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マガ9学校・第24回「日本は『平和国家』の看板を下ろすのか?(川口創氏×半田滋氏)」

 今晩(2013年5月7日)配信した「メルマガ金原No.1348」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
マガ9学校・第24回「日本は『平和国家』の看板を下ろすのか?(川口創氏×半田滋氏)」
 
 去る2013年2月21日、メルマガ金原No.1271として、「マガ9対談:川口創さん×半田滋さん『検証:9条を骨抜きにするいくつかの方法について』」という対談をご紹介しました。
 
 安倍内閣が復活させた「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」や自民党「国家安全保障基本法(案)」の危険性などについて、川口創(かわぐち・はじめ)さん(弁護士/イラク派兵差止訴訟弁護団事務長)と半田滋(はんだ・しげる)さん(東京新聞論説委員兼編集委員)という、この問題を論じるのに最も相応しいお二人による対談でした。
 
マガジン9 2013年2月13日、20日掲載
マガ9対談 検証:9条を骨抜きにするいくつかの方法について
川口創さん(弁護士)×半田滋さん(ジャーナリスト)
 
 そして、対談後の3月2日、このお2人を講師として開催された「マガ9学校・24回/日本は『平和国家』の看板を下ろすのか?」の映像が、「マガジン9」サイトで公開されています。
 
 「マガ9学校」自体は全部で3時間のセミナーだったようですが、以下の3本の映像及び「概要と参加者の声」が公開されています。
 
(映像その1)講師:川口創さん「国家安全保障基本法の問題点とは?」(17分34秒)
(映像その2)講師:佐藤真紀さん「イラク戦争とは何だったのか?」(36分26秒)
(映像その3)講師:半田滋さん×川口創さん「最近の防衛問題について(集団自衛権をめぐる問題)」【完全版】(1時間03分17秒)
 
 3つの映像のうちの(映像その3)は、第1部の全編が収録されたものです。「概要」から、第1部についての説明部分を抜き出してご紹介します。
 
(引用開始)
 第一部は、主に川口さんが聞き手となって、最近の防衛問題について半田さんから解説していただきました。まず話題となったのは、2月22日に行われた安倍首相とオバマ大統領の日米首脳会談です。国内の大手メディアの大半は、今回の会談で強い日米関係が再構築されたかのように報じています。しかし、実際には恒例となっている共同記者会見や、晩さん会がなく、"冷遇"とも取れる対応だったとのこと。また、安倍首相は集団的自衛権公使の容認を検討しめることを表明し、それがオバマ政権の強い要請だったかのように報じられていますが、こちらもまた事実と異なるようで、半田さんは「アメリカにとって、日本が集団自衛権を容認したほうがいいのはたしか。しかし、それほど優先順位は高くない」と指摘しました。
 むしろ、「強い日本」を強調し、改憲について前のめりになる安倍首相の姿勢
は冷ややかに見られているようです。「問題となっているのは安倍首相の歴史認識。従軍慰安婦問題でアメリカの新聞に意見広告を出す中で自分の名前を出したり、過去の植民地支配について痛切なお詫びと反省を述べた村山談話についても見直したいという方向を打ち出している。過去の戦争を肯定する立場で、憲法を変える、集団的自衛権を行使するということの不気味さについて、アメリカ含め各国が感じている」と半田さんは言います。岸信介元首相から引き継がれる安倍首相の改憲路線は、国際社会のなかで大きくズレていることを感じさせられます。
 とはいえ、改憲に向けた足固めはすでに進められており、安倍首相は2月8日に私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」を開催。集団的自衛権の4類型(①公海上の米艦防護、②米国向けの可能性のあるミサイルの迎撃、③PKOなどで他国軍が攻撃されたときの駆け付け警護、④海外での後方支援活動の拡大)を検討し始めています。また、国家安全保障基本法という法律の制定によって、集団的自衛権公使を可能にしようとする動きもあり、川口さんはこの法案の条文の問題点を一つひとつ解説した上で、「参議院選挙のあとに憲法改正勢力が増えた場合、前哨戦的に可決する可能性があります」と懸念を示しました。(4類型と、国家安全保障基本法の問題点については、マガ9対談参照)
 昨年の衆議院選挙自民党が大勝したように社会全体が右傾化し、改憲
論が広がりを見せる要因の1つには、中国や北朝鮮脅威論があります。川口さんが「尖閣を守るには、9条を変えて日本も軍隊を持たなくちゃならないという話がありますが」と意見を求めると、「いい悪いは別として、日本にはすでに世界有数の軍事力を持つ自衛隊がいます」と半田さん。現在、日本の護衛艦は48隻。先日のレーダー照射事件で問題となった中国の「ジャンウェイ」(江衛)Ⅱ型は満載排水量2500トンであるのに対し、日本の「ゆうだち」は5500トンで圧倒的に力量差があることを説明しました。こういった現状認識をすることなく、日々、テレビや新聞を賑わす中国脅威論が何のためなのか、深く考えさせられる議論で
した。
(引用終わり)
 
 集団的自衛権や「国家安全保障基本法(案)」について学ぼうとする人にとて、半田滋さんによる非常に分かりやすい解説が聴ける(映像その3)は非常に貴重なものだと思います。
 是非1人でも多くの人に見ていただけるように、「拡散」にご協力いただければと思います。
 
 また、第2部、佐藤真紀さんをゲストに迎えて「イラク戦争と日本」が語られた(映像その2)も是非視聴していただきたいと思います。
 日本が集団的自衛権行使を認めてしまった場合の将来像を、まさにここから学ばなければならないからです。
 
(参考サイト)
※後半に草案・現行憲法条文対照表が掲載されています。