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「核のゴミはいらん日置川の会」が結成されました~松浦雅代さんからの報告

 2018年7月31日配信(予定)のメルマガ金原No.3225を転載します。
 
「核のゴミはいらん日置川の会」が結成されました~松浦雅代さんからの報告
 
  いつもお世話になっている松浦雅代さんから、和歌山県白浜町日置(ひき)地区に関西電力の使用済み核燃料「中間貯蔵施設」が出来るのではないか?という問題に対応するため、地元日置地区住民を中心として、「核のゴミはいらん日置川の会」が7月29日に結成されることになったと伺ったのは、和歌山市長選挙が公示された7月22日のことでした。
 その結成総会の模様につき、松浦さんからメールでレポートをお送りいただくことができましたので、そのままご紹介します(末尾に私の責任で若干の補注を添えています)。
 松浦さんも書かれていますが、白浜町6月議会において、井澗誠(いたに・まこと)町長が、初めて「中間貯蔵施設」受け入れに消極的な意向を表明したとはいえ、楽観して良いという状況ではなく、この問題には今後も引き続き注視していかねばなりません。
 

松浦雅代さんからお送りいただいたメール 2018年7月30日] 
 
 金原徹雄さま
 
 いつも大変お世話になっています。
 美浜の会の小山英之さんから、[no-mox]のメーリングリストに、7月29日の「核のゴミはいらん日置川の会」結成の報告を書くように要請を受けて簡単にまとめてみました。
初めてこの問題を知るという人にも分かるようにと書きましたので、地元和歌山の人には今さらという箇所も多々あると思いますが、何かの参考となれば幸いです。
 なお、[no-mox]に投稿した文章を若干手直ししています。
 7月29日のお知らせチラシも添付します。
 
                      松浦雅
 

 「脱原発わかやま」の松浦雅代です。
 みなさま異例の逆走台風12号の被害はありませんでしたか?
 和歌山県の「核のゴミはいらん日置川の会」結成の報告です。
 
 昨年の11月、関西電力は、使用済み核燃料の「中間貯蔵施設」について、2018年12月までに、福井県外の具体的な計画地点を示す、と福井県知事に約束しました。(あと5か月です)
 「脱原発わかやま」は、昨年の白浜町12月議会で、井澗誠(いたに・まこと)町長が「国や関西電力から話があれば話を聞く」との答弁であったこともあり、2018年1月20日には白浜町に隣接する田辺市で、2月18日には和歌山市で、「和歌山に中間貯蔵施設はいらない!」という学習会を、いずれも講師に小山英之氏を招いて開催しました。 その後すぐの2月23日(白浜町議会2月議会最終日)に、和歌山の8団体で中間貯蔵施設は受け入れないとはっきり表明してくださいとの要望書を井澗町長に提出しました。
 また、4月16日には、「避難計画を案ずる関西連絡会」の代表9名が、京都、兵庫、大阪から白浜町を訪れ、全国200の団体の賛同署名と、受け入れないとの意思表明を求める要望書を提出しました。
 4月28日には、「脱原発わかやま」が、「避難計画を案ずる関西連絡会」作成のリーフレット【永久の核のゴミ捨て場、原発延命のための使用済み核燃料の「中間貯蔵施設」に反対しよう】7000部を白浜町に新聞折込みをしました。
 
 そしてやっと、7月29日(日)に、まず関西電力が土地を確保している日置(ひき)地区に「核のゴミはいらん日置川の会」を結成することとなり、設立総会が開かれました。今後その他の地区でも結成の準備が検討されています。
  「核のゴミはいらん日置川の会」設立総会では、共同代表6人が選ばれ、会則、今後の取組みも承認され、台風接近という悪天候にもかかわらず、約100人の皆さんが参加され、総会後の記念講演「中間貯蔵施設とは何か」(講師:小山英之氏)にも熱心に聴き入っておられました。
 共同代表や事務局の皆さんは言うまでもありませんが、会場に参加された全員から、「ゆたかな海・山・川を子どもや孫たちに残そう」との意気込みが感じられました。
 
 台風12号の影響で交通網がどうなるか心配していましたが、JR(紀勢線)特急くろしおの運休を見込んで、講師の小山さんが前日に白浜町に来てくださっていましたので、予定通り設立総会と記念講演を開催することができました。
 
