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井上ともやすさんの『どこへ行くアメリカ』を聴く~「イットク フェス 2018!!」スピンオフ第2弾

 2018年10月14日配信(予定)のメルマガ金原No.3300を転載します。
 
井上ともやすさんの『どこへ行くアメリカ』を聴く~「イットク フェス 2018!!」スピンオフ第2弾
 
 先週の日曜日(10月7日)に国会周辺で行われた第2回「言っとくけど、俺の自由はヤツラにゃやらねえ!ロック・フェスティバル」(イットク フェス 2018!!)の動画をあれこれ視聴したり、そこからスピンオフさせて、中川五郎さんの新しいバラッド『ピーター・ノーマンを知っているかい?』を堪能したりと、すっかり音楽づいたものですから、なおその余韻が今日のブログを書かせてくれました(スピンオフ第2弾です)。
 
 しばらく前に、中川五郎さんが書かれた「憲法9条『理想と現実』」という文章が、法学館憲法研究所WEBサイトの中の「アートな憲法ルーム」という新コーナーに掲載されているのに気がつき、そのコーナー自体をご紹介するブログを書いたことがありました(憲法と「アート」が交わるところ~法学館憲法研究所「アートな憲法ルーム」に注目を!/2018年8月30日)。
 
 その中川さんが「イットク フェス 2018!!」に出演されたという連想から、同じフェスに出演したアーティストで「アートな憲法ルーム」に登場している人がいるかもしれないと思いつき、調べてみました。
 やはり、1人おられました。「日本国憲法は平和というスピリットだ!」という文章を書かれている井上ともやすさん(シンガーソングライター)が、「イットク フェス 2018!!」に出演されていたのです。
 
 イットクフェスでの井上ともやすさんの演奏を撮影・公開してくれたのは「なにぬねノンちゃんねる」さんですが、このチャンネルは、志田陽子さん(武蔵野美術大学教授・憲法学)が、奈須りえさん(大田区議)、石岡真奈美さん(ジャズヴォーカリスト)という2人の同級生と共に行った「楽しく聴いて知るコンサート」の動画をアップしてくださったチャンネルで、その動画をブログでご紹介して以来(志田陽子さん(武蔵野美術大学教授)が歌い、語る「楽しく聴いて知るコンサート」を視聴しましょう/2018年7月11日)、このチャンネルは定期的にチェックするようにしていたので、イットクフェスでの井上ともやすさんの演奏にも気がついたという訳です。
 
2018.10.7 イットクフェスにて 歌&演奏:井上ともやす(32分)
 
 イットクフェスではオリジナル曲を4曲演奏されていましたが、失礼な言い方ながら、実力十分とお見受けしました。
 ただ、私自身はこれまで全然存じ上げていなかったので、「アートな憲法ルーム」に掲載された井上さんのプロフィールを引用します。
 
(引用開始)
井上ともやす(いのうえ ともやす)さんのプロフィール
1967年生まれ。15歳の時に吉田拓郎に影響をうけギターを弾き歌い始める。
フォーク、ロックを基調にブルーグラスや沖縄音楽を融合したメッセージ色強い独自の音楽を展開している。
吉田拓郎のトリビュートライブも人気でソロやバンドスタイルで全国で演奏。
ソングライターとしても石野真子や沖縄の歌手宮良牧子などに曲を提供。
2010年10月 1stアルバム「平和の詩(うた)が聞こえる」リリース
2016年2月 2ndアルバム「アジアの瞳~Peaceful Eyes In Asia~」リリース
(引用終わり)
 
