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「終活のススメⅡ~心穏やかな老後と残された人の幸せを願って~」(2/23法テラス和歌山・法教育セミナー)のご案内

 2019年1月17日配信(予定)のメルマガ金原.No.3395を転載します。
 
「終活のススメⅡ~心穏やかな老後と残された人の幸せを願って~」(2/23法テラス和歌山・法教育セミナー)のご案内
 
 昨日、消費者ネットワークわかやま公開学習会「無縁社会と終活~人生のエンディングを考える~」(2019年2月9日@和歌山県勤労福祉会館プラザホープ2階多目的室)をご案内したところですが、2日続けての「終活」企画のご案内です。
 今日ご紹介するのは、法テラス和歌山(正式名称は日本司法支援センター和歌山地方事務所)が主催する法教育セミナー「終活のススメⅡ~心穏やかな老後と残された人の幸せを願って~」(2019年2月23日@和歌山県民文化会館小ホール)です。
 
 「終活のススメⅡ」ということは「終活のススメⅠ」があった訳で、それは4年前に開催した「法テラス和歌山 法教育セミナー-終活のススメ-」(2015年3月14日@和歌山市あいあいセンター6階ホール)でした。
 前回の「終活のススメ」は、第1部でドキュメンタリー映画エンディングノート』(砂田麻美監督)を上映し、第2部で、相続・遺言を主なテーマとした座談会形式の弁護士による法律講座という構成でした。事前告知した私のブログは以下のとおりです。
 
2015年2月2日
映画『エンディングノート』上映と法律講座のご案内(予告3/14法テラス和歌山法教育セミナー)
 
 前回は映画を上映した第1部、今回は林家染二(はやしや・そめじ)師匠に落語をお願いしています。
 私自身、上方落語といえば、長らく米朝事務所と提携して和歌山で落語会を開催してきている和歌山音楽愛好会フォルテに関わってきた関係から、米朝一門の皆さんの高座は何度も拝見してきましたが、染二さんの師匠である四代目林家染丸一門の噺家さんとはこれまで一度もご縁がありませんでしたので、今回の企画で初めて染二師匠の落語を聴くことができるのを非常に楽しみにしています。
 
 ちなみに、染二師匠のオフィシャルサイトに掲載されたプロフィールによると、染二さんは龍谷大学法学部のご出身、「2012年~落語家で初めて京都大学で講義(※「宇宙総合学」全学部1・2回生対象)を担当し、その他大阪電気通信大学京都造形芸術大学大阪成蹊大学にも出講している。」とか。
  もっとも、2月23日には「出講」していただくという訳ではなく、高齢者が消費者被害にあわないようにという創作落語の一席をお願いしているのですが。
 
 そして、第2部は、今回も座談会形式の法律講座で、弁護士、司法書士により、相続、遺言、成年後見などについて、分かりやすく説明します。
 
 以下に、チラシ記載情報を転記します。
 
(チラシから引用開始)
終活のススメⅡ
~心穏やかな老後と残された人の幸せを願って~
 
第1部 落語 林家染二(はやしや・そめじ)さん
 
第2部 座談会 林家染二さん・弁護士・司法書士
     (相続、遺言、成年後見について)
 
開催日時 平成31年2月23日(土)
     開場/14:00 開会/14:30 閉会予定/16:15
会場 和歌山県民文化会館小ホール
      和歌山市松原通一丁目1番地
定員 300名
入場無料
予約不要
手話通訳あり 手話通訳が必要な方は事前に法テラスにご連絡ください。お席を確保します。
  
参加者特典
『法テラス和歌山特製エンディングノート(冊子)』と『LEDライト付きペン』を差し上げます。(300名限定)
 
主催者・お問合せ先
日本司法支援センター和歌山地方事務所(法テラス和歌山)
 TEL:050-3383-5457(受付時間平日9:00~17:00)
 
後援
(引用終わり)

