今晩(2013年2月18日)配信した「メルマガ金原No.1268」を転載します。
特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウの活動については、最近では、メルマガNo.1228(2013年1月10日配信)「インドにおける女性に対する暴力を考える」において、「尊厳ある女性たちの生を求めて~インド・女性に対する暴力に関する調査報告書~」(2009年5月)をご紹介しました。
※メルマガを転載したブログ
どのような活動をしている団体かについては、公式サイトの中の「団体概要」で以下のように説明されています。
(引用開始)
ヒューマンライツ・ナウは、国境を越えて世界の人権問題に対処するため、法律家、研究者、ジャーナリスト、市民などが中心となって2006年に発足、2008年に日本の特定非営利活動法人となり、2012年には国連経済社会理事会の決議により、国連特別協議資格(Special consultative status国連憲章71条に基づき、国連と協議を行うことのできるNGO資格)を取得しました。
ヒューマンライツ・ナウは、国際的に確立された人権基準に基づき、国内外の市民社会と連携しながら、人権侵害に苦しむ地域への事実調査、実態の告発と意識喚起、政策提言とアドボカシー、草の根で人権を守る人々への支援とエンパワーメント等、人権状況の改善のために活動しています。
(引用終わり)
そのヒューマンライツ・ナウが、2012年12月から2013年2月までの調査結果に基づき、「福島県 双葉町役場 埼玉支所 ・双葉町民避難所 調査報告書(住所:埼玉県加須市騎西598-1旧埼玉県立騎西高校内)」という報告書を公表しました。
報告書本文(pdfファイル)
リリース
(引用開始)
東京に本拠を置く国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、2012年12月25日、原発事故に伴い避難指示を受けて住み慣れた故郷から避難し、現在は埼玉県騎西高校において避難生活を送っている双葉町の避難住民および双葉町長を訪ねて、町を取り巻く現状と、避難生活の実情について調査を行いました。
東日本大震災と福島第一原発事故から1年8カ月以上が経過し、多くの周辺住民が未だ先の見えない避難生活を送っている。
そうしたなかでも、多くの人々が仮設住宅や民間の借り上げ住宅に住居を移しているのに、騎西高校には未だ避難所生活を送っている方々が140人以上もいる、という点でその深刻さは特筆すべきものがある。
賠償交渉も長期化し、政府等から再定住先の提供等の施策も実施されないまま、避難者の方々は極めて不安定で、自立が困難な状況に置かれていた。
未だに避難所生活を送っている騎西高校の方々の置かれた状況は深刻であるが、同時に、他に何らかの有効な選択肢が与えられていないことが浮き彫りになった。
双葉町からの避難者は全国に拡散して生活されており、本来、騎西高校の避難者や双葉町埼玉支所の職員等の声と併せて、他の場所に避難された方々からも事情をお聞きする機会を持つことが望ましいのは言うまでもない。
しかしながら、今回、騎西高校に避難している避難者の方々の実情が深刻であり、救済が待ったなしである状況に、また井戸川町長の去就をめぐり、大きな動きがあったこと、「仮の町」や中間貯蔵施設等の課題が重要であることを考慮し、今回の調査に限定した調査報告書を公表することとした。
東日本大震災と福島第一原発事故から1年8カ月以上が経過し、多くの周辺住民が未だ先の見えない避難生活を送っている。
そうしたなかでも、多くの人々が仮設住宅や民間の借り上げ住宅に住居を移しているのに、騎西高校には未だ避難所生活を送っている方々が140人以上もいる、という点でその深刻さは特筆すべきものがある。
賠償交渉も長期化し、政府等から再定住先の提供等の施策も実施されないまま、避難者の方々は極めて不安定で、自立が困難な状況に置かれていた。
未だに避難所生活を送っている騎西高校の方々の置かれた状況は深刻であるが、同時に、他に何らかの有効な選択肢が与えられていないことが浮き彫りになった。
双葉町からの避難者は全国に拡散して生活されており、本来、騎西高校の避難者や双葉町埼玉支所の職員等の声と併せて、他の場所に避難された方々からも事情をお聞きする機会を持つことが望ましいのは言うまでもない。
しかしながら、今回、騎西高校に避難している避難者の方々の実情が深刻であり、救済が待ったなしである状況に、また井戸川町長の去就をめぐり、大きな動きがあったこと、「仮の町」や中間貯蔵施設等の課題が重要であることを考慮し、今回の調査に限定した調査報告書を公表することとした。
(引用終わり)
本メルマガでも、
2012年12月21日 井戸川克隆双葉町長からのメッセージ「町民の皆さまへ」
などとしてその動きの一端をお伝えしました。
HRN(ヒューマンライツ・ナウ)の報告書でも触れられている「中間貯蔵施設」問題についても、「双葉町の新山行政区(竹原天区長)は17日、郡山市で定期総会を開き、町が国から求められている汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設の現地調査について、同区の住民が同意することで意見集約した」(2013年2月18日 福島民友ニュース)と伝えられるなど、大きな動きがあるようです。
なお、ヒューマンライツ・ナウは、福島原発事故発生後間もない頃から、原発事故から生ずる問題を人権問題として捉え、継続的な活動を行っています。最後に、その軌跡を一覧できるページ「福島原発事故後の人権の活動報告」をご紹介します。