wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

ビッグイシュー日本版と商社九条の会・東京HPで読む浜矩子教授の“アホノミクスを倒すための平和の経済学とケアリング・シェア社会”

 2017年9月8日配信(予定)のメルマガ金原.No.2929を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
ビッグイシュー日本版と商社九条の会・東京HPで読む浜矩子教授の“アホノミクスを倒すための平和の経済学とケアリング・シェア社会”
 
 毎日、事務所で昼の弁当を食べ終わった後、コーヒーを飲みながらインターネットで様々なサイトを渡り歩き、「今日のブログに何を取り上げようか?」と素材探しをするのが習慣になってしまっています。
 昼休みの間にはなかなかこれといった素材が見つからず、続きはまた夜になってからということが多いのですが、今日は珍しく有力な候補を昼休みに見つけました。何ヶ月かに一度はチェックする商社九条の会・東京のホームページを閲覧したところ、以前閲覧した時には掲載されていなかった講演録が掲載されているのに気がついたからです。
 同会は、豪華講師を招いた講演会の内容を文字起こしして、その講演録をホームページに掲載するのが例となっています。
 
 
 上記「活動記録」を一読すればお分かりのとおり、実に豪華な講師陣の講演が文字化されており、非常に貴重な資料となっています。
 私も、これまで何度かブログでご紹介しています(巻末リンクをご参照願います)。
 ただ、講演録の文字化にはそれなりに時間を要しますので、そうすぐにホームページにアップとはいかず、何ヶ月も経ってから(時には年を超してから)掲載されることも珍しくありません。
 商社九条の会・東京が講演会を開催するという告知記事を読んだことのある講師による講演録が、忘れたころに同会ホームページに掲載されていることを知るといのはよくあることで、今日の昼休みには、昨年8月28日の伊藤真弁護士による「平和といのちと人権を!」~自民党改憲案」を批判する~」と、今年の2月5日に行われた浜矩子同志社大学大学院教授による「自壊するアホノミクス~平和の経済学が下す鉄槌」という2つの講演録を発見し、前者も、伊藤弁護士のまとまった講演録としては、和歌山弁護士会が2014年9月16日に開催した講演会のもの(私が所管委員会の委員長だった時にお願いしました)くらいしかネットで読めるものがなかったので、貴重なものだとは思いましたが、またこれは別の機会にご紹介することとし、今日のブログでは、浜教授の講演録をご紹介しようかなと思いながら、午後2時過ぎには大阪高裁での弁論準備ために事務所をあとにしました。
 
 大阪高裁に行くために、地下鉄御堂筋線淀屋橋駅を降り、淀屋橋を渡ると大阪市役所なのですが、その手前の淀屋橋北詰に差し掛かる前に、私は小銭入れから350円だけ取り出していました。 
 淀屋橋北詰で、ビッグイシュー日本版を売っている人がいたら是非買おうと思っていたからです。
 私がこの前ここを通ったのは8月31日のことで、大阪地裁で行われた原発賠償関西訴訟の第15回口頭弁論に出席するためだったのですが、昼過ぎに通りかかった際には販売者の方の姿は見当たらず、裁判を終えた帰りには販売しておられたのですが、帰りの電車の時間が気になり、買わずに通り過ぎてしまったことが心に引っかかっていたので、今日は是非買いたいと思っていたのです。
 幸い、今日は販売者の方がビッグイシュー最新号を掲げておられましたので、1冊買い求めました。そして、その表紙を飾っていたのが、何と浜矩子教授であったのは、偶然には違いありませんが、何かの暗合のような気がしましたね。
 
 ちなみに、今日購入したビッグイシュー日本版は、創刊14周年記念号(vol.318 2017.9.1)であり、浜矩子さんに対するビッグイシュー日本共同代表の佐野章二さんによる巻頭インタビューが6頁にわたって掲載されていました。インタビューのタイトルは、「阻止できるか?経済ファシズム 今、経済殺しのアホノミクスを超える躍動するケアリング・シェア社会へ」というもので、少し早めに着いた大阪高裁の1階公衆控え室で一気に読んでしまいました。
 
 ところで、私の買ったビッグイシューには、A5サイズの紙片がはさまれており、手書きで以下のように書かれていました。
 
(引用開始)
前略 路上より
今日声をかけて頂きありがとうございます。
昼暑く夜涼しい季節になりました。
食事もおいしくなるので食べ過ぎに要注意です。
しばらくはいい天気が続きそうです。
私もどこかに出かけてみたいなと思います。
次号も元気にお会いしましょう。
9/1(金)
大切なお客様へ
ビッグイシュー販売者「吉富」より
(引用終わり)
 
