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「イスラム国」人質事件について柳澤協二さんと高橋和夫さんの意見を聴く~IWJに会員登録をして

 今晩(2015年1月23日)配信した「メルマガ金原No.1979」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
イスラム国」人質事件について柳澤協二さんと高橋和夫さんの意見を聴く~IWJに会員登録をして

 湯川遥菜氏と後藤健二氏の2人の日本人を拘束し、巨額の身代金を支払わなければ殺害すると脅迫する映像を「イスラム国」が公開してから、既に期限とされた72時間が経過しました。
 今は2人の無事を祈るしかないのですが、他面、今回の事態が、安倍政権が強引に推し進めてきた武器輸出促進、親イスラエルに傾斜した外交姿勢、積極的平和主義、集団的自衛権行使容認に象徴される戦時法制の整備などの諸政策の「到達点の入り口」であることも間違いありません。
 このような際、まさに「この人に聞きたい」と誰もが思う識者へのインタビューを行ってくれるのがIWJの岩上安身さんです。
 一昨日(1月21日)、岩上さんが柳澤協二さん(元内閣官房副長官補)と高橋和夫さん(放送大学教授)に連続インタビューを行った動画が(会員限定ではありますが)公開されています。
 
 この2本のlインタビュー動画は、いずれ年会費3万円以上を支払うサポート会員限定コンテンツになると思いますが、今のところは年会費1万円の一般会員(私も一般会員です)でも全編視聴できます。
 1本ごとに500円支払って視聴するという方法もありますが、そして、柳澤協二さんインタビュー(1時間14分)と高橋和夫さんインタビュー(1時間17分)の2本は、併せて1000円支払う価値は十分にあると思いますが、それ位であれば、年会費1万円を支払って会員登録する方がはるかにコストパフォーマンスは高いです。この機会に是非会員登録されることをお勧めします。
 
 
 以下に、お2人のインタビューのサンプル動画とアーカイブページ、それから内容紹介記事の一部を引用します。
 このブログを読んで、1人でもIWJに会員登録してくださる方が増えれば嬉しいのですが。
 
岩上安身による元内閣官房副長官補・柳澤協二氏インタビュー(柳澤提案)
 

(抜粋引用開始)
柳澤「この事件を解決し、無事に彼らを救出する方法は、メッセージを出した本人が辞める、ということが、ひとつ大きな可能性として、やってみる価値があると思います。(本人は)辞めないでしょうが」
岩上「『非常に攻撃的なことを言い過ぎたので、私が辞めますので、どうかイスラム国の方、その2人を解放してください。クビを切るなんてやめてください』と」
柳澤「『無差別な暴力はいけないことだし、そして難民となって困っている人たちには、引き続き日本は手を差し伸べます』とメッセージを出すということです」
岩上「素晴らしいですね。『私は政界を去りますけれど、皆さんは平和に、穏やかにお過ごしください』と。『我々日本人は平和的な国民ですから、その2人は開放してください』とメッセージを出してお辞めになったら、とっても素晴らしい総理として……」
柳澤「『代わりに俺が(人質に)行くから』と言うのは求めないとしても……」
岩上「せめて攻撃的なパッケージをやめてもらう、と。これを見ている皆さん、拡散してください。ぜひ、今の『柳澤提案』を。産経新聞や読売新聞には、きっと書かれないことです」
柳澤「冗談抜きで言えば、それくらい、オプションとして考えるべきは、総理大臣の立場だと思います。どんなシナリオでもいいから、なんとか2人が無事に帰ってきたらいい。それを願っています」
岩上「私も気が付きませんでした。この『柳澤提案』をみなさん拡散してください。(安倍首相の)首を切ると言っても、辞任で結構ですので」
(引用終わり)
※上記の書き起こしは会員専用ページにだけ掲載されていたものですが、岩上さん自身が「みなさん拡散してください」とおっしゃっていますし、サンプル動画もこの部分が使われていますので、まあいいか、と判断しての引用です。それにしても、この発言は、柳澤さんの安倍首相に対する怒りと悲しみが凝縮されているように感じました。
 
2015/01/21 岩上安身による放送大学高橋和夫教授インタビュー
 
 

(抜粋引用開始)
高橋和夫氏(以下、高橋・敬称略)「イスラム国と交渉する上でどうすればいいか。ハサン中田先生や常岡さんに頑張ってもらうしかないですが、他の先生は、あまり名前を出してほしくない、という雰囲気を感じることがあります。イスラム国との交渉の芽を、公安が断ってしまった。本来は資産として守るべきでした。それで今、大騒ぎになっています」
高橋「パリはアルカイダ系の事件だったと言われています。今の『過激派マーケット』では、イスラム国がトップブランドなんです。しかしパリの事件でアルカイダがトップに返り咲いた。そしてまた今、イスラム国が返り咲こうとしています」
高橋「昨年、米国がイスラム国を空爆した時の日本の立場は、『理解するが支持はしない』というものでした。国際法上、もし日本が『支持する』と言えば、例えばロシアがウクライナ空爆しても理解を示すことになるので、外務省が『国際法上の一線を超えている』と考えたのでしょう。しかし安倍総理の支持表明は一線を超えています」
高橋「安倍政権になり、イスラエルとの接近は目につきます。背景には軍事技術協力があると思われます」
 
