使用済核燃料の中間貯蔵施設を白浜町は、けっして受け入れないという意思を、早急に表明してください。
 
白浜町長  井 澗   誠  様                          
  2018年2月23日
                                                       
団体名
1.脱原発わかやま(代表 冷水 喜久夫)
2.やめよら原発・NO核熊野の会(代表 阪口 俶子)
3.つゆくさと大地の会(代表 奥野 佳世)
4.原発がこわい女たちの会(代表 松浦 雅代)
5.こどもたちの未来と被ばくを考える会(代表 芝野絢子・松永久視子・松浦雅代)
6.にんにこ被災者支援ネットワーク・和歌山(代表 富士原 史香)
7.上岩出診療所(代表 山崎 知行)
8.9条ママnetキュツと(代表 笠松 美奈)
(引用終わり)
              
            連絡先     脱原発わかやま
               代 表  冷水 喜久夫
                  連絡先  白浜町大古132
                  電 話  0739-52-3272
(引用終わり)
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2018年1月8日
「和歌山に中間貯蔵施設はいらない!~脱原発わかやま原発学習会」(2018年1月20日)のご案内
2018年2月3日
「和歌山に中間貯蔵施設はいらない!」(講師:小山英之美浜の会代表)が和歌山市でも開催されます(2/18あいあいセンター)
2018年2月4日
吉原毅氏を招いて/「原発ゼロ法案」と「核のゴミ」を考える~白浜に核のゴミ(中間貯蔵施設)は来るのか!?~(2/23田辺ビッグ・ユー)のご案内