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和歌山市「はたちのつどい」で11回目の新成人アンケートを実施しました(平和と憲法を守りたい市民の声)

 今晩(2015年1月11日)配信した「メルマガ金原No.1967」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
和歌山市「はたちのつどい」で11回目の新成人アンケートを実施しました(平和と憲法を守りたい市民の声)

 今日(1月11日)の和歌山市、私が家を出た午前10時過ぎころはぽかぽか陽気で、もう1月だから小春日和とは言わないのでしょうが、成人式(はたちのつどい)に出席する和歌山市の新成人の皆さんに
とって「良い天気で良かった」と思いながら家を出たのでした。
 ところが、会場の和歌山ビッグホエールに着いて車を降りたとたん、強い風に吹き飛ばされそうになっ
て驚きました。
 空もどんよりと曇り、体感気温はどんどん下がり、おまけに、鯨型(?)のビッグホエールの建物に添って特に風が舞っていたのかもしれませんが、立っているのがやっとという大変な状況でした。これで雨が落ちてきたら最悪だが、と心配しましたが、どうやら11時過ぎころまでが一番ひどい天候だったようで、その後、徐々に小康状態に向かい、成人式も、新成人を対象とした恒例の行事も、無事とどこおりなく実施されました。
 
15年成人式・新婦人 私が、成人式が行われている和歌山ビッグホエールを訪問するようになったのは、3.11後の2012年からなので、今年で4年目となります。
 例年どおり、会場入り口付近では、和歌山県原水協の皆さんと新婦人の会和歌山市支部の皆さんが署名
行動を行っており、まずは新年のごあいさつ。
 今年呼びかけていた署名は、国連総会に提出予定の「核兵器全面禁止のアピール」でした。 既に何度も署
名したという人も多いと思いますが、そのアピールの文章をご紹介しておきます。
 
                  核兵器全面禁止のアピール
 1945年8月、広島と長崎に落とされた原爆は一瞬のうちに二つの街を廃墟に変え、21万の人々の命を奪いました。いまなお20万を超える被爆者が苦しんでいます。この悲劇をいかなる地にもくり返し
てはなりません。
 いま核兵器の廃絶を求める声は世界にひろがっています。多くの国で市民が行動し、政府がその実現を
支持しています。ヒロシマナガサキをくり返させないもっとも確かな保証は核兵器を全面的に禁止し、
廃絶することです。
 2010年5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議では、核保有国を含む189の国々が「核兵器
ない世界の平和と安全を達成する」ことを決めました。いま、それを実行に移すときです。
私たちはすべての国の政府に、
すみやかに核兵器禁止条約の交渉を開始するよう求めます。
 
 こちらの皆さんは、成人式の受付が始まる正午で打ち上げましたが、1時間余り署名活動での獲得筆数は、
  新婦人の会和歌山市支部  135筆  
  和歌山県原水協  30筆
ということで、やはり女性の力は偉大だ、ということが今年も実証されました。
 皆さん、お疲れ様でした。
 
 さて、次にご紹介するのは、今年で11年連続となる新成人アンケート(シールアンケート)を実施した「平和と憲法を守りたい市民の声」です。
若者は挑発に乗るか? 「平和と憲法を守りたい市民の声」が、初めて新成人アンケートを実施したのは2005年1月9日、
テーマは「自衛隊撤退」についてでした。
 なぜ私が10年も前のことを書けるかというと、「平和と憲法を守りたい市民の声」公式WEBサイト(ブログ)が閉鎖されておらず、古いページを閲覧できるからです。
 上に書いた第1回アンケートのことは、「活動履歴」のページから抜き出したので、ここには、2004年3月13日のWEBサイト開設から2007年1月7日・成人式での第3回シールアンケート(「あなたは憲法を変える派?変えない派?」)までの活動実績が詳細に記録されています。
 ちなみに、この「活動履歴」(及びその他の記事)で確認できる第1回~第3回のシールアンケートのテーマは以下のとおりです。
 
第1回(2005年)
 自衛隊撤退(おそらく「イラクサマーワ)からの」でしょうね)
第2回(2006年)
憲法9条 あなたならどうする?
第3回(2007年)
 あなたは憲法を変える派?変えない派?
 
 その後、公式WEBサイトの更新は途絶え、一度だけ、2013年の第9回アンケートの報告が掲載された後、再び冬眠状態に入っています。
 
 さて、私がメルマガの「取材」に訪れるようになった2012年から2014年までの3回分のテーマと結果をまとめておきましょう。
 
2012年1月8日(日) 和歌山市の新成人 3,699人
「平和と憲法を守りたい市民の声」第8回新成人アンケート

「あなたが総理大臣だったらどうしますか?」
自衛隊について
 ・アメリカの戦争に軍隊として参加する=17人
 ・災害救助に専念する=371人
 ・分からない・決められない等=8人(選択肢にはない)
 回答者計=396人
原発について
 ・原発を存続させる=92人
 ・原発を止めて自然エネルギーを目指す=322人
 ・分からない・決められない等=16人(選択肢にはない)
 回答者計=430人
 
2013年1月13日(日) 和歌山市の新成人 3,676人
「平和と憲法を守りたい市民の声」第9回新成人アンケート

「あなたが総理大臣だったらどうしますか?」
自衛隊について

 ・他国の戦争に軍隊として参加させる=39人
 ・災害救助隊に専念する=394人
 ・どちらでもない(分からないなど)=4人(選択肢にはない)
 回答者計=437人
原発について