岩上「安倍総理が26社もの企業を引き連れて中東を歴訪しました。日本は中東と地理的にも遠く、ユダヤイスラムの歴史とも無関係でした。しかし、なぜ、今、日本政府は軍事関連企業とともに中東へ行くのでしょうか?」
高橋「おそらく安倍政権の思考です。武器輸出解禁となれば、イスラエルと協力してマーケットに参加することになります。そしてそれは米国の祝福を受ける政策でもあります」
岩上「お金で解決したら、またお金をせびろうという繰り返しになるという話もあります。テロや誘拐の構造はそう変わりません。これまでイスラム国が日本に牙を突きつけてくることはありませんでしたが、こちらの政治的情勢によって対応を変えてきます。ただのクレイジーな集団ではない。海外在住の方が被害を受けるリスクは高まりませんか?」
高橋「高まりますよね。萎縮もしてしまいます。安倍外交についていくなら、覚悟が必要です。覚悟がない方は、安倍さんを支持できないでしょう」
岩上「人質事件はあと2日間でタイムリミットを迎えますが、これからも中東とは付き合うんです。(ジャーナリストの常岡さん、ハサン中田さんという)異端を日本は排除すべきではないですよね。まとめで一言お願いします」
高橋「日本人は、知識量が圧倒的に少ないんです。勉強しないといけない。人と違う情報源を持たないといけない。だから私はIWJを応援しています」
岩上「ありがとうございました。またお話をお聞かせください」
(引用終わり)
※こちらの方も、会員専用ページにしか載っていない部分を引用させてもらいましたが、高橋先生が「だから私はIWJを応援しています」という嬉しいお言葉がありましたので、それを是非ご紹介したかったということもあります。
 
(参考書籍)
柳澤協二『自分で考える集団的自衛権 ―若者と国家』


高橋和夫イスラム国の野望』(幻冬舎新書
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2013年8月17日
高橋和夫放送大学教授に岩上安身氏が“中東問題”をきく ※追記あり(高橋教授から受講者・視聴者への訴え)
放送大学「現代の国際政治('13)」講義最終回より(高橋和夫教授)
「さてこの15回のシリーズ、見ていただきましたけれど、いかがだったでしょうか?『うん、高橋、国際政治がよく分かったぞ』とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれません。しかし、私にとっては、分かっていただくだけでは十分ではありません。問題は、これから皆さんが、世界を良くするためにどのように行動するかということにかかっていると私は思うわけです。ですから、知識を持っているということだけでは十分ではないわけです。これから皆さんは、人生という大きな答案用紙に、生涯という時間をかけて、世界を良くするための行動という答案を書いていただきたいというのが、担当講師である高橋の切なる皆さんへのお願いです。
 知識だけでは十分ではありません。その知識をいかに行動に変えるのか、そして、この行動によって、1人1人の行動によって、世界をいかに良くしていくのかということが、今問われていると思います。知識を持つということは、責任を持つということで、最後に皆さんにとんでもなく大きな宿題を出してしまったような気がしております。15回ご静聴ありがとうございました」

2014年1月11日
柳澤協二さんの覚悟~1/10名護市でのシンポにて(辺野古をめぐる言葉に耳を澄まそう 3)
2014年6月15日
「自衛隊を活かす会」呼びかけ人から学ぶ(2)柳澤協二さんが語る「日本の安全保障」 
※2014年5月25日に開催された第32回「マガ9学校・集団的自衛権自衛隊~『積極的平和主義』はホンモノか」での講演から(柳澤協二氏)
「それから、国際貢献のために集団的自衛権の行使容認が必要だという話。私はこれまでも、自衛隊PKO派遣された際に、丸腰の現地住民、あるいはPKOスタッフを守ることは、やれる範囲でやるべきだと考えてきました。ただ、他国の軍隊を守るということ、そのために本格的な武装をするということは、現地の武装勢力と本格的に敵対することを宣言することでもあります。そうすれば、「日本もついに我々の敵になった」ということで、テロの標的になる可能性があるし、海外在住の日本人の身が危なくなることもあるでしょう。
 「国際貢献」というと聞こえがいいけれど、そういうリスクもあるんだということ、いいことばかりじゃないんだということを、本来ならきちんと国民にも知らさなくてはなりません。安倍総理がそこに触れないということは、おそらく本人がリスクを認識していないのではないか。そこが危機管理をするリーダーとして私が心配でならないところです」