 最後に、関西電力白浜町日置に確保している土地について簡単にご説明しておきます。
 かつて、和歌山県日置川町(当時)に関西電力が計画した日置川原発の候補地として、1976年に日置川町議会が関西電力に売り渡すと決定した土地がありました。
 1988年7月の町長選で、日置川町民が原発NOを選択し、その後30年原発に頼らない町行政を推進してきました。
 この間も、関西電力のPRセンターには、立地部2名が常駐していて、昨年から増員されたと聞きました。地域住民とのコミニケーションをとり続けて来たのはあくまで関電のためであることは言うまでもなく、日置川原発候補地周辺の反対派の人が持っていた土地も関電が買い増ししていることもわかりました。
 また、それ以外に新たに関西電力とその関連会社が、日置の海岸に広大な土地を保有していることも分かりました。
 
 白浜町の井澗町長は6月議会で、「国や事業者からコンタクトや申し入れがない中で、施設を受け入れることは考えていない」と表明しました(紀伊民放から)。
 しかし、関西電力は、日置の海岸に広大な土地を保有しています。何のための土地なのか。油断はできません。
 
(日置川町と白浜町は2006年に合併して白浜町になっています)
 

[金原による若干の補注]
 
〇「核のゴミはいらん日置川の会」結成
 地元紙・紀伊民放が結成予定であることを伝える記事を書いています。
紀伊民放 2018年7月21日
核のごみ中間貯蔵施設造らせない 白浜で住民団体設立へ
 
〇「核のゴミはいらん日置川の会」設立総会・講演会のチラシ
 以下にチラシの内容を転記します。
(引用開始)
会員・町民のみなさんへ
「核のゴミはいらん日置川の会」
設立総会と「中間貯蔵施設とは何か」講演会のご案内
ゆたかな 海・山・川を 子どもや孫たちに残そう
日置川に「核のゴミ施設」は、いりません
「核のゴミ捨て場」にされないよう反対しましょう
6月議会で井澗町長は、国や関西電力が申し入れがない中で、中間貯蔵施設は「受け入れない」と表明しました。
しかし関西電力は、日置の海岸に広大な土地を保有しており、油断できません。このことについて、右記の日程で「核のゴミはいらん日置川の会」設立総会と「中間貯蔵施設とは何か」についての講演会を行いますので、ご参加いただきますようお願いします。
                                      記
とき 平成30年7月29日(日)
ところ 日置川拠点公民館 午後1時30分
講演 「中間貯蔵施設とは何か」
     美浜の会 小山 英之 先生
主催 「核のゴミはいらん日置川の会」準備会
共同代表 前岩 崇、小野洋男、梅本昌宏、生本洋三、保富 学、北 和之
会員 60名(7月1日現在)
事務局 冷水喜久夫(携帯 090-8653-2514)
(引用終わり)
※チラシの最後に、「日置川原発」及び「中間貯蔵施設」候補地??として、関西電力及び関連会社所有土地約62haの略図が掲載されています。  
 
関西電力福井県知事に対する約束
 毎日新聞の記事を引用します。
毎日新聞 2017年11月23日
関西電力  中間貯蔵施設の建設地「18年には示す」
(抜粋引用開始)
 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)再稼働をめぐり、関電の岩根茂樹社長が23日、福井県庁で西川一誠知事と会談し、原発で出た使用済み燃料を一時保管する中間貯蔵施設の建設地について「2018年には具体的な(県外の)計画地点を示す」と述べた。西川知事は中間貯蔵施設の県外立地の具体化を再稼働の条件の一つとしていた。 
(引用終わり)
 
〇2017年12月議会における井澗誠町長の答弁
 私も今年の2月26日に「パンダの町・白浜町関西電力の中間貯蔵施設を受け入れるのか?~白浜町議会2017年12月定例会会議録を読む」というブログを書いてご紹介しています(巻末リンク参照)。
平成29年白浜町議会第4回定例会 会議録(第2号)
(抜粋引用開始)
 その時点(注:2017年9月)でまだ中間貯蔵施設が白浜町にどうのこうのという話は全くありませんし、今現在もございません。ですから、それについては、今後、そういった国や県から、あるいは事業者さんから話し合いの申し出があれば、当然、それは話をするのが、私は町としての立場だというふうに思っております。
(引用終わり)
 