 こういうポップというのでしょうか、メッセージ付きのビッグイシューを購入したのは初めてでしたので驚きましたし、暖かい気持ちにさせてもらって嬉しかったですね。
 しかも、ビッグイシューの今号の25頁には、その淀屋橋北詰の販売者・吉富卓爾さんの紹介記事が載っていたのです(ビッグイシューのホームページでも、その記事の冒頭部分が掲載されています)。
 
 
 ビッグイシュー日本版の販売は以下の各地で行われています(月2回刊/350円)。気軽に声をかけて購入されてはいかがですか。良い記事がたくさんありますよ。
 
 さて、商社九条の会・東京に掲載された浜矩子教授の講演録をご紹介します。2月5日に行われた「講演内容を録音したものから、事務局の責任で文章化し、見出し・小見出しを付けて編集したものです。」ということで、講師による事後の手入れは行われていないようです(伊藤真弁護士の講演録は、講師による「補筆訂正」がなされていますが~和歌山弁護士会のものもそうでした)。
 その分、講演の内容がそのまま伝わってくると言っても良いので、講演録全体を読んでみたところ、主催者が付けた見出し・小見出しは適切なものだと思いました。そこで、以下、講演録自体からの引用は差し控えますが、どのような内容の講演であったのかを理解いただくため、主催者が付した見出し・小見出しに基づく目次(と講師プロフィール)を以下に引用します。
  
 (引用開始)
目 次
講師紹介(司会)
はじめに~今日の四つのテーマ
テーマ その一 状況は変わる、変えられる
テーマ その二 比較研究(トランプと安倍)
 平和の経済学とは
 共通点は幼児的凶暴性
 トランプは引きこもり型、安倍は拡張主義的
 安倍の目指すものは大日本帝国への回帰 軍備増強
 戦前回帰、改憲の野望あらわな施政方針演説
テーマ その三 不都合な現実 アホノミクスの自壊
 若者の貧困率アップにポピュリズムがつけ込んでいるが
 アホノミクス自壊の兆候 三つの証拠
テーマその四 警戒すべきこれから 財政収支均衡化の放棄
 インフレで債務返済負担を軽減 シムズ理論
 日銀の国債直接引き受け ヘリコプターマネー理論
質疑応答
 国の膨大な債務について
 経済成長とは
 防衛に関して
 若い世代への問いかけ
 年金基金をアメリカのインフラ投資に使う
 日本の円安誘導
 女性の労働について
 現状の解決策
浜 矩子 氏【プロフィール】
同志社大学大学院ビジネス研究科教授。一橋大学経済学部卒、三菱総合研究所のロンドン駐在員事務所長、経済調査部長、政策経済研究センター主席研究員を経て、2002年より現職。専門はマクロ経済分析、国際経済。
近著:「アベノミクスの真相」(中経出版、2013 年)、「地球経済のまわり方」(ちくまプリマー新書、2014 年)、「国民なき経済成長 ~ 脱・アホノミクスのすすめ」(角川書店、2015 年)、「さらばアホノミクス 〜 危機の真相〜」(毎日新聞出版、2015 年)、「アホノミクスの完全崩壊に備えよ」(角川書店、2016 年)、『どアホノミクスへ最後の通告』(毎日新聞出版、2016 年)他多数
(引用終わり)
 
 なお、今日のブログのタイトル「ビッグイシュー日本版と商社九条の会・東京HPで読む浜矩子教授の“アホノミクスを倒すための平和の経済学とケアリング・シェア社会”」の内、「平和の経済学」については上記講演録をお読みくださればどのようなものかが分かります。
 そこで、最後に、「ケアリング・シェア社会」とは何か?ビッグイシューのインタビューから引用します。
 
(引用開始)
そこで一つ、軸になるかもしれないのが、本当のシェアリング経済です。今、政府が推進しようとしているシェアリングエコノミーは「みんなフリーランスになって遊休資産を切り売りしましょう」というもの。そうではない本当のシェアリング世界になるために必要なのはケア(気遣い合い)で、そんな社会をどう具体的に作っていくのかをみんなで考えたい。私はどうも、ケアリング・シェア社会というのは本当の意味での共産主義社会なのではないかと思えてきているんです。
(引用終わり)
 
 正直、これだけではよく分かりませんが、自分であれこれ考えるヒントにはなります。いまだかつて出現したことのない理想の共産主義社会(?)を夢見るのも悪くはないかもしれませんね。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/商社九条の会・東京関連)
2012年12月20日(2013年2月23日に再配信)
2014年5月29日
2015年5月11日
2015年8月19日
2015年12月2日
2016年4月15日