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白浜町議会(2018年9月6日)で使用済み核燃料中間貯蔵施設を受け入れる意思のないことを表明した井澗(いたに)誠町長の発言全文(書き起こし)

 2018年10月15日配信(予定)のメルマガ金原No.3301を転載します。
 
白浜町議会(2018年9月6日)で使用済み核燃料中間貯蔵施設を受け入れる意思のないことを表明した井澗(いたに)誠町長の発言全文(書き起こし)
 
 和歌山県白浜町における使用済み核燃料中間貯蔵施設建設問題については、これまでもこのブログでずっとフォローしてきましたが、先月開かれた白浜町議会平成30年第3回定例会(9月定例会)の第2日冒頭、提案説明のために登壇した井澗誠(いたに・まこと)町長が、議員からの質問に答えるというのではなく自ら、「白浜町は観光産業を中心に発展してきた。町の将来は観光産業の進展にかかっている」とした上で「町が目指すのは私のスローガンでもある『世界に誇れる観光リゾート白浜』の実現であり、豊かな自然環境や資源を後世に引き継ぐ責務が私にはある」とし、「将来的に(電力)事業者などから申し入れがあったとしても協議をする考えはない」と述べた(紀伊民報)と報じられました。
 
 私は、早速このことをブログで速報するとともに(白浜町の井澗(いたに)誠町長が使用済み核燃料中間貯蔵施設を受け入れる意思のないことを議会で表明(2018年9月6日)/2018年9月8日)、「なお、上記9月6日の井澗誠町長による表明が、会議録や動画でアップされましたら、あらためてブログでご紹介しようと思いますので、いましばらくお待ちください。」とお約束しました。
 
 このため、私は折に触れて、白浜町議会のホームページを確認し、9月定例会の会議録が公開されていないかと確認してみるのですが、9月20日に閉会してから3週間以上経ちましたが、まだ会議録は公開されていません。
 
 ただ、「平成30年第3回(9月)定例会録画映像」は現在配信中であるため(視聴のためには「Adobe社のAdobe Flash Player」が必要です)、その映像に基づき、私自身で文字起こしすることにしました。
 従って、文字遣いなどは私の判断で適宜行っていますし、聴き取り間違いの可能性もありますので、是非、ご自身で録画映像をご確認ください。
 
 井澗誠町長の中間貯蔵施設に関する発言は、9月4日に開会した白浜町議会9月定例会の第2日である9月6日(1日目は会期を決めただけなので、実質審議はこの日から)の冒頭、議案の提案理由の説明のために登壇した際、主題である提案説明に先立ち行われました。
 以下の録画映像の2分45秒から井澗町長の発言が始まりますが、使用済み核燃料中間貯蔵施設についての意向表明は14分22秒から15分45秒までの部分です。
 以下、当該部分のみ書き起こします。
 
白浜町議会録画配信 平成30年第3回(9月)定例会 
平成30年9月6日(第2日)挨拶、提案説明
(書き起こし開始)
井澗誠町長 議員各位ならびに町民の皆さまにご心配いただいております原子力発電所から発生した使用済み核燃料の中間貯蔵施設に関することにつきましては、これまでも国や事業者から何のコンタクトもない中ではございますが、受け入れる考えはないとの私の考えを申し上げてきたところでございます。しかしながら、その後も幾度か見解を問われ、その都度私の考えを申し上げてきましたが、まだまだ不安を感じておられる方々もいらっしゃるとお聞きしてございます。この際、私の真意を伝えていくのが責務であると考え、あらためて私の考えを申し上げます。
 古き時代から先人が築き上げてきた白浜町は、観光産業が中心となって発展してまいりました。白浜町の将来は、観光産業の進展にかかっていると考えてございます。白浜町の目指すところは、私の公約、スローガンでもある「世界に誇れる観光リゾート白浜」の実現であり、豊かな自然環境や資源を後世に引き継ぐ責務が私にはございます。使用済み核燃料の中間貯蔵施設につきましては、私の公約にも第二次白浜町長期総合計画にもございません。従いまして、以前から申し上げておりますように、受け入れることは考えておりませんし、仮に将来的に事業者等から申し入れがあったとしても、受入の協議を行う考えはありませんので、再度私の考えを申し上げる次第でございます。  
(書き起こし終わり)
 
 紀伊民報の記事で「「将来的に(電力)事業者などから申し入れがあったとしても協議をする考えはない」と述べた。」といういのは読んでいましたが、自分で書き起こしをしてみて、「ここまで明確に受入拒否の意向を表明していたのか」とあらためてその意義を確認しました。
 
 これまでの井澗誠町長のこの問題についての発言の推移を追いかけてきた者から見れば、今回の町長の発言中最も重要な部分は、この「仮に将来的に事業者等から申し入れがあったとしても、受入の協議を行う考えはありません。」であることは明らかでしょう。
 もちろん、世の中、とりわけ政治の世界では何が起こるか分かりませんから、油断することはできませんが、地元の白浜町や近隣自治体の住民の皆さんをはじめ、県内・県外の様々な団体が「温泉観光とパンダの町・白浜町を核のゴミの捨て場にしないよう」求めてきた運動の成果でしょう。
 