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 上掲の、4年前に書いた私のブログでもご紹介したとおり、無料でダウンロードできるエンディングノートも色々ありますが、法テラス和歌山のスタッフが独自に作成し、法教育講座などで配布して好評を博している特製エンディングノートを、普段はカラーコピーで対応しているのですが、今回の企画に合わせて特に印刷することになりました。ご期待ください。
 
 私自身、エンディングノートや終活を素材として、「法」のはたす役割についてお話する機会があり、その骨子を文章にまとめていますので、その一部を以下に引用し、今日の記事のまとめとしたいと思います。
 
「法テラス和歌山では、2015年3月に、一般市民を対象とした法教育セミナーを開催し、その中で、『エンディングノート』(砂田麻美監督作品/2011年)というドキュメンタリー映画を上映しました。
 映画は、長年ビジネスの最前線で活躍していた男性が、定年を迎えて間もなく癌の宣告を受け、自分の生と死を見つめながら、様々な思いを整理してエンディングノートを作成していく様子を実の娘さんが撮影したもので、非常に感銘深いものでした。
 セミナーでは、映画を上映した後、後半で、和歌山弁護士会高齢者・障害者支援センター運営委員会の正副委員長を招き、法テラス和歌山法律事務所のスタッフ弁護士がコーディネーターを務めて、遺言や相続についての解説をしてもらうという構成で進行しました。
 皆さんは、エンディングノートというものを見たことがあるでしょうか?色々なものが市販されていますし、ネットで無償ダウンロードできるものもたくさん公開されています。
 自分がどんな人生を歩んできたかを振り返る「自分史」、死後に子どもや親族が困らないように、亡くなったことを連絡して欲しい人の連絡先、葬儀や墓についての希望、財産や負債のことなどが書けるようになっているものが多いようです。
  これは、どちらかと言えば「トラブルが起こらないようにするにはどうするか」という問題ですが、少し私の意見を書いてみます。
 人はみな「自分らしく生きたい」「自己実現したい」と望んでいるはずです。実は、上でご紹介したエンディングノートは、「どう死ぬか」ということ、すなわち究極の「自己実現」のためのツールなのだと思います。
  しかし、セミナーの後半で取り上げたテーマは、「相続」「遺言」でした。
  それはこういうことです。
  人は、様々な社会集団や家族の中で生活しています。彼ら、彼女たちは、朝起きてから夜眠りにつくまで、習俗、道徳、規則(校則や就業規則)、法律、条例など、様々な規範の中で生きています。
  そのような「社会的動物」である人間が、自らを取り巻く環境の中で、いかに「自分らしく」生きていくかということに、「法」が関与できる部分というのは決して多くはありません。分野にもよることですが、「ごく一部」であると言っても良いでしょう。
 しかし、「一部」だから重要性が低いということにはなりません。第1でも少し説明しましたが、裁判制度によって担保された「法」の体系が存在することにより、私たちは、最終的には「権力者による恣意」ではなく、法律を基準とした「公正な判断」が得られると社会(国)を信頼することができます。
 人類は、全能の君主による一方的な裁きではなく、衆智を集めて作った「法」を公正に適用する裁判制度こそ、信頼するに足ると選び取ったのです。近代「法治主義」とは、すなわちそのような「法」に対する信頼の体系なのです。
  もちろん、社会には、「法」は関与せず、習慣や道徳に委ねるべきと考えられる分野もたくさんありますし、そのような問題が法廷に持ち出されても裁判所は不適法として却下します。
  そして、「法」によって規律されている社会的事象をめぐってトラブルが生じないように、あらかじめ明確な「遺言書」や「契約書」を作ったりすること。万一トラブルが生じた場合に、「法」に則った公正な解決がなされるようにすること。そのような「法的」な解決のためのアクセス障害を克服するためにこそ、法テラスが設立され、民事法律扶助業務を運営しているのです。」