日弁連サイトの特設ページ「今、憲法を考える」に注目を!
今晩(2013年11月9日)配信した「メルマガ金原No.1538」を転載します。
なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
日弁連サイトの特設ページ「今、憲法を考える」に注目を!
日本弁護士連合会サイトに新しい特設ページが誕生しました。
トップページにバナーが設けられています。
バナーには「憲法を考える」と表示されていますが、そこをクリックしてもらうと開く特設ページの正式タイトルは、「今、憲法を考える~憲法改正をいう前に知っておきたい憲法のこと~(憲法委員会)」というかなり長いものです。
日弁連憲法委員会が特設ページのタイトルを考えた際、「今、」を付けることになった「思い」はご説明するまでもないですよね?
まさに、「今」行動しなければ、「憲法委員会」の存在意義はありませんから。
・・・と、憲法委員会の委員でもない一会員として思いますもの。
ただ、さすがにまだ公開して間がないので(公開日:2013年10月31日)、内容の充実はこれからというところですが、それでも、注目すべきコンテンツもあります。
ざっと、各コーナーの概要をご紹介しましょう。
【憲法って、何だろう?】
憲法って、誰のために、何のためにあるの?
憲法は法律と何が違うの?
日本国憲法の特徴は?
このコーナーでは、「憲法は、国民の権利・自由を守るために、国がやってはいけないこと(またはやるべきこと)について国民が定めた決まり(最高法規)です。」「法律の多くは私たちを縛る。憲法は私たちの権利・自由を守るため国を縛る。法律と憲法とでは、向いている方向が逆と考えるとわかりやすいでしょう。」と、「立憲主義」の原則を説明した上で、日本国憲法が、「個人の尊厳と恒久の平和を実現するという目標を掲げ、その実現のための不可欠な前提として平和的生存権を宣言し、具体的な方策として9条を定めた」ことに特徴があることを明らかにしています。
ところで、このコーナーで、絵本『憲法って、何だろう?』が紹介され、PDFファイルをダウンロードできるようになっているのは良いですね。
PDFファイル『憲法って、何だろう?』
もともとこの『憲法って、何だろう?』は、奈良弁護士会が2008年1月に発行したものでしたが、その内容が評判を呼び、同弁護士会と画家の星野一子さんの許諾を得て、同年8月に日弁連が再発行したのでした。冊子の在庫がある間は無料で配布されていましたが、今は冊子自体は(日弁連では)在庫切れかもしれません。
PDFファイルでの公開も良いのですが、「今」この時期だからこそ、冊子自体の大量増刷に踏み切るべきではないかと思います。
なお、奈良弁護士会サイト(今年の5月にリニューアルしていたのですね)では、かねてから『憲法って、何だろう?』の同会憲法委員会による詳細な解説が公開されていました。
なお、この憲法絵本については、今年の4月に私のメルマガ(ブログ)でも取り上げています。
『憲法って、何だろう?』(奈良弁護士会)を読み直す 前編
http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/25913457.html
『憲法って、何だろう?』(奈良弁護士会)を読み直す 後編
『憲法って、何だろう?』(奈良弁護士会)を読み直す 後編
メルマガ(ブログ)前編の末尾に書いたことを再掲します。
「2008年1月に出来た『憲法って、何だろう』を最初に学んだ中学生がもう間もなく20歳になろうとしています。時代は、奈良弁護士会・憲法委員会が予想した以上のスピードで推移していますが、今からでも「手遅れ」ということはありません。 また、中学生のためだけのものでもありません。今こそこの素晴らしいテキストを自ら学び、活用していただければと思います。」
【憲法改正の何が問題なの?】
憲法96条改正をめぐる問題
集団的自衛権をめぐる問題
集団的自衛権をめぐる問題
憲法改正の動きと資料(リンク集)
このコーナーでは、今年の憲法記念日ころには、憲法をめぐる最大の問題と考えられていた「96条改正問題」と、今でも最大の問題であり続けている(情勢はより緊迫化してきている)「集団的自衛権容認問題」が取り上げられています。
日弁連は、かねてより、「発議要件の緩和は、国家権力が憲法の縛りを解くために簡単に憲法改正を発議することを可能とするものであり、立憲主義と人権保障の観点から、許されない」としてきました。
2013年3月14日 「憲法第96条の発議要件緩和に反対する意見書」
2013年10月4日 「立憲主義の見地から憲法改正発議要件の緩和に反対する決議」
リーフレット 「憲法96条改正に異議あり!!」(PDFファイル)
2013年5月31日 「集団的自衛権の行使容認に反対する決議」
なお、「憲法改正の動きと資料(リンク集)」については、今後どんどん追加されていくと思いますが、現在のリンク先で一番注目して欲しいのは、「国立国会図書館/調査と情報-Issue Brief-」です。
先日も、「ツワネ原則」との関係で、「諸外国における国家秘密の指定と解除―特定秘密保護法案をめぐって―」(806号/2013年10月31日公開)をご紹介したばかりですが、重要な立法問題に関する調査レポートが掲載されており、常に注目しておくべきだと思います。
最新の11月5日に公開された807号は、「ISDS 条項をめぐる議論」というものであって、これも非常に重要な問題についてのレポートなので、是非じっくり読んでみたいと思います。先ほどざっと斜め読みした際、「日本も、これまでに締結した多くの投資協定において ISDS 条項を採用してきた。日本がこれまでに締結した 25 本の投資協定のうち、ISDS 条項を含むものはフィリピンとのEPA を除く計 24 本である」(5頁)という記述があったのには驚きましたね。幸いにも(と言うべきか)、「日本が訴えられたケースはこれまでになく、日系企業が投資受入国を相手に仲裁を提起した事例としては 1 件が報告されている(日系オランダ企業サルカ社のチェコ政府に対する仲裁提起。サルカ社の勝訴)」だけなのは、日本が締結した投資協定の相手国に、米国や西欧諸国が含まれていないからに
過ぎないと言うべきでしょう(少し話が逸れました)。
日弁連の活動
日弁連の意見
イベント
その他活動
全国の弁護士会の活動
全国の弁護士会の意見
全国の弁護士会のイベント
皆さまも、是非各地の弁護士会の動きに注目していただければと思います。