 ご自身のホームページはこちらです。
 
 その井上ともやすさんが「アートな憲法ルーム」に書かれた文章を読んでみましょう。
 
法学館憲法研究所 アートな憲法ルーム 2018年9月17日    
日本国憲法は平和というスピリットだ!  
井上ともやすさん(シンガーソングライター)    
(引用開始)
かつての僕は日本国憲法への認識が間違っていた。
憲法とは国民の代表である政治家達が考えて作られる法律のようなものなんだ、と思い込んでいた。
その間違いを気づかされ、尚且つ憲法の理念を含めその素晴らしさに胸打たれたのが伊藤真さんの講演を聞いた時だった。
まさに目からウロコ!そう、憲法は権力が暴走しないように国民を守る砦のようなもので、それは今までの不幸な時代を踏まえ、「平和を希求する人類の理念」を表した宝物のようなものだった!
(略)
だがこの国の人間はそういうのに興味ない人間は一生興味なく終えそうな雰囲気がする。
毎年東京で行われる「憲法フォークジャンボリー」に出演しているが、大体同じ出演者、同じお客さんでやってるのでは?とマイナスに考える時がある。
もっと色んな世代、色んな人間達が参加するイベントであってほしい。
(引用終わり)
 
 ここにも1人、伊藤真弁護士の講演によって「目からウロコが落ちた」人がいたんだと感銘を受けました。
 立憲主義について一応知っていたつもりの(それで司法試験にも合格した)私のような弁護士でも、伊藤先生の講演を聴いて「目からウロコ」状態になった者は、実は何人もいるんですよ。
 また、「大体同じ出演者、同じお客さんでやってるのでは?とマイナスに考える時がある。」に、「うん、うん」とうなずく人もまた多かろうと思いますよね。私など、最近は「それはそれで仕方がない」とやや開き直り気味であったりするものの、「もっと色んな世代、色んな人間達が参加するイベント」をどうやって構想するか?実はこれが一番難しい。
 
 そして、井上さんは、伊藤真弁護士によって開かれた目で日本国憲法を「平和」という視点で読み解いていきます。
 
(引用開始)
僕はあくまで歌を通して憲法が顕す「平和への祈念」を伝えていきたいという人間で、難しい憲法論議は苦手です。
でも難しそうと思われがちな憲法は実はシンプルな「平和」という精神に基づいているのであって、そこを感じて憲法を読んでみれば全て合点が行く気がする。
よく9条を変えないという事は「丸腰で戦争をする」ようなものだ、と主張する人がいる。
それは「戦争をする」事を前提にした意見だ。
何故に人は弱いのだろう・・と思う。
「平和」をイメージするより「戦争」をイメージしやすいという事だ。
「平和」は輪郭がぼやけていて「戦争」はくっきりと形が見えるのだろうか?
今こそあらゆる人類が「平和」を形作る民になってほしい!と強く思う。
戦争イメージ人間からは馬鹿にされるのは分かってるが、月にまで行けた人類が戦争を放棄する事が出来ないなんてそれこそ馬鹿げているとは思わないか!
それに丸腰で攻め込まれて殺されるとしても、殺しに行くよりはましだ!と思う。
そもそも殺そうとしてない人間を殺そうと思うのだろうか?
そんな思いを憲法が代弁してくれてるような気がする。
だから憲法を守る事に歌を通して尽力したい!
(引用終わり)
 
 最後に、イットクフェスでも謳われた『どこへ行くアメリカ』(詞・曲 井上ともやす)の全歌詞が掲載されるとともに、そのプロモーションビデオ(全曲版)が紹介されており、視聴してみると、歌詞の英訳が画面に表示されていました。
 井上さんは、この曲について、「この歌は2001年9月11日アメリ同時多発テロの衝撃が基になってます。特に貿易センタービルが崩れ落ちる映像をテレビで見た時、オウムの地下鉄サリン事件以来の暗い衝撃と「人間はもう駄目なのでは?」というような狂気じみた失望感に苛まれました。それから3年、心に燻るアメリカへの思いや戦争というイメージを吐き出したくて、ノートに10ページほど言葉を書き散らしました。それを4ページほどに編集して作曲したのがこの歌です。」と説明されています。
 
 吉田拓郎トリビュートライブも人気、ということからの連想ですが、この曲を聴くと、吉田拓郎がまだ「よしだたくろう」と表記されていた頃の、「イメージの詩」や「準ちゃんが吉田拓郎に与えた偉大なる影響」などを思い出すなあ。直接「平和」を歌った曲ではなかったけれど。
 
  何はともあれ、充実したPVだと思います。
 是非多くの方が鑑賞されますように。
 
どこへ行くアメリカ/井上ともやす 
Where you going,America/Tomoyasu Inoue(12分34秒)