  以上、9月6日の白浜町議会における井澗誠町長による使用済み核燃料中間貯蔵施設についての意向表明(全文)をご紹介しました。
 

(追記)
 松浦雅代さんから、使用済み核燃料中間貯蔵施設問題についての報告会(10月20日/和歌山県田辺市脱原発わかやま)及び集会(10月28日/大阪市/避難計画を案ずる関西連絡会)のご案内がありましたので、以下にチラシ記載された概要を摘記してお知らせします。ご都合のつく方は是非ご参加ください。いずれも、脱原発わかやま代表の冷水喜久夫さんが和歌山の状況を報告される予定です。
 
脱原発わかやま」経過報告会
日時 2018年10月20日(土)13時30分~
会場 万呂コミュニティセンター
   (和歌山県田辺市中万呂46-3)
内容 
*白浜の中間貯蔵施設の経緯  報告 冷水喜久夫
*意見交流
脱原発わかやま」では、原子力発電所から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設に関する学習会をこれまで2回行ってきました。この一年、当該施設を巡って水面下の部分もありますが各地で様々な動きがありました。県内、白浜町でも町内に関電所有の土地があることで候補地となる可能性があり、中間貯蔵施設を造らせない為の地元住民団体も設立されました。
今回は、その経過報告を行います。皆さま、ぜひご参加いただき情報共有・意見交流の場としていただければと思います。
(連絡先)事務局 田中(070-1364-4093)

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10・28 核のゴミ捨て場「中間貯蔵」はいらない!関西集会
日時 2018年10月28日(日)13時30分~16時30分(開場:13時10分)
会場 ドーンセンター(大阪府男女共同参画・青少年センター) 5階 大会議室2
   (大阪市中央区大手前1丁目3-49)
   ※地下鉄谷町線京阪電車天満橋」下車 徒歩約5分(地下鉄は①番出口)
参加費 一般500円、大学生以下・避難者200円
ゲスト
●冷水喜久夫さん(核のゴミはいらん日置川の会事務局長/脱原発わかやま代表)
●東山幸弘さん(ふるさとを守る高浜・おおいの会)
主催 避難計画を案ずる関西連絡会
皆さまへ
 和歌山県白浜町日置川に使用済燃料の中間貯蔵施設をつくろうとするたくらみに対し、それに抵抗する動きが広がっています。7月29日に「核のゴミはいらん日置川の会」が結成され、8月に白浜町の他の地区でも会が結成されました。これまで「関電の話は聞く」と答弁していた白浜町長も、ついに9月議会の冒頭で、「申入れがあったとしても協議をする考えはない」と表明せざるを得ませんでした。
 10月28日の集会では日置川の会を結成した冷水さんに、日置川の過疎の実情や「子どもや孫を守るため」に会を結成したその思いなどを語っていただきます。
 関西電力は昨年11月に福井県知事の要請に応じて今年(2018年)中に、福井県外で中間貯蔵の候補地を公表すると約束しました。集会時点ではその期限までに2カ月を残すだけとなります。
 8月終盤になって、まず高浜町長がついでおおい町長が、原発敷地内に乾式貯蔵施設をつくる選択肢もあるとわざわざ表明しました。このような発言は撤回すべきです。
 この状況も含む福井県内の問題について、高浜町の東山さんに語っていただきます。その話の中から、福井県において直面している諸課題をくみ取り、議論を通じて運動の方向を見出していきましょう。関西での取り組みも交流します。
 この集会を通じて、和歌山・関西・福井の運動は連携を強め
●中間貯蔵施設を白浜にもどこにも造らせない強い意思を表明し、関電の動きをけん制しよう!
●関電の福井県知事への約束違反状態をつくりだし、まずは大飯原発の、さらに高浜原発美浜原発の運転をとめよう。核のゴミ・使用済燃料のこれ以上の発生をとめよう!
(避難計画を案ずる関西連絡会)
グリーン・アクション TEL:075-701-7223
美浜の会 TEL:06-6367-6580
原発なしで暮らしたい丹波の会 TEL:090-3862-2468
脱原発はりまアクション TEL:079-421-2853
原発防災を考える兵庫の会 TEL:080-5707-7908
※チラシPDF

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(弁護士・金原徹雄のブログから/白浜町・中間貯蔵施設関連)
2018年1月8日
「和歌山に中間貯蔵施設はいらない!~脱原発わかやま原発学習会」(2018年1月20日)のご案内
2018年2月3日
「和歌山に中間貯蔵施設はいらない!」(講師:小山英之美浜の会代表)が和歌山市でも開催されます(2/18あいあいセンター)
2018年2月4日
吉原毅氏を招いて/「原発ゼロ法案」と「核のゴミ」を考える~白浜に核のゴミ(中間貯蔵施設)は来るのか!?~(2/23田辺ビッグ・ユー)のご案内
2018年2月25日
白浜町長に県内8団体が要望書を提出~使用済核燃料の中間貯蔵施設は受け入れないとの意思の表明を求める(2018年2月23日)
2018年2月26日
パンダの町・白浜町関西電力の中間貯蔵施設を受け入れるのか?~白浜町議会2017年12月定例会会議録を読む
2018年4月17日
白浜町長への要望書「(略)白浜町を核のゴミの捨て場にしないよう使用済核燃料の「中間貯蔵施設」は受け入れないとの意思をあらかじめはっきりと表明してください」を読む http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/51852204.html
2018年7月31日
「核のゴミはいらん日置川の会」が結成されました~松浦雅代さんからの報告
2018年9月8日
白浜町の井澗(いたに)誠町長が使用済み核燃料中間貯蔵施設を受け入れる意思のないことを議会で表明(2018年9月6日)