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和歌山市・新成人アンケート2019(後編)~結果レポート

 2019年1月6日配信(予定)のメルマガ金原.No.3384を転載します。
 
和歌山市・新成人アンケート2019(後編)~結果レポート
 
 今日(1月6日)は、1月2日のブログ(和歌山市・新成人アンケート2019(前編)~予告編と昨年までの回顧)で予告したとおり、和歌山県民文化会館和歌山市成人式「はたちのつどい」が開かれ、成人を迎えた(満20歳もしくは19歳の)多くの若者で賑わいました。今年の新成人は、3,590人(男1,859人、女1,731人)で、対前年比57人の増加ということです。まだ、今年の参加者数(というか受付者数でしょうが)が何人だったか分かりませんが、例年、だいたい2,000人程度の新成人が参加するようです。
 これを目当てに、というのも何ですが、色々な団体が例年さまざまな取組を行っています。
 
 今日も、先のブログでご紹介したとおり、「平和と憲法を守りたい市民の声」が、2005年以来14回目の新成人アンケートを実施したのを始め、原水爆禁止和歌山県協議会が、新日本婦人の会和歌山市支部の協力を得て、「被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」を行っていましたし、昨年もお見かけした民主青年新聞(民青同盟)の皆さんが、今年も、簡単なシールアンケートと本格的なアンケート用紙を併用しながら活動されていました。 ところで、民青同盟といえば、昨年の私のFacebookとブログに写真を掲載した「金髪の青年」が一部で注目を集めたのですが、
その青年は今年もお見かけしたものの「金髪」ではない!と、少しがっかりしました。
 あと、昨年は、和歌山市選挙管理委員会が、着ぐるみの「選挙のめいすいくん」も動員して模擬投票所を開設していましたが、
今年はブース(模擬投票所)の設営はなく、代わって、(財)明るい選挙推進協会の法被を着た方々が、アンケート用紙を持って新成人に声をかけているようでした。
 実は、民青同盟のシールアンケートが、今春の統一地方選挙や今夏の参院選の投票に行きますか?というものでしたから、両方から声をかけられた人はとまどったでしょうね。民青同盟の男性(顔見知りの院生)が、「いっそ、ここでアンケートをとっている各団体が質問事項を持ち寄って、統一アンケート用紙を作ればいいのに(長くなってしまうかもしれないけれど)」と言っていたのは興味深かったですね。
 
 ところで、2017年まで和歌山ビッグホエールで開かれていた「はたちのつどい」が、昨年から和歌山県民文化会館に会場が移され、今年も引き続き同ホールで開かれたということは、会場の収容力はキャパ2,000の県民文化会館で十分ということなのでしょうね。
 13日後の1月19日(土)に「危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲 1・19和歌山県民のつどい」を、ここ県民文化会館大ホールで開く身としては、正直「せめてこの半分でも来てくれたら」と痛切に思いました。
 なお、今日は、「つどい」実行委員会の柏原卓さん(九条の会・わかやま)や西村佳三さん(憲法九条を守るわかやま県民の会)が、19日のチラシを配るために県文前に来てくださいました。
 
  ちなみに、会場を訪れる新成人にとって、久しぶりに友人と交歓することが最大の目的であり、よしもと芸人のコント、ましてや知事や市長の挨拶を聞きたくて来る者はまあほとんどいないでしょう。
 ということで、係員が「入場してください」「歩道に立たないでください」と声をからしても、会場前の広場、というのか階段というのか、が立錐の余地もなくなってしまうのも仕方がないでしょうね。もっとも、ここにあと400人か500人多く押しかけたら、階段で転倒事故発生という悪夢が現実化しかねません。今は、非常に微妙なバランスの上で、無事開催を続けているような気がします。
 末尾に、会場正面の新成人の集まり具合が分かる3枚の写真を掲載しておきます。1枚目は11時10分頃、2枚目は11時40分頃、そして3枚目は12時30分頃に、いずれも道路の反対側、県庁前の歩道から撮影したものです。
 
 さて、それでは、通算14回目となる、「平和と憲法を守りたい市民の声」による新成人アンケート2019の結果をご報告します。
 ここは、終了後、私がマスコミ各社にFAXで送信したプレスリリースを引用することで報告に代えたいと思います。

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(引用開始)
【プレスリリース/本文書のみ】
                                                                2019年1月6日
報道機関 各位
                               平和と憲法を守りたい市民の声
                                世話人代表 松 浦 攸 吉
                                     
                  新成人アンケート2019の集計結果を
                               お知らせします
 
 平素は私たちの活動にご理解ご協力をいただきまことにありがとうございます。
 本日、和歌山市の新成人を対象として、成人式「はたちのつどい」会場周辺において意識調査(アンケート)を行い、約360人の新成人から回答を得ることができました。
 今年の新成人は3,590人ですから、ちょうどその1割(実際に成人式に参加した新成人のおそらく2割近く)から回答を得られたことになり、それなりに精度の高い調査結果が得られたのではないかと思います。
 なお、当会による新成人アンケートは、2005年(平成17年)を第1回として、通算14回目となります(2017年のみ悪天候のため中止)。
 その集計結果は下記のとおりですのでお知らせ致します。
 
