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田中浩一郎氏と高橋和夫氏が語る「イラン情勢と米国の中東政策」(日本記者クラブ/2017年6月8日)を視聴する

 2017年9月7日配信(予定)のメルマガ金原.No.2928を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
田中浩一郎氏と高橋和夫氏が語る「イラン情勢と米国の中東政策」(日本記者クラブ/2017年6月8日)を視聴する
 
 3ヶ月前の日本記者クラブでの会見動画ですが、ようたく視聴できましたのでご紹介することとしました。
 日本エネルギー経済研究所・中東研究センター長の田中浩一郎氏と放送大学教授の高橋和夫氏の2人が招かれ、「イラン情勢と米国の中東政策」をテーマとして話をされました。
ちょうど、イランでの大統領選挙で現職のロウハニ師が再選を果たしたタイミングでしたので、田中浩一郎氏が「イランの国内情勢」について、高橋和夫教授が「トランプ政権とイラン」について冒頭で20分ずつ基調発言をされ、その後、質疑応答が行われました。
 
高橋和夫 放送大学教授/田中浩一郎 日本エネルギー経済研究所・中東研究センター長「イラン情勢と米国の中東政策」2017.6.8(1時間31分)

会見リポートを引用開始)
「トランプ時代の中東」をどう見るか
 5月のイラン大統領選でロウハニ師が再選された。トランプ米大統領サウジアラビアイスラエルを歴訪し、「共通の脅威はイランと過激派」と強調した。6月に入ってサウジなどがカタールと断交し、テヘランで連続テロが起きた。中東をめぐる国際情勢の変化とその背景について、2人のゲストは論理的な整理と感覚的な説明を交えて語った。
 イラン大統領選について田中氏は、「保守強硬派も核開発問題の合意自体は否定せず、開放政策で外資導入を進めようとするロウハニ政権と、自前の経済強靱化を唱える保守強硬派の経済路線の違いが争点になった」と解説。保守強硬派が善戦した背景には、「トランプ氏の暴言に対してロウハニ師がおとなしいことへの不満もある」と指摘した。
 高橋氏は「トランプ政権には政策の整合性がない」「ロシアゲートで失脚するのがホワイトハウスにいる側近なら、閣僚の発言力が増す」と説明した。そのうえで、マティス国防長官ら中東経験がある将軍たちは、米兵が犠牲になった過去の事件にイランが関与していたという不信感が強く、「イランへの姿勢は厳しい」と付け加えた。
 「トランプ氏は他人の意見に乗せられやすい。サウジとイスラエルの立場が近いという図式は、イスラエルが強調してきたこと」と田中氏は言う。トランプ大統領は米大使館の移転実行を先送りし、エルサレムに対するイスラエルの主権を認めるのを避けたが、「ネタニヤフ政権が移転を望んでいるかも疑問。サウジとの距離を縮めにくくなるからだ」と高橋氏は見る。
 イスラエルアラブ諸国も、自らに都合のいい部分だけ相乗りして米国を利用しようと動く。個々の発言や宣伝に振り回されず、実際に何がどう変わるかを見る必要がある。「トランプ時代の中東」の見方を示す会見でもあった。
日本経済新聞社コラムニスト 脇 祐三 
(引用終わり)
 
 上記のレポートの冒頭を読むだけでも、「イラン大統領選でロウハニ師が再選され」、「トランプ米大統領サウジアラビアイスラエルを歴訪し、「共通の脅威はイランと過激派」と強調し」、「6月に入ってサウジなどがカタールと断交し」、「テヘランで連続テロが起きた。」と様々なニュースが数え上げられています。この会見を理解する前提として、以下の報道にリンクしておきます。
 
 
 
  
  
 ところで、イランには、1979年のイスラム革命後、シーア派の聖職者が就任する最高指導者という職があり(ホメイニー師と、その死後就任したハーメネイー師の、まだ2人しかいませんけど)、イランの大統領は国家元首ではなく、単なる行政権の長であることは認識しておく必要があります。
 
 というようなことを基礎知識として、この会見動画を視聴すれば、色々と教えられることが多いと思います。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/高橋和夫教授関連)
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