 ・原発を存続させる=122人
 ・原発を止めて再生可能エネルギーを目指す=294人
 ・どちらでもない(分からないなど)=15人(選択肢にはない)
 回答者計=431人
 
2014年1月12日(日) 和歌山市の新成人 3,505人
「平和と憲法を守りたい市民の声」第10回新成人アンケート

「あなたならどうする?」
憲法9条
 ・「憲法9条」を「知っている」=237人
   「憲法9条」は「いる」 216人 
   「憲法9条」は「いらない」 13人
   分からない 8人(選択肢にはない)
 ・「憲法9条」を「知らない」=132人
 回答者計=369人
原発
 ・「原発」は「いる」=110人
 ・「原発」は「いらない」=210人
 ・分からない=34人(選択肢にはない)
 回答者計=354人
 
 それでは、約2時間にわたり、11人の調査員の皆さんの要請に応えてシールアンケートに協力してくれた今年の新成人の回答結果を以下に掲載します。
 これだけ読むとなかなか「衝撃的」な数字ですよ。
 
2015年1月11日(日) 和歌山市の新成人 3,610人
「平和と憲法を守りたい市民の声」第11回新成人アンケート
「あなたはどうしますか?」
憲法9条について
 ・変える=48人(10.04%)
 ・わからない=176人(36.82%)
 ・変えない=254人(53.14%)
 回答者計=478人
原発再稼働について

 ・再稼働する=161人(33.47%)
 ・わからない=157人(32.64%)
 ・再稼働しない=163人(33.89%)
 回答者計=481人
 
 アンケートを終えて、ボードの数を集計した直後の私たちの感想も、「何、これ!」というものでした
 とりわけ、原発再稼働について「再稼働する」「わからない」「再稼働しない」がほぼ1/3ずつで横並びというような世論調査の結果など見たことがありませんからね。
 
 例えば、川内原発再稼働についてNHKが行ったRDD方式の世論調査(2014年10月31日~11月3日)では、
  賛成+どちらかといえば賛成  32%
  反対+どちらかといえば反対  57% 
だったそうです(「どちらともいえない 11%」でしょうか)。
 
 過去3回(それ以前のことは私は分からないのですが)は、「わからない(どちらともいえない)」という選択肢はあえて設けず、どうしても「わからない」という回答者がいれば、境界線の上にシールを貼るということで対応していました。
シー理アンケート② それから、第8回(2012年)、第9回(2013年)の設問は誘導が過ぎるのではないかという意見もあり(私が言っていたのですが)、前回から「誘導自粛」に方針を転じ、さらに今年は「わから
ない」という選択肢を設けたのですが、このことが回答結果に影響を与えた可能性はかなりあります。
 特に、シールを貼る大型ボードの写真をご覧いただければ分かると思いますが、「わからない」という選択肢が、賛否の意見の真ん中に位置するというのは、この種のアンケートとしては異例であったという
気がします。
 本来、賛成か反対かを考えてもらい、「どうしても決めかねる」場合に選択するのが「わからない」であるべきなのに、(普通の人は左から右に選択肢を読んでいきますが)賛成の次に(2番目に)「わからない」が出てきたら、賛否を考えるのが面倒な人はあっさりと「わからない」にシールを貼りそうですか
らね。
 2つのテーマのいずれについても、3割を越える回答者が「わからない」を選択したのには、そのよう
な事情もあったかもしれません。
    
花田さん また、「原発を存続させるか否か(いる?いらない?)」という問いかけと「原発再稼働する?しない
?」という問いかけでは、回答者の受け止め方が相当違っていた可能性があるように思います。
 「再稼働」という言葉自体、何となく技術的なこと、それほど本質的ではないこと、という風に受け取
られているのではないか?という疑いがあります。
 原発が生み出す放射能と人類は共存できるのか?たかが電気や金と生命を天秤にかけることなど許されるのか?という最も本質的な問題は、再稼働を認めるかどうかという問題にも当然内在しているのですが、それが「再稼働」という聞き慣れない技術用語(?)が使われることによって、技術的な問題に矮小化されてしまい、「そんなことはよく分からない」「電気がないと困る」「今までも運転していたのだからいいのでは」という態度に結びついているような気がして仕方がありません。
 
 また、憲法9条についても、「わからない」36.82%をどう考えるかが問題です。昨年、9条を知らないと答えた者が35.77%もいたこと、今年も「9条?知らない」と答えた者が結構いたらしい(と聞きました)ことからすると、問題の根は深いと思います。
 「9条を知らない」という若者に、「9条の危機はあなた方の危機なのだ」ということをどうやって訴えていったら良いのかがまさに私たちに課題として突きつけられているということでしょう。
 
15年成人式・お疲れ様 「今年の新成人は例年に比べて反応がにぶくて投げやり」とか「何も考えていない」とぶつぶつ言われながらも、新成人の約13%にあたる約480人の人がアンケートに協力してくれました。 
 この回答者の数は、ここ4年の中では最多でした。
 今年のアンケート調査を担当された皆さん、回答に協力してくれた新成人の皆さん、ありがとうござい
ました。
 以上は、ざっとした私の感想に過ぎませんが、これ以外にも、この数字から様々なことを読み取ることが可能だと思います。皆さんも一緒に考えてみませんか?
 
(付記)
 毎年調査員を務めているにしでいづみさんのFacebookでは、早速色々な方が参加して意見が交換されていました。皆さんにご紹介しようかと思いましたが、共有範囲が「にしでいづみさんの友達」に限定されていたのであきらめました。公開可能な意見が寄せられたら、ブログに「追記」しようかと思います。