〇小山英之さんによる講演「和歌山に中間貯蔵施設はいらない!」
 今年の1月20日に田辺市ひがしコミュニティセンターで行われた学習会での小山さんによる講演の模様がYouTubeにアップされています(撮影:小谷英治さん)。
和歌山に中間貯蔵施設はいらない20180120(1時間50分)
 
〇和歌山の8団体による井澗町長宛の要望書
 本年2月23日に和歌山県下の8団体が井澗誠白浜町長に提出した要望書については、私のブログでもご紹介していますが、以下に要望書のPDFファイルにリンクしておきます。
温泉観光とパンダの町・白浜町を核のゴミの捨て場にしないよう使用済核燃料の中間貯蔵施設は受け入れないとの意思をあらかじめはっきりと表明してください
 
〇「避難計画を案ずる関西連絡会」による井澗町長宛の要望書
 本年4月16日に「避難計画を案ずる関西連絡会」が井澗町長に提出した要望書についても、私のブログでもご紹介していますが、以下に要望書のPDFファイルにリンクしておきます(県下8団体の要望書とタイトルがそっくりですが、こちらの方は中間貯蔵施設にカギ括弧が付いています)。
温泉観光とパンダの町・白浜町を核のゴミの捨て場にしないよう使用済核燃料の「中間貯蔵施設」は受け入れないとの意思をあらかじめはっきりと表明してください
 
〇カラーリーフレット【永久の核のゴミ捨て場、原発延命のための使用済み核燃料の「中間貯蔵施設」に反対しよう 和歌山県白浜町への立地を止めよう】
 非常に充実したカラーリーフレットです。1部20円で頒布中。美浜の会のホームページに活用促進を訴えるページが掲載されています。
 ただ、私としては、有料頒布しているからという事情は分からないこともないのですが、広く一般市民に「白浜町日置が危ない」ということをアピールするためには、美浜の会なりグリーンアクションなりのホームページで、この全4ページのリーフレットを完全公開すべきだと思っているのですけどね。実際、関西電力白浜町日置に確保している土地の状況について、図版も交えて分かりやすく説明されており、これは文章だけで説明するより、何倍も説得力がありますから。
 
〇2018年6月議会における井澗誠町長の答弁
 町議会ホームページを確認しましたが、まだ5月臨時議会までの会議録しか公開されていませんでしたので、町長の答弁の内容を伝えた紀伊民放の記事を引用しておきます。
紀伊民放 2018年6月14日
使用済み核燃施設受け入れない 白浜町長が表明
(抜粋引用開始)
 和歌山県白浜町の井澗誠町長は14日の町議会で、原子力発電所から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設について「受け入れることは考えていない」と述べた。これまでの発言から踏み込み、初めて否定的な姿勢を示した。
 溝口耕太郎議員(無)が一般質問でこの話題を取り上げた。「昨年から『白浜に中間貯蔵施設ができるかもしれない』と集会を開いたり、チラシを作ったりして活動している方々がいる」として、井澗町長の考えを聞いた。
 井澗町長は「町民の中には不安を感じている方もいると思う。国や事業者(電力会社)からコンタクトや申し入れがない中で、施設を受け入れることは考えていない」と答えた。「電力会社や国からは非公式にも打診や申し入れはない」「施設の確保は国や事業者が責任をもって進めていくべきだ」とも述べた。
(引用終わり)
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/白浜町・中間貯蔵施設関連)
2018年1月8日
「和歌山に中間貯蔵施設はいらない!~脱原発わかやま原発学習会」(2018年1月20日)のご案内
2018年2月3日
「和歌山に中間貯蔵施設はいらない!」(講師:小山英之美浜の会代表)が和歌山市でも開催されます(2/18あいあいセンター)
2018年2月4日
吉原毅氏を招いて/「原発ゼロ法案」と「核のゴミ」を考える~白浜に核のゴミ(中間貯蔵施設)は来るのか!?~(2/23田辺ビッグ・ユー)のご案内
2018年2月25日
白浜町長に県内8団体が要望書を提出~使用済核燃料の中間貯蔵施設は受け入れないとの意思の表明を求める(2018年2月23日)
2018年2月26日
パンダの町・白浜町関西電力の中間貯蔵施設を受け入れるのか?~白浜町議会2017年12月定例会会議録を読む
2018年4月17日
白浜町長への要望書「(略)白浜町を核のゴミの捨て場にしないよう使用済核燃料の「中間貯蔵施設」は受け入れないとの意思をあらかじめはっきりと表明してください」を読む

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