                                      記
○と き 2018年1月6日(日)午前11時00分頃~午後0時45分頃
 
○ところ 和歌山県民文化会館(成人式会場)周辺
 
〇質問項目とその結果
 
1 沖縄県辺野古沿岸の埋立工事について
   推進する(賛成)          27人
   中止する(反対)          76人
   わからない・どちらとも言えない 263人
     計   366人 
 
2 日本国憲法9条について
   変更すべき             51人
   変更すべきではない       125人
   わからない・どちらとも言えない 178人
     計     354人
(引用終わり)
 
 なお、少し補足すると、このアンケートは、アンケート用紙(会場前の写真3枚に続いて集計結果を書き込んだアンケート用紙の写真を掲載します)を持った調査員が、新成人から回答を得て、「正」の字で人数をカウントしていくのですが、新成人との対話の中で引き出された彼らのコメントを(網羅的にではありませんが)用紙にメモすることにしており、そのコメントをテキスト化したものも担当者から送っていただきました。
 最初、そのコメントを通読した際には、「これはそのまま全部は載せられないな」と思い、いくつか興味深いものをセレクトしてご紹介しようかと思ったのですが、結局それは、私自身の理解が及ぶコメントだけ選別し、理解困難なものを排除する結果になるのではないかと思えてきましたので、結局そのまま全部掲載することにしました。
 何しろ、回答者自身が書いたものではなく、調査員の聞き取りメモですから、その真意が正確に理解できないものもあるのはやむを得ません(自分で書いてもらっても同じかもしれませんが)。そういうものという前提でお読みください。
 
(アンケート集計結果から引用開始)
【コメント】
沖縄県辺野古沿岸の埋立工事について~
推進する(賛成)
 ・なんとなく・・・
 ・普天間の危険除去のため。
中止する(反対)
 ・今の知事が誰か知らない。
 ・政府のこと(決定?)には、もちろん反対する。
 ・法学部なので、ニュースは気にしている。
 ・自然を守りたい。
 ・絶対反対。
わからない・どちらとも言えない
 ・ニュースで聞いたことがない。
 ・知らない。
 ・何のことかわからない。
 ・県民の意見は「反対」のように報道されているが、そこ(基地?)で職を得ている人もいるので、反対が多いわけではないと思う。きちんと報道するべき。
 ・頭悪いから難しいことを聞かないでほしい
 ・詳細をよく知らないので答えようがない
番外 ※用意した回答の中に無い
 ・どちらに転んでも金が動くので、どちらになっても何も変わらない(難解な回答だ…)
 
日本国憲法9条について~
変更すべき
 ・なんとなく
 ・9条があってもなくても攻撃されることはある
 ・考えは人それぞれ
 ・アメリカのことを考えたら仕方ない
(徴兵されたら?と聞いたところ)
 ・そう決まったのであれば行かなければならない
変更すべきでない
 ・もちろん
 ・わからないけど、他の人が言ってるなら反対
 ・小学校で習った。男の子がかわいそう。(徴兵?)なので、ゼッタイすべきでない。
 ・法学部なので、憲法は基本的に変えてはいけないと思っている。
 ・戦争はいやだ(複数あり)
 ・絶対反対
わからない・どちらとも言えない
 ・考えたこともない
 ・知らない(初めて聞いた)
 ・9条知らない
 ・今日は楽しむために来てるので質問しないでほしい
 ・9条は守る方がよいが、攻められたら守らなければならない(防衛?)ので、どちらとも言えない
 ・(知識不足なので)適当に答えることはできない
(引用終わり)
 
 「わからない・どちらとも言えない」という選択肢を設けずにアンケートをとることも過去には多かったのですが(その場合、「わからない」という回答は、2択の真ん中にシールを貼った~2016年まではシールアンケートだったので)、今回の設問では、「わからない」という選択肢を作っておかないと、大変なことになっていたでしょうね。
 特に、辺野古に関する質問など、回答者の約72%が「わからない・どちらとも言えない」ですからね。そもそも「辺野古」を「へのこ」とちゃんと読めるのか?ということからして心配になります。若者が新聞を読まなくなった、ということはずっと前から言われていますが、確かにそうなのかもしれないという気がします。
 他方で、「知識不足」であることを自覚して、適当にどちらかに答えることはしない、という態度を誠実さの表れと評価することは可能かもしれません。知識不足を自覚した後、自ら知識を求めてくれるかどうかはともかくとして、ですが。
 
 私たちが年来続けてきた「憲法9条の明文改憲に反対する」声が、「憲法9条なんて知らない」「聞いたことがない」という若者に届いていないことは確かです。そして、そのような層がどんどん増えているような気さえするのですが、さてどうしたら良いものか・・・ということを、あらためて認識させてくれる新成人アンケートの結果でした。

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