2019年1月14日配信(予定)のメルマガ金原.No.3392を転載します。
神戸から勇気と力を!~森松明希子さんのお話と川口真由美さんのライブから(〈生きる権利を求めて〉阪神淡路大震災24周年集会)
もうすぐあの阪神淡路大震災(1995年1月17日)からちょうど24年が経過します。その間には、東日本大震災(2011年3月11日)なども発生し、次にどこに大規模災害が発生してもおかしくない列島に私たちは住んでいるのだということを実感します。
ところで、近時、新聞報道の見出しなどで、「借り上げ復興住宅からの退去強制」などという文字を見かけたことはありませんか?
一例として、1月11日付の神戸新聞の記事を引用します。
神戸新聞NEXT 2019/1/11 07:00
借り上げ復興住宅問題 80代で不本意転居「命縮む」
(抜粋引用開始)
(略)
「年を取って引っ越しなんてするもんじゃない」
持病を抱えつつ転居したという男性(84)は嘆く。
(略)
男性は震災で東灘区の自宅が全壊。1997年に同区の借り上げ復興住宅に入った。趣味の観葉植物を並べ、2005年に病死した妻と過ごした思い出の場所でもある。
17年10月に借り上げ期間が終了。各自治体で借り上げ復興住宅の継続入居要件は異なり、同世代の被災者でも明暗が分かれ、男性は転居対象になった。「迷惑はかけられん」と市営住宅に申し込んだが、「本当は残りたかった」。
18年6月に移った市営住宅は約300メートルの距離だが、居住環境は一変。数日後、大阪府北部地震で戸棚のガラスが割れ、エレベーターに乗るのが怖くなった。転居前は2階で暮らし、買い物や通院にさっと外出できたが、今はおっくうに思う。
「引っ越してから心臓に違和感があって、少しでも動いたらこたえる」。脳梗塞の後遺症もあり「うまく眠れない」と漏らす。
訴訟も辞さない市の姿勢に、やむを得ず転居する高齢者が相次ぐ。男性は「みんなしんどい目をしてると思うよ。無理はさせんといてほしいなあ」と気遣った。
【借り上げ復興住宅】兵庫県と県内5市が、都市再生機構(UR)や民間などから住宅を借り上げ、最多時は7千戸超を提供。1月の取材時点では、計約2千世帯が暮らす。前年比で約250世帯減。神戸市では2019年度以降に18団地で借り上げ期間が終了する。期間後も暮らす住民に対し、神戸市は12世帯、西宮市は7世帯に退去を求めて提訴。神戸地裁は3世帯に退去を命じ、1世帯が明け渡す内容で和解した。訴訟を継続する住民らは「入居時に期間終了時の明け渡しの説明は受けていない」などと主張している。
(引用終わり)
被災者の高齢化などから、発災時刻(夜明け前)に行う追悼行事が相次いで中止のやむなきに至っているという報道なども目にしますが、復興借り上げ住宅からの(多くは高齢者でしょうね)退去問題も、もっと当事者の事情に細やかに配慮した対応が出来るはずではないのか、という思いが去来したりします。
そのような状況の下、昨日(1月13日)午後、神戸市の新長田勤労市民センター(大会議室)において、被災地反失業総行動参加団体連絡会が主催する「〈生きる権利を求めて〉1・13阪神淡路大震災24周年集会」が開催されました。
様々な方が発言されたようですが、メインゲストはお2人。
まずはじめに、原発賠償関西訴訟原告団代表で東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream(サンドリ)代表の森松明希子さんが、「原発事故と私たちの人権~原発賠償関西訴訟で訴えていること~」と題して講演されました。
そして、2人目のゲスト、シンガーソングライターの川口真由美さんによるミニコンサートが行われました。
この集会の企画会議に出た訳ではありませんが、集会の趣旨に相応しいゲストを、ということは当然のことながら、終わった後、「自分もまだまだ頑張らねば」という元気が出てくるようなゲストがいいなあ、と話し合ったのではないか?と勝手に想像しています。
私は、かけ違って川口真由美さんにお目にかかったことはなく、ネットでその演奏をお聴きしているだけですが、森松さんと川口さんというお2人に出演交渉をしようと決めた企画者は「目が高い!」と感心します。
熱くパワフルな講演とライブ演奏の2本立てがこうして実現した訳です。
まず、IWJ兵庫によるTwitcasting録画をご紹介します。固定された引きの映像ですが、音声はクリアに収録されています。
〈生きる権利を求めて〉阪神淡路大震災24周年集会(神戸市) —「原発事故と私たちの人権」〜原発賠償関西訴訟で訴えていること~話 森松明希子氏(福島からの避難者、原発賠償関西訴訟原告団代表) 2019.1.13 記事公開日:2019.1.13 取材地:兵庫県
ただし、「※著作権保護のため講演中一部中断があります。ご了承ください。」という断りがあります。
もう1つ、挨拶、会場発言などはカットし、森松さんの講演部分と川口さんのライブのみ、YouTubeにアップしている方があります。「絵」はこちらの方が断然きれいに見られます。
20190113 森松明希子 〈生きる権利を求めて〉(53分)
いつも元気な森松さんも、講演の最初はしおらしい様子(?)でそろそろとスタートしていますね。徐々にエンジンがかかってきますけど。
それから、IWJが途中でカットした部分も、今のところこちらの動画ではカットされていません。仮にこの動画が削除されたら、IWJの方で視聴してください。
それから、川口真由美さんによるライブの動画です。この「amanakuni」というYouTubeチャンネルは、「主に祭りや友人のライブ、脱原発や憲法・平和などの集会・講演会を撮っています。」と説明されており、過去のアーカイブ動画を見てみると、なかなか他ではお目にかかれないアーティストの演奏やパフォーマンスがいっぱいアップされています。
なお、上記アーカイブ一覧でお分かりのように、川口さんのライブについては、1曲ごとに切り分けてアップした動画もありますが、以下では「通し」の動画をご紹介します。ただ、メインカメラとは別カメラによって撮影された『真実は沈まない』だけは、別にご紹介します。
20190113 川口真由美 〈生きる権利を求めて〉 通し(26分)
冒頭~『pray』
4分~『花はどこへ行った』
7分~『NO WAR』
11分~『人間の歌』(作詞作曲:山ノ木竹志)
16分~『真実は沈まない』
21分~『ぺんぺん草』
2019 01 13 川口真由美 「真実は沈まない」진실은 가라앉지 않는다(3分41秒)
※原曲(韓国語)の歌詞と動画
※日本語詞
闇は 光に勝てない
嘘は 真(まこと)に勝てない
真実は 沈まない
私たち あきらめない
いかがでしたでしょうか?自ずから力がわいてくる素晴らしい講演とライブだったと思います。願わくは、今週末(1月19日)に和歌山で開催する「危ないぞ!みんなで止めよう安倍改憲 1・19和歌山県民のつどい」が、同じように、参加された皆さまの力と勇気をかき立てるものでありますように。
(弁護士・金原徹雄のブログから/森松明希子さん関連)
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